温泉で有名な熱海の街を見守るように高台にそびえ立つのが、昭和34年（1959年）に観光施設として建てられた天守閣風の建物、熱海城です。
地元に長年愛される、熱海のシンボル的な存在の城郭風建築物です。
海抜160メートルの高台、名勝地の錦ヶ浦（にしきがうら）を見下ろす場所に位置し、江戸時代初期の建築様式を取り入れた外観五層、内部九階の高層建築となっています。
戦国時代には小田原北条氏の歴代の武将たちが水軍の拠点として築城を望みましたが、実現できなかったという逸話が残る、まさに要塞にふさわしい地に建てられました。
熱海城の最大の特徴は、天守閣の最上階、地上43メートルからの360度パノラマの絶景です。
熱海市街を一望できるのはもちろん、湯河原（ゆがわら）方面から、ぽっかりと海に浮かぶ初島（はつしま）や伊豆大島（いずおおしま）、さらには伊豆半島まで見渡すことができます。
晴れた日の眺めは格別で、訪れるだけでも価値があると言われています。
また、城内には大人から子どもまで楽しめる展示やアトラクションが充実している点も魅力です。

一階には無料のマッサージチェアが設置されており、旅の疲れを癒すことができます。
最上階での素晴らしい眺望を楽しんだ後は、みんなでワイワイ楽しめる無料の遊戯施設へどうぞ。
卓球やわ投げ、ビデオゲームなどが全て無料で遊べますので、ご家族みんなで賑やかに過ごせます。

その他にも、江戸時代の衣装に無料で着替えて記念撮影ができる「江戸体験コーナー」や、庶民の知的娯楽だった「判じ絵（はんじえ）クイズ」に挑戦できるコーナーもあります。
歴史を楽しく学べる展示も充実しています。
日本全国のお城に関する資料を集めた「日本城郭資料館」では、大阪城、名古屋城、姫路城、松本城といった有名なお城を、多いもので約4万本ものマッチ棒を使って精巧に制作したマッチ棒城郭模型が展示されています。
また、「武家文化資料館」には、武士が戦場で身につけた鎧（よろい）や日本刀、珍しい装飾の変わり兜などが数多く展示されており、見ごたえがあります。

芸術に触れるなら「浮世絵展」へ足を運んでみてください。
そこには、江戸時代の浮世絵師・歌川国芳（うたがわくによし）の描いた、人体を合成したような擬人画など、奇想あふれるユニークな作品群が展示されています。

また、春には周辺に桜が咲き誇り、お花見の名所としても人気です。
さらに、熱海海上花火大会が開催される日には営業時間を延長して、天守閣や城前縁台からの花火特別席を設けることがあるため、熱海を代表する夜景スポットとしても知られています。

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