【沸騰ワード10】#松本まりか ハンガリーコスパ旅 スポットリスト 2025/11/21放送

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沸騰ワード10 2025/11/21放送

松本まりか ハンガリーコスパ旅

ブダペスト中央市場

ヨーロッパの中でも特に美しいと言われるハンガリーの首都ブダペストにある、この街最大の屋内常設市場がブダペスト中央市場です。地元の人たちの台所としてだけでなく、その歴史的な美しさから、今では多くの観光客で賑わう人気のスポットになっています。自由橋のたもとに建つ建物は、ネオ・ゴシック様式という建築様式で、まるで大聖堂のような荘厳な雰囲気を醸し出しています。

ブダペスト中央市場は、1897年に青果市場として完成しました。設計は、ブダペスト工科大学の教授だったペッツ・シャムによって手掛けられています。建物の大きな特徴は、なんといっても屋根を彩る美しい装飾タイルです。ハンガリーの名窯であるジョルナイ製の黄色と緑を基調としたエオシンの瓦が使われていて、遠くからでも目を引くエキゾチックな美しさがあります。このタイルは、ブダペストの王宮の丘にあるマーチャーシュ教会でも見ることができ、ハンガリーらしい特別な雰囲気を加えています。第一次世界大戦や第二次世界大戦で大きな被害を受けましたが、1990年代に修復され、その美しい姿を取り戻しました。建物は3階建てで、高い鉄骨の天井が開放的な空間を作り出していて、地元の人々の活気と歴史的建造物の美しさが共存する、とても魅力的な場所となっています。

市場は大きく3つのフロアに分かれていて、1階は「ブダペスト市民の台所」と呼ばれるように、新鮮な野菜や果物、肉、パンなどの生鮮食品が並びます。特に目を引くのは、ハンガリー名産のパプリカや、世界的な生産量を誇るフォアグラ、そして種類の豊富なサラミやソーセージを扱うお店です。ハンガリー料理に欠かせないパプリカは、様々なパウダーやペースト状のものがあり、お土産にも喜ばれます。試食ができるお店も多いので、ぜひお気に入りを見つけてみてください。

2階には、お土産にぴったりの民芸品店や雑貨店、そして手軽に食事を楽しめるフードコートがあります。ハンガリーの伝統的な刺繍であるカロチャ刺繍を施したカラフルな布製品や、レースなどが人気です。また、ハンガリーはワインの名産地でもあり、特に有名なトカイワインなどを扱うリカーショップもあります。フードコートでは、ハンガリーの代表的なスープ料理グヤーシュや、揚げパンのようなランゴシュなどのB級グルメを味わうことができます。また、パプリカとレバーのソーセージなども、ビールのお供にぴったりです。

  • パプリカチキン
  • ラーンゴシュ
住所 ハンガリー 〒1093 ブダペスト
電話 (06 1) 366 3540

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飲める温泉

RUDAS GYOGYFURDO

ハンガリーの首都ブダペストにあるルーダス温泉は、ドナウ川のブダ側、雄大なゲッレールトの丘のふもとに佇む、長い歴史を持つ温泉施設です。この場所の源泉については、なんと1292年の古文書にすでに登場していた記録が残っているほどです。なかでも施設の中核をなすトルコ風呂は、オスマン帝国支配下の16世紀、1571年か1572年頃に当時のブダ総督であったソコルル・ムスタファ・パシャの命により建設されました。時を超えて今に伝わるこのトルコ風呂は、悠久の歴史を感じさせる重厚なドームと、その下に広がる八角形の湯船が特徴的で、訪れる人々を中世へと誘うタイムトラベルのような体験をもたらしてくれます。

このルーダス温泉が持つ一番の魅力は、その歴史的なトルコ風呂と、現代的で洗練されたウェルネス・スパが見事に融合している点です。古の伝統を受け継ぐトルコ風呂エリアは、現在も平日には男性専用や女性専用の日を設ける伝統的な運営が続けられています。平日の利用時には、お目当ての施設が男性専用の日なのか、女性専用の日なのかを事前に確認することが大切です。また、週末は男女混浴で利用できるため、カップルやご家族連れで訪れる際は週末を検討されるのも良いでしょう。

特に近年、多くの観光客を魅了しているのが、建物の屋上に設けられたルーダス・スカイテラス&スパです。温かい湯船に浸かりながら、目の前を流れるドナウ川、そしてライトアップされた国会議事堂を望むパノラマビューは、ブダペストの夜景を堪能するのに最高の場所です。この絶景は、旅の思い出を格別なものにしてくれるでしょう。また、温泉水を利用したスイミングプールのエリアは1986年に修復されたもので、こちらは終日混浴で利用可能です。施設全体で、約10度から42度まで幅広い温度の6つの治療用プールと、冷水から温水まで様々な温度が用意されたお風呂があり、お好みや体調に合わせて楽しめます。

この温泉施設には、内側から健康を整えるための飲用ホールもございます。ここでは、フンガリアアッティラユウェントゥスと呼ばれる3つの源泉から湧き出る温泉水を飲むことができます。これらの温泉水は、硫酸塩やカルシウム、マグネシウム、フッ化物イオンなどを含んでおり、特に慢性の関節炎や神経痛などに良いと言われていますので、お試しになってはいかがでしょうか。施設では、クラシックなマッサージやプレミアムなマッサージ、カップルで受けられるマッサージの他、施設内のルーダス・ビストロで食事を楽しむこともできます。また、安全上の理由から、14歳未満の方は入浴できませんので、ご注意ください。歴史とモダンが交差するルーダス温泉で、心と体の疲れを癒やす素敵な時間をお過ごしください。

住所 Budapest, Döbrentei tér 9, 1013 ハンガリー
電話 06 20 321 4568

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街1番のコスパ店で食べられる国宝マンガリッツァ

Király100 Gastro Corner

ハンガリーの首都ブダペストにあるKirály100 Gastro Cornerは、1893年から続く、非常に長い歴史を持つガストロコーナーです。
ブダペストの中心部、キラ―イ通り100番地という住所からその名前がつけられました。
このレストランは、創業以来、地元の皆様に愛されてきただけでなく、今ではブダペストでも特に人気のあるお店の一つとして知られています。
現在も、有名な芸術家や政治家、スポーツ選手といった様々な分野の著名人がお忍びで訪れることでも話題になり、お席の予約が頻繁に入るほどだそうです。

この伝統的なお店は、1910年まではヴィルモス・テラー氏によって所有されていました。
その後およそ40年間は、ベノ・シポシュ氏とそのご家族によって温かく切り盛りされてきたという歴史を持っています。
店内には、長きにわたりお店を支えてきた常連客たちの集合写真が飾られていて、この土地の歴史と人々の交流が刻み込まれてきた様子が伝わってきます。
お客様からは「このお店の成功の秘密は、居心地の良い雰囲気にあるのだろうか、それとも美味しいお料理とハンガリー産の良質なワインにあるのだろうか」という議論が交わされることがあるそうで、その答えを探しに訪れるのも楽しいかもしれません。
温かいぬくもりを感じる木材をふんだんに使った内装は、かつてこのお店がHaxenという名前で知られていた時代からの、バイエルン地方を思わせる雰囲気があり、訪れる人々を優しく迎え入れてくれます。

このお店では、本格的なハンガリー料理を中心に、国際的なお料理も楽しめます。
まず試していただきたいのは、ハンガリーの国民食としても親しまれているグヤーシュ・スープです。
また、前菜としても親しまれているのが、クルミを練り込んだレーズンパンを添えていただく冷製フォアグラの脂漬けです。
メイン料理としては、ハンガリーならではの食材を活かしたメニューが並びます。
煮込み料理がお好きな方には、仔牛の煮込みとハンガリー風ニョッキもおすすめです。
また、このレストランはステーキハウスとしての側面も持ち合わせていて、ニュージーランド産やアルゼンチン産のフィレ肉などの、厳選されたお肉を使ったグリル料理も人気です。
もっと手軽に楽しみたいときには、ウルグアイ産の牛肉を使った自家製ビーフハンバーガーを、フライドポテトを添えて召し上がってみてはいかがでしょうか。

他にも、お店の歴史を語る上で欠かせないのが、名物料理として親しまれてきたお肉料理の数々です。
中でも、炭火を使ってじっくりと焼き上げられる、皮がクリスピーな豚のすね肉は、以前のお店の名前にも由来する、まさに看板メニューの一つと言えるでしょう。
豚のすね肉に負けず劣らずの人気を誇るのが、クリスピーなガチョウの脚です。
プルーンを混ぜ込んだ赤キャベツの上に盛り付けられ、ハンガリーの伝統的な味わいを楽しませてくれます。
また、クリーミーなポテトとチーズを添えてフライパンで提供されるブラッセルの鴨のスライスも、風味豊かな一品としておすすめです。
食後には、ぜひ自家製シュトゥルーデルをどうぞ。
温かいバニラアイスクリームを添えていただく、昔ながらのデザートが、お食事の楽しい締めくくりとなります。
この歴史あるKirály100 Gastro Cornerで、ブダペストの人々に愛され続けてきた、伝統とモダンが融合した美食の数々を心ゆくまで堪能してください。

  • マンガリッツァステーキ
住所 Budapest, Király u. 100, 1068 ハンガリー
電話 (06 1) 351 6793

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高級ホテル

Anantara New York Palace Budapest Hotel

ハンガリーの首都ブダペストに建つAnantara New York Palace Budapest Hotelは、1894年にニューヨーク生命保険会社のヨーロッパ本部として建てられた、華麗な歴史を持つ宮殿を改装した高級ホテルです。ブダペストの文化の中心地、エルジェーベト大通りに位置しており、イタリア・ルネサンス様式を基調としながら、バロック、ゴシック、アール・ヌーヴォーの要素が美しく融合した折衷主義の壮麗な建築で知られています。建物の正面には大理石のファサードに華やかな彫刻や時計塔が施され、ホテル全体が芸術作品のような雰囲気をまとっています。この建物は、ハンガリーで最も著名な建築家の一人であるアライオス・ハウスマン氏が、フロリス・コルブ氏、カールマーン・ギエルグル氏と共同で設計を手がけました。

このホテルの最も大きな特徴の一つは、敷地内に「世界で最も美しいカフェ」とも称されるNew York Caféが併設されていることです。カフェは創業当時からハンガリーの作家や詩人、芸術家たちが集う文学と文化の中心地として賑わってきました。戦争で被害を受け、社会主義時代にはHungaria Caféに改名された歴史もありますが、その文化的な意義は計り知れません。天井に描かれたフレスコ画やクリスタルのシャンデリア、ブロンズ像などが飾られた豪華絢爛な空間は、訪れる人々をベル・エポックの時代へと誘います。New York Caféはブダペストの伝統として、アフタヌーンティーを楽しむ場所としても愛されています。

ホテルの客室とスイートは、クラシックな建築の魅力と現代的な豪華さが調和したデザインです。客室にはクリスタルのシャンデリア、大理石のバスルーム、上質な織物が使われ、洗練された落ち着いた雰囲気が漂います。広々としたスペースはリラックスするのにふさわしく、一部の客室からは活気ある大通りを見下ろすプライベートテラスも備えています。2022年にはロビーや全客室、そしてスパがリノベーションされ、歴史的遺産としての魅力を保ちつつ、最新の快適さを提供しています。

また、ホテル内には食事やリラクゼーションを楽しめる施設も充実しています。壮麗なNew York Caféの他に、モダンなブラッスリーWhite Salonでは、伝統的なヨーロッパ料理に現代的な感性を取り入れたお料理を味わえます。さらに、豪華なロビーにあるAtriumでは軽食やアフタヌーンティーを、The Poet Barではクラフトカクテルを楽しむくつろいだ空間を提供しています。リラクゼーション施設としては、贅沢なSpa Anantara New York Palace Budapest Hotelがあり、サウナ、スチームバス、リラクゼーションプールを備え、地元のウェルネスの伝統を取り入れたトリートメントで心と体を癒やしてくれます。女性も利用できます。毎晩開催されるハンガリー音楽の生演奏とカクテル・デモンストレーションのイベントは、一日の締めくくりを特別なものにしてくれます。

メニューには、芸術的に飾り付けられたサンドイッチやケーキ、ボンボンにコーヒーや紅茶、フレッシュオレンジジュースがセットになったアフタヌーン・ティーや、ハンガリーソーセージやシュトルーデルなどが楽しめるエンペラー経験といった、この豪華な空間にふさわしい華やかなセットがあります。また、24-カラット・ゴールド・カプチーノもこのカフェの名物の一つで、ヴァローナチョコレートとラズベリーケーキと一緒に提供される、まさに宮殿の優雅さを感じさせる逸品です。ホテル全体がブダペストの黄金時代を伝える歴史的なランドマークであり、訪れる人々に非日常的な贅沢な体験を届けてくれます。

  • 1泊 24982円〜
住所 Budapest, Erzsébet krt. 9, 1073 ハンガリー
電話 (06 1) 886 6111

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公式サイト

Anantara New York Palace Budapest Hotel

Anantara New York Palace Budapest Hotel…

New York Café

ハンガリーの首都ブダペストにあるニューヨルク・カフェは、「世界で最も美しいカフェ」として名高い歴史ある喫茶店です。1894年に、ニューヨルク生命保険会社(New York Life Insurance Company)のヨーロッパ支社の本社ビルとして、豪華なニューヨルク宮殿の地上階に誕生しました。設計は著名な建築家アライオス・ハウスマンが手がけ、彼の他にフローリス・コルブとカールマーン・ギエルグルが協力し、当時の華麗な「世紀末(フィーヌ・シエクル)」様式を体現した壮麗な宮殿が完成したのです。オープンから間もなく、このカフェはブダペストの文化的な中心地となり、作家、詩人、ジャーナリスト、芸術家たちが集う文学的なサロンとして栄えました。

このカフェは、豪華絢爛な内装そのものが最大の特徴です。ネオ・ルネサンス様式やバロック、ロココ、アール・ヌーヴォーの要素が混ざり合った折衷様式で造られ、まるで宮殿の中にいるかのような気分を味わえます。天井には見事なフレスコ画が描かれ、金箔が施された装飾、優美な大理石の螺旋状の柱、そしてきらめくヴェネツィアのシャンデリアが空間を彩っています。

カフェの外観も注目すべき点で、14体の悪魔の象徴とされる半人半獣のブロンズ像「ファウヌス(Faunus)」が建物を飾っています。これらは官能と嘲笑の象徴として、彫刻家カーロイ・シェニェイが制作したものです。さらに、コーヒーと知性の精霊とされる「エル・アスモダイ」の像も配置され、訪れる芸術家たちにインスピレーションを与えるという願いが込められていました。

歴史のエピソードとしては、劇作家のフェレンツ・モルナールが、あまりにも美しいこのカフェが二度と閉鎖されないようにと、オープニングの夜に鍵をドナウ川に投げ込んだという伝説が残っています。
また、かつてはハンガリー文学の著名な作家たちが集い、文芸雑誌『ニュガト(Nyugat)』の編集会議がカフェのギャラリーで行われるなど、ハンガリーの文化史に深く刻まれた場所です。

第二次世界大戦で被害を受け、社会主義時代には「フンガリア・カフェ」と改名されてスポーツ用品店として使われたり、元の華やかさを失った時期もありました。しかし、1990年代の共産主義体制崩壊後、イタリアのホテルグループが建物を取得し、大規模な改修を経て、2006年にかつての壮麗な姿を取り戻し、高級ホテル「アナンタラ・ニューヨルク・パレス・ブダペスト・ホテル」の一部として再オープンしました。

このカフェでは、豪華な内装とともに、伝統的なハンガリー料理と国際的な料理を楽しめます。特にデザートは人気が高く、ハンガリーが誇る古典的なケーキがメニューに並びます。
ハンガリーソーセージやストゥルーデルなどがセットになった「ザ・エンペラー・エクスペリエンス」は、ハンガリーの伝統的な味を一度に楽しめるテイスティングセットです。

また、メニューには、有名なチョコレートケーキの「ザッハー・トルテ」や、何層ものスポンジとキャラメル風味のクリームが特徴の「ドボシュ・トルタ」、アーモンドのメレンゲとバタークリームの組み合わせが上品な「エステルハージ・トルタ」といった、アウスグロ=ハンガリー帝国時代の文化を今に伝える伝統的なケーキが名を連ねています。
お飲み物では、贅沢に24金(24カラット)の金箔が乗せられた「24-カラット-ゴールド・カプチーノ」が、フォトジェニックな体験として訪れる人々に人気を集めています。

カフェを訪れる際は、大変人気があるため、特にランチタイムやティータイムは長い行列ができることがあります。夕食の時間帯である18時以降は、予約を受け付けている場合が多いので、事前に公式ウェブサイトで確認することをおすすめします。
また、日中は生演奏が行われることもあり、クラシック音楽やジプシー音楽が流れる中で、宮殿のような空間で優雅なひとときを過ごすことができます。

住所 Budapest, Erzsébet krt. 9-11, 1073 ハンガリー
電話 (06 1) 886 6167

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New York Café Budapest

A New York Kávéház patinás épülete, a 260 éves New York Palota 2011-ben először nyerte el a Világ Le……

ブダ城

ブダペストの街並みを一望できる丘の上に、優雅な姿でそびえるのがブダ城です。
ドナウ川を挟んでペスト地区と向かい合うブダ地区のシンボルで、かつてはハンガリー国王が暮らした王宮でした。
このブダ城を含む「ブダペストのドナウ河岸とブダ城地区およびアンドラーシ通り」は、1987年に世界遺産に登録されています。
その起源は13世紀、1241年のモンゴル軍の侵攻から都を守るための要塞として、ベーラ4世によって石造りの城が築かれたことに遡ります。
その後、時代と共に増改築が繰り返され、14世紀にはゴシック様式の王宮になり、中世ハンガリー最盛期を築いたマーチャーシュ1世の時代にはイタリアの影響を受けたルネサンス様式へと大きく変貌しました。
しかし、オスマン帝国の占領や、ハプスブルク家の支配下での再建、そして19世紀の革命や二度の世界大戦による大規模な破壊と修復を何度も経た、波乱に満ちた歴史を持つ建物です。
その長い歴史の中で、ゴシック、ルネサンス、そして現在のネオバロック様式へと姿を変えてきたブダ城は、まさにハンガリーの歴史そのものを物語っていると言えるでしょう。

現在、ブダ城の建物群は、王政ではないハンガリーにおいて、文化的な施設として利用されています。
城内には、ハンガリーの美術品を数多く収蔵しているハンガリー国立ギャラリーや、ブダペストの歴史を辿るブダペスト歴史博物館、そしてセーチェニ国立図書館などが置かれています。
特にハンガリー国立ギャラリーのドームにあるテラスからは、ブダペストの街並みの絶景を見渡すことができ、多くの観光客を惹きつけています。
ブダペスト歴史博物館では、ブダ城の歴史をはじめ、ブダとペストが合併するまでの歴史に関する写真や、当時の家具、衣装、装飾品など、貴重な展示品を通して、ハンガリーの文化と歴史を深く知ることができます。

城の敷地内には、建物以外にも見逃せない美しいスポットがたくさんあります。
たとえば、中庭にたたずむマーチャーシュの泉は、繊細な彫刻が施された見事な噴水で、マーチャーシュ王の狩りの様子が表現されています。
また、高さ5メートルにもなるサヴォイア公ジェンジの騎馬像も、1900年に造られた歴史ある像として、庭園のシンボルの一つになっています。
城の南側にある、ドナウ川を望むテラスからは、「ドナウの真珠」とも称されるブダペストの美しい景色を堪能でき、特に夜景は格別で、街の光が川面に映るロマンチックな光景が広がります。
ブダ城へのアクセスは、ふもとからケーブルカーを利用する方法や、バスを利用して丘の上まで登る方法があり、体力に合わせて選ぶことができます。
丘全体が歴史地区なので、散策だけでも十分楽しめますが、施設によっては月曜日が休館日であったり、季節によって営業時間が異なりますので、訪れる前に公式情報で確認することをおすすめします。
また、世界遺産の地域は広いので、散策中に他の観光客のプライバシーに配慮した行動や、貴重品の管理には十分注意して、美しい歴史地区の散策を心ゆくまで楽しんでくださいね。

住所 ハンガリー ブダペスト ブダ城地区

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Buda Castle

Buda Castle, Budapest…

国会議事堂

ブダペストのドナウ川沿いにそびえ立つ、荘厳で美しい国会議事堂は、ハンガリーの首都ブダペストを象徴する、まさに街の宝石のような存在です。

この国会議事堂は、ペスト地区の川岸に位置しており、「オルサーグハーズ」(Országház、「国の家」の意味)とも呼ばれています。その建設は、マジャル人のカルパチア盆地への定住完了から1000年というハンガリー建国千年祭を記念して始まりました。オーストリア=ハンガリー二重帝国時代、ハンガリーの自治権と国家的なアイデンティティを世界に示す象徴として、1885年に着工されました。設計は、ハンガリーの建築家シュテインドル・イムレ(Imre Steindl)氏がコンペティションで選ばれ、彼のネオ・ゴシック様式を基調とした壮大なデザインが採用されています。建設には約20年という長い歳月がかけられ、1904年に完成しましたが、残念ながらシュテインドル・イムレ氏は完成を見ることなく、1902年に亡くなっています。現在もハンガリーの立法府である国会が置かれている、国内最大の建築物です。

国会議事堂は、イギリスのロンドンにあるウェストミンスター宮殿(イギリスの国会議事堂)を参考にしつつ、ネオ・ゴシック様式が中心でありながら、ドーム部分にはルネサンス様式、内部にはバロック様式といった、複数の建築様式が巧みに融合しているのが大きな特徴です。特に中央にそびえるドームの高さは96メートルとされていますが、これは建国千年祭の年である1896年にちなんでおり、ハンガリーの歴史的な節目を象徴しています。また、建物は左右対称の設計で、内部にはかつての二院制議会を象徴するように同じデザインの議場が二つ備えられています。この対称性は、当時の上下両院が同等の権利を持っていたことを示していると言われています。建設には大変な費用と労力が投じられ、約4000万個のレンガ、50万個の貴石、そして約40キログラムの22〜23カラットの金が内部の装飾に使われているという記録があり、その豪華さはまさに目を見張るばかりです。

この美しい建物内部の見どころの一つは、ハンガリー国家のシンボルであり、王権の権威を象徴するハンガリー聖冠です。国会議事堂は、この聖冠を守る「国の家」としての役割も担っており、現在は宝物として議事堂内で厳重に保管され、見学ツアーで見ることができます。また、内部空間を彩る豪華な装飾も見逃せません。ロート・ミクシャによるステンドグラスや、豊かな彫刻が施された木製家具、歴史上の偉人をモチーフにした多数の石像など、ハンガリー最高の職人技が集結した芸術作品のようです。建物の外観には50体、内部には152体、合計242体の石像が配置されており、壮麗な雰囲気を一層引き立てています。

住所 Budapest, Kossuth Lajos tér 1-3, 1055 ハンガリー
電話 (06 1) 441 4000

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Café Gerbeaud

ブダペストの中心、ヴルシュマルティ広場に堂々と佇むカフェ・ジェルボーは、160年以上の歴史を持つ、ヨーロッパでも指折りの伝統的なカフェであり、ブダペストを代表する菓子店です。その歴史は1858年、菓子職人一族の三代目であるヘンリク・クーグラー氏が、現在のヨージェフ・ナードル広場で菓子店を開いたことに始まります。クーグラー氏は、パリなどヨーロッパの11都市で修行を積んだ経験を活かし、開店当初から高品質な菓子とサービスで評判を集め、特に「ブダペストで一番」と称されたアイスクリームが人気を集めたそうです。その後、1870年に現在のヴルシュマルティ広場へと移転し、店はさらなる発展を遂げます。

この歴史あるカフェが、その名を世界に轟かせたのは、1884年にクーグラー氏が共同経営者に迎えた、スイス出身の天才菓子職人エミール・ジェルボー氏の功績が大きいでしょう。クーグラー氏には後継者がいなかったため、ジェルボー氏に店の全てを任せ、店は彼の名前を冠することになりました。ジェルボー氏は、バタークリームやパリジャンクリーム、数百種類にも及ぶショートケーキなど、革新的な製品を次々と考案し、現代的な製菓技術を導入することで、お店をヨーロッパで最も洗練されたカフェの一つへと進化させました。特に、彼は猫の舌チョコレートコニャック・チェリー・ボンボンなどをハンガリーに初めて紹介した人物としても知られています。また、当時の貴婦人たちは、優雅な店内で社交を楽しみ、素敵な出会いを求めてこのカフェを訪れたというロマンチックな逸話も残っています。オーストリア=ハンガリー帝国の皇后エリザベート、愛称シシィもブダペスト滞在時には立ち寄るのを常としていたそうです。

店舗が入る建物、ジェルボー・ハウス自体も歴史的な価値があり、元々は銀行として1861年に建てられた荘厳な建物です。その内装は、大理石のカウンターや豪華なシャンデリア、金色のテーブルなどが配された、優雅なアール・ヌーヴォー様式で飾られています。一時は国営化され名前が変わる時代もありましたが、1997年の大規模な改修を経て、ジェルボー氏が築き上げた20世紀初頭の華麗な雰囲気を今に伝えています。

カフェ・ジェルボーを訪れたら、ぜひ味わっていただきたいのが、お店の代名詞とも言えるジェルボー・スライスです。これは、柔らかい生地の層にクルミとアプリコットジャムを贅沢に挟み込み、上から濃厚なフランス産チョコレートのグレーズをかけた、創業者ジェルボー氏のオリジナルレシピを忠実に守った伝統的なケーキです。また、ハンガリーの代表的なお菓子として名高いドボス・トルタも、このお店の看板メニューの一つです。スポンジケーキとリッチなチョコレートバタークリームを何層にも重ね、表面をパリパリのキャラメルで仕上げた、食感も楽しい逸品です。他にも、アーモンド生地とバタークリーム、フォンダンで仕上げられたエステルハージ・トルタや、サクサクのパイ生地で絹のようなカスタードクリームを挟んだクレメシュといったハンガリーのクラシックなケーキも人気を集めています。夏場には、自家製の新鮮な材料で作られたジェラートやソルベも種類豊富に提供され、美しいカフェの空間で、香り高いコーヒーや紅茶とともに、極上のスイーツをゆったりと楽しむことができます。ブダペストの優雅なカフェ文化を肌で感じられる、特別な場所です。

  • ドボシュトルタ 1007円
  • ラテマキアート 833円
住所 Budapest, Vörösmarty tér 7-8, 1051 ハンガリー
電話 (06 1) 429 9000

トカイ村のホテル

Bazilika Vendégház

ハンガリー北東部、世界遺産にも登録されている美しいトカイワイン産地にたたずむのが、宿泊施設Bor Bazilika Vendégházakです。この施設は、ワインセラーが連なるタルツァルの歴史的な通り「ピンツェソル」の一角にあり、トカイ・ヘジャリヤと呼ばれる丘陵地帯の、のどかな風景の中でくつろぎのひとときを過ごせます。2002年に建てられたこのゲストハウスは、オーナーのバーショニ・ヤーノシュ氏が家族経営で大切に守り続けている場所で、訪れる人々を温かく迎え入れています。

この施設の大きな魅力は、世界遺産「トカイワイン産地の歴史的文化的景観」に囲まれた立地と、ワイン文化を身近に感じられる環境です。タルツァルは、この世界的に有名なワイン産地を構成する27の集落の一つであり、ブドウ畑、農場、村々が織りなす景観は1000年以上にわたるワイン生産の伝統を今に伝えています。施設自体もその伝統的な景観に溶け込むように建てられ、静かで心安らぐ時間を提供してくれます。また、近くの提携施設(約275m先)にあるレストランやワイナリー、スパトリートメントを利用できる点も、旅の楽しみを広げる嬉しいサービスです。

Bor Bazilika Vendégházakでぜひ楽しんでいただきたいのは、やはりトカイワインを中心としたお酒との出会いです。施設内には45名まで利用できるワインバーがあり、トカイ・ヘジャリヤ地方の著名なワインセラーから仕入れた厳選されたボトルワインを味わえます。ルイ14世に「王のワイン、ワインの王」と讃えられた、世界最古の貴腐ワイントカイ・アスーの故郷で、その深い歴史とユニークな風土から生まれるワインをじっくりと堪能できます。ワインテイスティングのイベントも開催されており、トカイワインの奥深い魅力を知る良い機会になります。

このゲストハウスは、ただ泊まるだけでなく、滞在そのものが思い出になるような工夫が随所にあります。家族や企業のイベント、会議にも対応できる80名収容の別室や、特別な雰囲気が漂う「バジリカの間」といった多様な空間があり、旅の目的に合わせた使い方が可能です。宿泊棟には、キッチン付きのシャレータイプもあり、グループや家族連れにも便利です。また、施設内でビリヤードや卓球、屋内プレイルームなどのレクリエーション設備が充実しているため、天候に左右されずに過ごせます。周辺はウォーキングやサイクリングに最適な環境で、火山性の土壌とティサ川、ボドログ川が作る微気候が育むブドウ畑の中を歩くツアーは格別です。ハンガリーの歴史と自然、そして世界に誇るワイン文化を肌で感じられるBor Bazilika Vendégházakは、トカイ地方を巡る旅の拠点としておすすめの場所です。世界遺産のエリアを訪れる際は、歴史的景観を守るために、自然環境や文化遺産を大切にする心構えが必要です。トカイワイン産地の歴史的文化的景観は、2002年に登録された文化遺産で、この地域特有の地下のワインセラー網もその価値を構成しています。

  • 1泊 3520円
住所 Tarcal, Keresztúri u. 58, 3915 ハンガリー
電話 06 20 357 9003

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世界三大珍味フォアグラを食べる

Rákóczi Pince Étterem

ハンガリー北東部の美しい街ミシュコルツの歴史あるアヴァシュ丘陵の麓で、地元の人々や旅行者に長年愛されているのが、ラーコーツィ・ピンツェ・エッテルムです。このレストランは1999年にその扉を開きました。街の中心部にありながら、一歩足を踏み入れると、そこには上品でありながらも温かい家庭的な雰囲気に包まれた、堅実な市民のスタイルが息づく空間が広がっています。店名にある「Pince(ピンツェ)」はハンガリー語で「地下室」や「セラー」を意味しており、その名の通り趣のある地下の空間が、特別な時間を提供してくれます。

このレストラン最大の魅力は、都会の喧騒を忘れさせてくれる、緑豊かな庭園です。訪れたお客さまからは「街の中心部の緑の宝石」という愛称で親しまれており、まるで植物園のような木々や茂みに囲まれています。地下のセラー席は50名、そしてこの心地よい庭園には70名が座ることができ、季節を問わず、心地よい食事が楽しめます。また、その心やすらぐ雰囲気は、ご家族連れにも非常に優しく、小さなお子様たちも広々とした場所で楽しく過ごすことができるのです。冬でも夏でも、この雰囲気の良さから、結婚式や各種宴会、会社のイベントなどの大切な集いの場としても利用されていて、人生の記念日を祝うにふさわしい、ロマンチックで美しい環境が整えられています。伝統的なハンガリー料理を重んじる一方、現代的な外国の料理も取り入れるなど、柔軟な姿勢も魅力の一つです。

このお店の料理は、ハンガリーの伝統的な食文化に基づいていることが大きな特徴です。特に、ハンガリーならではの食材を活かした豚肉料理の美味しさは、ぜひ味わっていただきたい名物です。また、自家製にこだわった滋味深いハウスメイドの真珠のような脊髄スープの細麺添えも、多くの人に人気の一品です。時間をかけてじっくり煮込まれたかのような豊かな味わいは、心に染みわたる優しさで、旅の疲れを癒してくれるでしょう。

メイン料理としては、ハンガリーの冬の風物詩でもあるキャベツの漬物と豚肉の煮込みなどがあります。キャベツの酸味と豚肉の旨味が溶け合った、素朴で力強い伝統の味を、ここでは洗練された形でお楽しみいただけます。食後のデザートには、オーストリア=ハンガリー帝国時代から愛されているアップルシュトルーデルもおすすめです。薄い生地の中に、甘酸っぱいリンゴやシナモンなどが詰まった伝統的なお菓子は、食後の満足感を高めてくれます。どのお料理も、見た目の美しさだけでなく、量もたっぷりで、心ゆくまでハンガリーの食を堪能できるでしょう。ラーコーツィ・ピンツェ・エッテルムは、家族的な温かさと、伝統を大切にする料理の哲学が調和した、ミシュコルツでの素敵な思い出を作るための最高の場所です。

  • フォアグラ料理
住所 Miskolc, Rákóczi Ferenc u. 23, 3530 ハンガリー
電話 (06 46) 343 916

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スロバキア

Hotel Ambassador

スロバキア東部の美しい都市コシツェの歴史的な中心部にたたずむのが、4つ星ホテルHotel Ambassadorです。ホテルの場所はコシツェ市が指定する歴史的な地区にあり、その建物には大変古い歴史が息づいています。原型の建物の一部は13世紀後半頃に建てられたとされ、今も文化財として大切に守られています。その伝統ある建物に、最新の設備を備えた新しいセクションが2009年9月に加わり、伝統とモダンが美しく融合した現在の姿になりました。街の中心にありながら、古い歴史と上質なサービスを同時に体験できる特別な場所です。

このホテルの一番の魅力は、何といってもコシツェの主要な歩行者専用道路に面した最高の立地です。ホテルのすぐそばには、街の象徴であるゴシック様式の聖エリザベス大聖堂をはじめ、国立劇場などの歴史的で文化的な見どころが集中しています。観光の拠点として理想的で、街歩きの途中にいつでも気軽に立ち寄れるのが嬉しい点です。客室は全23室で、ゆったりとしたデラックスツインやクイーンベッドのダブルルーム、さらに贅沢な滞在を叶えるアパートメントタイプのスイートなど、旅の目的に合わせて選べるようになっています。各部屋には、エアコンやインタラクティブテレビ、有線・無線インターネットなど、快適に過ごすための設備が整えられています。ご宿泊のお客様は、リラックスのためのスパ(SPA)をご利用いただくこともでき、旅の疲れを心地よく癒やしていただけます。

館内には、上質なレストランや雰囲気の良いカフェがあり、ホテルでの時間をより豊かに彩ります。レストランDIPLOMATでは、地元スロバキアの伝統的な料理と国際色豊かなメニューの両方を楽しめ、洗練された雰囲気の中で特別な食事のひとときを過ごせます。地元の生産者から仕入れた最上級の食材を使い、見た目も美しい料理が提供されています。また、ビジネスの集まりや家族のお祝いにも適したプライベートなラウンジやワインバーも用意されており、多様なニーズに応えてくれます。

このレストランでは、季節ごとに旬の食材を活かしたメニューが提供されるのも魅力のひとつです。例えば、シェフのおすすめとして、皮がパリッと香ばしいアヒルの胸肉のコンフィや、新鮮なニンニクの香りが食欲をそそるキノコのタリアテッレなどがあります。また、スロバキアの伝統を味わえるクラシックなサワークリーム煮込みの牛フィレ肉に、豚の背脂が入ったクネドリーキというパンプディングのような団子を添えたお料理も人気の一品です。さらに、ポルチーニ茸のクリームスープなど、風味豊かな前菜や、ローストしたヘーゼルナッツと自家製ホイップクリームが添えられたチョコレートパンケーキなどのデザートも、忘れられない美食体験となるでしょう。豊富なスロバキアワインの中から、お料理にぴったりの一杯を選べるのも楽しみのひとつです。コシツェの中心で、歴史を感じながら贅沢な美食とリラックスできる時間を提供するHotel Ambassadorは、思い出深いスロバキアの旅に花を添えてくれます。

住所 Hlavná 73/101, 040 01 Košice, スロバキア
電話 0905 220 430

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スピシュ城

スロバキアの東部、緑豊かな丘の上にそびえ立つスピシュ城は、中央ヨーロッパでも最大級の規模を誇る、世界でも稀な壮大な城の廃墟です。何世紀もの歴史の重みが、荒々しい石壁と広大な敷地全体から伝わってきて、訪れる人々に強い印象を与えます。その歴史は古く、12世紀頃にはハンガリー王国の境界要塞として築かれ始めました。その後、13世紀初頭にはタタール人(モンゴル人)の襲来に備えて石造りの城として本格的に再建・強化され、旧スピシュ県における経済、行政、文化の中心地として大いに栄えていったのです。

この城の建築的な特徴は、時代の変遷を映すかのように、ロマネスク様式で始まった建物に、ゴシック様式やルネサンス様式が次々と加えられ、拡張されていったことにあります。広大な敷地は4ヘクタール以上にも及び、その堂々たる要塞システムや、かつての住居、礼拝堂の跡が残されています。しかし、1780年に起きた大火災によって城のほとんどが焼け落ちてしまい、以来、約200年もの間、荒廃した姿のまま残されていました。その哀愁を帯びた佇まいが、逆に「天空の城」を思わせる神秘的な魅力を放ち、多くの人々の心を引きつけています。20世紀後半からは徐々に復元作業が進められ、現在、城内の一部は博物館として公開されています。

スピシュ城の持つ文化的価値と歴史的な背景が認められ、1993年に「スピシュ城とその関連文化財」としてユネスコの世界遺産に登録されました。その後、2009年には歴史的な重要性を持つ近隣の町が加えられ、「レヴォチャ歴史地区、スピシュスキー城及びその関連する文化財」として登録が拡大されています。

世界遺産として登録されている構成資産は、スピシュ城単独ではなく、以下の関連文化財を含んでいます。
* レヴォチャ歴史地区(2009年追加登録)
* スピシュスカー・カピトゥラ(聖マルティヌス大聖堂などがある宗教都市)
* スピシュスケー・ポドフラジエ(城の麓にある城下町で、ロマネスク様式の聖堂も残る経済都市)

城を訪れた際にぜひ見学していただきたいのが、その広大な敷地の中でも特に高い場所にある「タワー塔」です。狭い螺旋階段を登った先に広がる展望台からの景色は圧巻で、天気の良い日には遠くタトラ山脈の雄大な姿を望むことができます。また、城内にある博物館では、かつてこの城で使われていた歴史的な武器や、家具などが展示されており、中世の生活を想像することができます。夜には城がライトアップされ、昼間とはまた違う幻想的な美しさを見せてくれますので、麓の町スピシュスケー・ポドフラジエに宿泊して眺めてみるのも素敵な体験になるでしょう。

スピシュ城は、3月下旬から10月下旬までの季節限定で城内見学ができますので、訪れる際は公式情報で開場期間を必ず確認してください。公共交通機関を利用する場合、コシツェやプレショフからバスが運行していますが、スロバキアでは首都ブラチスラバ以外では英語があまり通じないこともありますので、移動には事前の情報収集が大切です。また、バスの運賃の支払いにはクレジットカードが使えない可能性もありますので、現金(ユーロ)を準備しておくと安心です。周辺には「スピシュスキー○○○○○」という名の町がいくつかありますので、バスを乗り間違えないよう注意してくださいね。プレショフからバスで向かう際、進行方向左側に座ると、丘の上にそびえる城の壮大な裏側を見られる絶景ポイントがありますから、お席選びも楽しんでみてください。

住所 053 61, Žehra, スロバキア
電話 053/454 13 36

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