神奈川県横浜市中区にある、明治から大正にかけて生糸貿易で財を成した実業家・原三溪（本名：富太郎）によって造られた広大な日本庭園です。
約17.5ヘクタール（東京ドーム約4個分）もの敷地には、京都や鎌倉などから移築された歴史的価値の高い古建築が巧みに配置され、四季折々の美しい自然景観と見事に調和しています。
園内には国の重要文化財に指定されている建築物が10棟、横浜市指定有形文化財が3棟もあり、訪れる人々を日本の歴史と文化の深淵へと誘います。
当初は自邸として造営されましたが、1906年（明治39年）には「外苑」部分を一般公開し、その後も建築物の移築や整備を続け、1958年（昭和33年）には、原家から財団法人三溪園保勝会に運営が引き継がれ、今日に至るまで多くの人々に親しまれています。
三溪自身が、京都の「金閣」や奈良の「東大寺大仏殿」に匹敵するような、日本文化を象徴する場所を横浜に創りたいという強い思いを持っていたと言われており、その情熱がこの壮大な庭園を完成させました。
園内では四季折々の花々が咲き誇り、梅、桜、ツツジ、ハス、紅葉など、年間を通じて様々な自然の表情を見せてくれます。
特に春の桜と秋の紅葉の時期は、多くの観光客で賑わい、夜間にはライトアップが行われることもあります。