新潟県佐渡島に位置する「佐渡島の金山」は、2024年7月27日に世界文化遺産に登録された、日本の金銀山開発の歴史を今に伝える貴重な遺産です。
かつて「黄金の国ジパング」と呼ばれた日本において、江戸時代には国内最大の金銀山として徳川幕府の財政を支え、その採掘技術や生産体制は世界的に見ても類を見ない普遍的な価値を持つと評価されています。

主要な観光拠点である史跡 佐渡金山（相川金銀山の一部）では、江戸時代から近代にかけての採掘の変遷を辿ることができ、佐渡島の歴史と文化を深く体感できる場所となっています。

佐渡島の金山は、単なる鉱山跡ではなく、手工業による伝統的な採掘・製錬技術の進化と、それを支えた徳川幕府による管理・労働体制が一体となって残されている点が大きな特徴です。
この遺産は、「西三川砂金山」と「相川鶴子金銀山」の二つのエリアの鉱山で構成されています。

佐渡での金採掘の歴史は古く、平安時代の『今昔物語』にも登場すると推定される「西三川砂金山」での砂金採掘に始まります。
その後、16世紀半ばから本格化し、特に江戸時代初期に大規模開発された「相川鶴子金銀山」は、日本最大の金銀山として発展しました。