乱川駅「天童製麺」
乱川駅からすぐの場所にある天童製麺は、山形県が誇る乾麺文化の歴史を受け継ぎながら、新しさも追求し続ける製麺所が営むお店です。昭和63年(1988年)に創業して以来、山形県天童市を拠点に、地元で愛される麺を作り続けてきました。この天童市は、古くから東北三大乾麺産地の一つに数えられる歴史深い土地で、豊かな自然ときれいな水に恵まれています。創業者の伊藤義廣氏は、幼い頃から祖父の鴨猟を手伝い、獲れた鴨肉で家族と鴨そばを食べる文化に親しんで育ったため、漠然と麺作りの仕事に携わりたいという思いを抱いていたそうです。一度は別の仕事に就いたものの、本当に美味しい麺を自分で作りたいという情熱を抑えきれず、一大決心をして製麺所を立ち上げました。
天童製麺の大きな特徴は、乾麺・生麺の製造販売という製麺所の本業に加え、こだわりの中華そばを提供する直営の飲食店をオープンさせたことです。特に、山形そばは田舎風の太麺が主流の中で、細い山形そばを作りたいという創業者の思いから試行錯誤を繰り返し製品化された細麺の乾麺そばそうめんは、創業当初からの看板商品として、現在も人気ナンバー1を誇っています。また、創業者の祖父である伊藤礼太郎氏には、戦後、原崎沼の鴨を守るために駐留米軍と直談判をした「鴨じいさん」のエピソードが残っており、この土地と麺への深い愛情が根付いています。平成14年(2002年)からは、宮城県名取市のゆりあげ港朝市で、麺とスープにこだわった直営の立ち食いそば店を営業していましたが、その後、満を持して地元天童市に直営のラーメン店として移転し、多くの麺好きの熱い視線を集めています。地元に製麺所がありながら、他県の朝市で長年ラーメン店として行列を作り、その人気を引っ提げて凱旋したというエピソードは、このお店の麺に対する並々ならぬ自信の証といえるでしょう。
製麺所ならではのこだわりが詰まったラーメン店の看板メニューは、その名も中華そばです。濃厚な煮干しの旨味が効いた醤油スープに、特筆すべきは製麺所直営ならではのワシワシとした食感が楽しい極太のちぢれ麺です。この麺は、硬めで歯ごたえがあり、スープの濃厚な味わいと絡み合うことで、一度食べたら忘れられない個性を生み出しています。その味わいの傾向は、山形の有名なラーメン店のスタイルにも通じるものがあると評判です。遠方からわざわざ足を運ぶお客様が多く、時間帯によっては整理券システムを導入するなど、行列の絶えない超人気店となっています。
製麺所として乾麺も根強い人気があり、特に細麺のそばそうめんの他にも、昔ながらの田舎風の太さを楽しめる王将そばや、お子様にも食べやすいと好評のよもぎめんなど、様々な種類の麺を心を込めて作り続けています。また、ラーメン店のメニューには、濃厚な煮干し醤油ダレをワイルドな太麺に絡めていただく油そばや、暑い時期に期間限定で登場する山形らしい親鳥ベースの冷たい冷たい肉中華など、個性豊かな麺料理が揃っています。乱川駅のある天童市は、将棋駒の産地として有名で、駅周辺には「倉津川しだれ桜」や「道の駅 天童温泉」など立ち寄りたくなるスポットもたくさんありますから、旅の途中に立ち寄り、製麺所が生み出すこだわりの一杯をぜひ味わってみてください。
- 中華そば 950円
| 住所 | 山形県天童市山口703 |
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おかげさまで創業30周年を迎えることができました。今までのお客様にもっと身近で愛される天童製麺になるのはもちろん、今まで天童製麺を知らなかった方々にも知っていただき、美味しい山形のめんを全国のみなさま……
