つくばエクスプレス浅草駅から歩いて10分ほどの千束通り商店街にあります和ノ家 追分は、津軽三味線や民謡のライブを楽しめる、東京で最も歴史ある民謡酒場です。お店の前身は「浅草追分」といい、1957年（昭和32年）の創業から約61年間、長きにわたり多くの人々に愛されてきました。惜しまれながら2018年末に一度その歴史に幕を下ろしましたが、「民謡酒場の灯を消してはいけない」という先代女将の強い思いを受け継ぎ、2019年5月1日（令和元年元旦）に『和ノ家 追分』として新しく生まれ変わりました。伝統的な日本の芸能とお酒や食事を一緒に味わえるスタイルは、老若男女問わず、また日本文化に触れたいと願う海外からの観光客の方々にも人気を集めています。

このお店の最大の魅力は、やはり舞台との距離の近さとその臨場感あふれるライブパフォーマンスです。和ノ家 追分は、かつて津軽三味線で有名な吉田兄弟のお兄様である良一郎氏がデビュー前に修業された場所としても知られており、まさに民謡界の登竜門として数多くのプロ演奏家を輩出してきました。現在もプロとして全国で活躍する方やプロを目指す若き奏者など、七名ほどの演者さんが日替わりで舞台に立ち、迫力ある演奏を披露しています。黒紋付きにはかま姿で三味線を構える姿は、一見の価値があります。ライブは夜に二度行われ、津軽三味線のほか、唄による全国の民謡や、伝統芸能であるどじょうすくいまで、特色の異なる演芸をまとめて楽しむことができます。特に津軽三味線は即興演奏も多く、その日のお客さんの反応や雰囲気に合わせて、臨機応変に演奏を繰り広げるのが追分流の大きな特徴です。演者さんが給仕も兼ねているため、ステージが終わるとお客さんの席で注文を取ったり、お酒を注いだりといった交流があるのも、他のお店ではなかなか体験できない心温まるエピソードとなっています。

お料理は、伝統芸能をゆったりと楽しみながら味わえる、居酒屋風のラインナップをご用意しています。お刺し身や焼き物、季節の移り変わりを感じられる小鉢料理など、旬の食材を活かした丁寧な一品が並びます。お酒の種類も豊富で、日本酒や焼酎など、和食にぴったりな銘柄をそろえており、音楽と食の素晴らしいマリアージュを楽しむことができます。まずおすすめしたいのは、その日仕入れた新鮮な海の幸を盛り合わせた本日のおすすめ刺し身で、お酒の肴にもぴったりです。また、しっかりと味わいたい方には、じっくりと焼き上げたこだわりの焼き物が人気です。さらに、お食事の〆にも優しい味わいの季節の小鉢などもご用意があり、お客様それぞれの楽しみ方に合わせてお食事やお酒を選べるのが魅力です。ぜひ、迫力ある津軽三味線の音色に耳を傾けながら、心に響く日本の伝統芸能と美味しいお料理を堪能してください。