「Ladurée Royale」
ラデュレ ロワイヤル店は、世界中から愛されるフランス・パリの老舗パティスリー、ラデュレの原点ともいえる歴史的なお店です。1862年にルイ=エルネスト・ラデュレ氏が、当時高級職人たちが集まるマドレーヌ地区のロワイヤル通り16番地に、もともとブーランジュリー(パン屋)を開いたことから歴史が始まりました。その後、1871年の火災を経てパティスリーとして再出発し、このとき、内装は有名なポスター画家ジュール・シェレによって手がけられました。彼が天井に描いた「パティシエ天使」のフレスコ画は、ラデュレを象徴する美術的なモチーフとして、今もお店を優雅に飾っています。創業者の妻、ジャンヌ・スシャール氏が、女性たちが自由に集える社交の場として、パティスリーとカフェを融合させた「サロン・ド・テ」(ティーサロン)をパリで初めて考案したことも、このロワイヤル店が果たした大きな功績として語り継がれています。
このお店を訪れる最大の楽しみは、その息をのむほど美しい装飾です。お店の歴史的なアドレスは、幾度かのリニューアルを経ながらも、創業当初のベル・エポックの優雅なムードと、ナポレオン3世様式の特徴を大切に守り続けています。近年行われた改装では、デコレーターのコーデリア・ドゥ・カステラーヌ氏が内装を担当し、ラデュレのシンボルカラーであるセラドングリーン(青磁色)のボワズリー(木製パネル)や、ゴールドの装飾を基調とした、18世紀の装飾芸術を思わせる洗練された空間を創り出しました。特に、2階には趣の異なる「シャンティイ・サロン」や「ナポレオン・サロン」といったサロンがあり、それぞれに繊細な壁紙や布張りの天井が施され、訪れるお客様を優美な非日常へと誘います。ラデュレでは、こうした歴史と芸術が融合した空間で「フランス流美しき生活」(L’art de vivre à la française)を体感できるのが、他にない大きな特徴です。
ラデュレの名を世界に知らしめたのが、色とりどりのマカロンです。2枚のさくさくとしたビスキュイ(生地)の間に、風味豊かなガナッシュ(クリーム)を挟む、私たちがよく知るこのマカロン・パリジャンのスタイルは、20世紀初頭に創業者のいとこであるピエール・デフォンテーヌ氏が考案し、このお店から世界へと広まりました。定番のフレーバーの中では、優しい香りが広がるローズや、まろやかなナッツの風味が楽しめるピスタチオ、そして濃厚な味わいのバニラなどが特に人気です。常時10種類以上のフレーバーが並び、季節やイベントごとに登場する限定フレーバーも大きな魅力となっています。
ロワイヤル店には、ブティックだけでなく、朝食からランチ、午後のティータイム、夕食まで楽しめるサロン・ド・テが併設されており、終日を通して利用できます。マカロンと並ぶ人気のパティスリーでは、ライチとバラ、フランボワーズが織りなす華やかな香りのイスパハンや、シュー生地とバラ風味のクリームが上品なサントノレ・ローズなどが、ラデュレの美意識を伝える代表的なお菓子として親しまれています。この歴史的な空間で、美しい器で提供される紅茶やパティスリーをいただく時間は、パリでの旅の忘れられない思い出になるでしょう。サロンの混雑を避けるため、特に週末や午後の時間帯に訪れる場合は、予約をするか時間に余裕をもって来店されることをおすすめします。また、店内の装飾は繊細な美術品でもありますので、他のお客様や店内の雰囲気を尊重し、写真撮影の際はマナーを守って楽しんでくださいね。
- イスパハン 15€
| 住所 | フランス16-18 rue Royale 75008 Paris |
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| 電話 | (+33) 0142602179 |
ホームページ
www.laduree.fr…
