群馬県の水上温泉郷、谷川岳の南面の麓に佇む静かな温泉旅館です。旅館たにがわは「谷川岳に手が届きそう」という言葉が表すように、お部屋から雄大な谷川岳の景色を一望でき、四季折々の残雪、新緑、紅葉、そして一面の銀世界と、自然の息吹を感じながら滞在できます。この地の温泉は江戸時代から数百年もの間こんこんと湧き続ける歴史ある谷川温泉の自家源泉を引いており、清潔で良質な湯をかけ流しで楽しめます。現在の旅館は、前身である「谷川館」の流れを継ぎ、1981年（昭和56年）にオープンいたしました。開業から今日まで、訪れるお客様を温かく迎え入れ、「第二の我が家」として愛されています。

この旅館が古くから多くの文人墨客に愛されてきたことも大きな特徴です。特に文豪太宰治が何度も訪れ、小説を執筆したゆかりの宿として知られており、文学愛好家の方にも親しまれてまいりました。館内には太宰治のギャラリーが設けられ、その文学の香りに触れることができます。また、「笑顔から始まる心のおもてなし」を大切にするスタッフの方々の心遣いが随所に感じられます。温泉は「山のいで湯」とも呼ばれ、無色透明で肌ざわりが優しく、20種類以上もの効能を持つ薬湯としても利用できる名泉です。檜造りの大浴場や三波石に彩られた露天風呂、貸切風呂、歩行湯などで、心ゆくまで湯浴みを満喫してください。そして、湯船でのもう一つの楽しみとして、オリジナルの升酒や升アイスクリームをいただくことができ、旅の記念に升を持ち帰ることもできます。さらに、ロビーの囲炉裏端では、夕方には郷土の味覚である味噌玉蒟蒻（夏季除く）、朝には温かな舞茸の味噌汁がふるまわれ、ほっと一息つける嬉しいおもてなしもございます。水上駅からは旅館まで送迎をご利用できますので、事前にご連絡ください。

ご夕食は、地場産食材にこだわり、群馬の旬を最大限に活かした創作会席料理をご用意しております。伝統的な手法に洋のテイストも加えた彩り豊かなお料理は、旅の醍醐味の一つです。お食事は個室や半個室の椅子席でゆったりといただけますが、1〜2名様専用の、岩塩と炭の壁が特徴的なおしゃれな食事処「手まり茶屋」もございます。

名物料理の一つは、新鮮な岩魚の唐揚げです。また、地元産の特選食材を堪能したい方には、上州牛・上州麦豚・上州地鶏のステーキをメインとした「肉三昧プラン」もリクエストできます。朝食は2022年に新設されたハーフバイキング形式で、釜炊きで炊き上げたみなかみ産のコシヒカリをはじめ、手作り豆腐や鮎の一夜干しなど、滋味豊かな郷土の味を楽しめます。また、昼食には、みなかみ町名物のみなかみダムカレーを予約制で味わうこともでき、旅の思い出をさらに深めることができます。心身を癒す名湯と、心温まるおもてなし、そして地元の恵みを味わう美食に包まれる、安らぎのひとときをお過ごしください。