アナザースカイ 2025/11/22放送
山下智久さんがフランス・マルセイユで訪れた場所
ノートルダム・ドゥ・ラ・ガルド寺院
フランス第二の都市であるマルセイユの街と港を、優しく見守るように小高い丘の上にそびえ立つのが、ノートルダム・ドゥ・ラ・ガルド寺院です。マルセイユ旧港の南側、標高およそ150メートルほどの白い石灰質の丘の頂に立ち、街のどこからでも、また地中海の上からも、その姿を見ることができますので、まさにマルセイユのシンボル的な存在となっています。地元の人々は親愛の情を込めて、この寺院を「ラ・ボンヌ・メール(優しき聖母様)」という愛称で呼んでいます。寺院の歴史は古く、このガルドの丘に聖母マリアへ捧げられた最初の小さな礼拝堂が建てられたのは、1214年のこととされています。その後、巡礼者が増えるにつれてたびたび拡張工事が行われ、現在の壮麗な大聖堂の姿になったのは19世紀中頃の1864年の再建によるものです。
このノートルダム・ドゥ・ラ・ガルド寺院の最大の魅力は、鐘楼の天辺に堂々と立つ、巨大な聖母子像です。彫刻家ウジェーヌ・ルイ・ルケスヌによって手がけられたこの像は、高さが約11.2メートルもあり、銅製で金箔が施されているため、晴れた日には青空の下でまばゆい金色に輝きます。この黄金の聖母子像は、中世の頃から船乗りや漁師たちの守護者として崇敬を集めてきました。地中海に面した港町であるマルセイユならではの信仰の場として、船旅の安全や無事を祈り、難破から生還した人々が感謝を捧げる場所であったという深い歴史を持っています。寺院内部の天井からは、過去に救われた航海士たちの敬虔な気持ちを表す、たくさんの船の模型が奉納品として吊り下げられているのを見ることができます。
現在の寺院は、19世紀の建築家アンリ・エスペランデューによって設計されたもので、フランスの教会建築としては比較的新しく、ロマネスクとビザンチン様式が融合したローマ・ビザンチン風の建築様式が特徴的です。一般的なフランスの教会とは少し異なり、東方的な異国情緒あふれる雰囲気を感じられます。聖堂の中に入ると、そのきらびやかな装飾に息をのむことでしょう。内部には、イタリアのカッラーラ産の純白の大理石と、南フランス産の赤大理石の2種類がふんだんに用いられ、壁面や天井を彩るモザイク画の壮麗さが際立っています。
訪れた際には、寺院の壮麗さだけでなく、その立地を生かした最高の眺めもぜひ堪能してください。寺院を取り囲むテラスからは、地中海に向かって広がるマルセイユの街並み、歴史的な旧港、そして紺碧の地中海までを360度見渡すことができる大パノラマが広がっています。この寺院は丘の上にあるため、アクセスにはマルセイユ旧港周辺から出ている路線バスの60番や、観光用のプチトラン(観光列車)を利用するのが便利です。体力に自信がある方は徒歩で登ることも可能ですが、急な坂道が続きますので、時間に余裕をもって公共交通機関を利用することをおすすめします。多くの方の信仰の場であるとともに、マルセイユの美しい景色を一望できる特別な場所ですので、静かに見学するよう心掛けたいですね。
| 住所 | Rue Fort du Sanctuaire, 13006 Marseille, フランス |
|---|---|
| 電話 | 04 91 13 40 80 |
山下智久を手すりにするおばちゃんがいる馴染みのお店
Khai Hoan
フランスの港町マルセイユにあるKhai Hoanは、本格的なベトナム料理が楽しめる、地元でも知られたお店です。マルセイユの中心地、賑わいを見せる旧港(ヴュー・ポール)からもほど近いエリアにお店を構えており、長年にわたり地元のお客様や旅で訪れた多くの人々に愛され続けているアジアンフードの隠れた名店の一つです。ベトナム語で「勝利の凱歌」を意味する店名には、特別な想いが込められているようです。
このKhai Hoanの大きな特徴は、女将のフルールさんと、旦那さんのご夫婦二人三脚で切り盛りしているアットホームなスタイルです。お店を訪れると、いつも笑顔のフルールさんが温かく迎え入れてくださり、一人ひとりのお客様に心を込めたサービスを届けています。そして、ご主人が厨房で腕をふるい、心を込めた美味しい料理を生み出しているのです。お店の内装はクラシカルな雰囲気で統一されていますが、特に美しく装飾された天井は一見の価値があり、異国情緒あふれる空間の中でゆったりとお食事を楽しめるのも魅力です。
また、Khai Hoanの魅力の一つはそのメニューの種類の豊富さにあります。数多くの料理が並ぶ様子は、まるで電話帳のようだと言われるほどで、定番のベトナム料理から、お店オリジナルの工夫を凝らした一品まで幅広く楽しめます。
ベトナム料理の代名詞とも言えるフォーは、本場の味わいを大切にした一杯として非常に人気があります。じっくりと煮込まれたスープに米粉の麺が絡み、香り豊かなハーブや肉の旨味が口の中に広がります。また、お料理の最初の一皿として定番の春巻きは、パリッとした食感がたまらない揚げ春巻き(ネム)や、新鮮なエビや野菜が入った生春巻き(ロ―・ド・プランタン)が楽しめます。香ばしい豚肉を使った一品や、新鮮なエビや様々な野菜を使ったお料理も充実しており、本格的なベトナムの味を堪能できると評判です。
さらに、数あるメニューの中でもお店の個性が光る一品として、黄色い麺を使ったユニークな黄色い麺のスープが知られています。また、ベトナム料理ではお祝いの席などでも登場する北京ダックや、ピリッと辛いソースが食欲をそそる海老の串焼きスパイシーソースもおすすめです。ご飯料理では、香ばしく炒められたサイゴン風ご飯が食欲をそそる人気メニューです。他にも、鶏肉とパイナップルの甘酸っぱさが絶妙なパイナップル入りチキンや、生姜の風味が効いた生姜風味のチキンといった鶏肉料理に加え、牛ヒレ肉を使ったお料理も提供されており、肉好きの方にも満足いただける内容です。さらに、事前に注文が必要になりますが、皆で一つの鍋を囲んで楽しむベトナム風鍋も用意されており、特別な日の食事にもぴったりです。このように、Khai Hoanはバラエティ豊かなアジア料理が一堂に会する食の宝庫であり、いつ訪れても新しいお気に入りを見つける喜びがあります。お食事はテイクアウトにも対応しているため、港を眺めながらのピクニックや、ホテルでのお食事としても便利にご利用いただけます。
| 住所 | 7 Rue Bonneterie, 13002 Marseille, フランス |
|---|---|
| 電話 | 04 91 91 01 32 |
山下智久さんが滞在中によく訪れるという中華料理店
Le Mandarin 大華飯店
南フランスの港町マルセイユで、本格的な中国料理を味わえると地元の人々や旅行者に長く愛されているレストランが、こちらのLe Mandarin 大華飯店(ル・マンダリン・たいかはんてん)です。マルセイユの中心地で、南プロヴァンス地方でも最も古い中国料理店として知られていて、1900年代からの古い歴史を持っていることがうかがえます。創業以来、長年にわたりその空間と温かい雰囲気を大切に守り続けていて、お店に入ると、まるで時をさかのぼったかのような、異国情緒あふれる趣を体験することができます。マルセイユの主要な観光スポットである旧港(Le Vieux Port)の近くにあり、散策の途中で立ち寄るのにも大変便利な場所となっています。
このレストランの大きな魅力は、単に「中華料理」という枠にとどまらない、本場中国の奥深い食文化を伝えている点です。厨房を預かるシェフは、中国の四つの主要な料理系統、すなわち山東、湖南、四川、広東の技法を高いレベルで習得していると言われています。それぞれの地方の持ち味を生かした料理が楽しめるため、一回の訪問で中国全土を巡るような、多様な味の旅に出ることができます。店内の内装は広々としていて、赤を基調としたテーブルクロスが印象的で、食事をゆったりと楽しむことができる温かい空間が広がっています。
お客様からの評価が高いのは、その味の質の高さです。特に丁寧に作られた「スープ」は、素材の旨味が凝縮されていて完璧な仕上がりだと絶賛されています。また、食後のデザートでは「パルフェ」の美味しさも有名で、食通のあいだでも話題になっています。前菜には、海老や豚肉を使ったNêms aux porc(豚肉のネム)やHakao aux crevettes(海老のハカオ)、もちもちとした皮が香ばしいRaviolis maison grillé(自家製焼き餃子)といった点心類が豊富に揃います。
メインディッシュには、伝統的ながらも洗練された味わいの料理が並びます。お肉料理では、甘酸っぱいタレが食欲をそそるPorc à la sauce aigre-douce(酢豚)や、じっくりと焼き上げられたCanard croustillant(クリスピーダック)が人気を集めています。海の幸を使ったメニューも充実していて、海老やホタテ、イカの三種類のシーフードを贅沢に使ったTrois bonheurs à l’impérial(三種の海の幸の炒め物)などは、特別な日のディナーにもぴったりです。締めの一品には、お店自慢の自家製麺を野菜と炒めたNouilles fait maison sauté aux légumes(自家製麺と野菜の炒め物)や、旨みたっぷりの鶏だしスープに牛肉と自家製麺が入ったSoup aux nuilles du bœuf(牛肉入り自家製麺スープ)もおすすめです。歴史と本格の味を兼ね備えたLe Mandarin 大華飯店で、マルセイユでの思い出を彩る素晴らしいひとときをお過ごしになってください。
| 住所 | 5 Cr Jean Ballard, 13001 Marseille, フランス |
|---|---|
| 電話 | 04 91 33 13 54 |
神の雫の撮影地となったワイナリー
Château de Beaucastel
入力された「CHATEAU DE BEAUCASTEL」(シャトー・ド・ボーカステル)は、フランス南東部のローヌ地方、世界的に有名なワインの産地シャトーヌフ・デュ・パプを代表する名門ワイナリーです。300年以上の長い歴史を誇り、ローヌワインの最高峰の一つとして多くのワイン愛好家から愛されています。シャトーの名前は、16世紀半ばにクールテゾンという町に住んでいたボーカステル家に由来すると伝えられており、1549年には既にクドゥレという場所の農地として記録が残っています。ブドウ畑としての基礎が築かれたのは19世紀末のフィロキセラ禍の後に、1909年にこの地を購入したピエール・トラミエ氏によって再植されたことに始まります。その後、トラミエ氏の義理の息子であるピエール・ペラン氏が経営を引き継ぎ、畑を大きく広げました。現在までペラン家が代々受け継ぎ、現在は5代目にわたってワイン造りを行っており、その伝統と革新の精神は、ワイン業界の規範の一つとなっています。
このシャトー・ド・ボーカステルにしかない最大の特徴は、独自の栽培哲学と醸造技術にあります。3代目のジャック・ペラン氏の時代である1950年代という早い時期から、まだ珍しかった有機農法を導入し、1964年以降は化学肥料を一切使用しない栽培を続けています。さらに1974年からはビオディナミ農法(一部では1994年にオーガニック認定も取得)という、自然の摂理を重んじた宇宙のリズムを取り入れた有機栽培を先駆的に実践しました。これは、土の中の微生物を活発にして土壌を柔らかく保ち、ブドウの樹が深く根を張ることで、テロワール(土壌や気候などの自然環境)の個性を最大限に引き出すための哲学です。また、シャトーヌフ・デュ・パプの法律で認められている赤・白合わせて13種類のブドウ品種すべてを、ローヌ最大級とされる約100ヘクタールの畑で栽培し、ブレンドするという伝統を守り続けています。特に黒ブドウ品種のムールヴェードルに注力し、栽培の北限地であるこのエリアでの可能性を追求しました。
シャトー・ド・ボーカステルの代表的なワインといえば、やはりシャトー・ド・ボーカステル・シャトーヌフ・デュ・パプ・ルージュです。この赤ワインは、認定されている13品種すべてがブレンドされることが特徴で、そのブレンド比率はヴィンテージごとに緻密に調整されます。濃縮感のあるベリー系の果実味、スパイス、レザーや獣肉を思わせる複雑で濃厚なアロマが一体となり、力強さと優雅さを兼ね備えた味わいです。ムールヴェードルの比率を高くすることで、より長期熟成に耐えうる偉大なワインとなり、時を経て複雑さが増すことから「熟成させて飲むべきワイン」として知られています。
もう一つの傑出したワインが、希少な白ワインであるシャトー・ド・ボーカステル・シャトーヌフ・デュ・パプ・ブランです。こちらはルーサンヌ種を主体に複数の白ブドウをブレンドして造られます。アカシアの花やハチミツ、柑橘系のフルーツの豊かなアロマが広がり、丸みがありながらもフレッシュで、非常に深みのある味わいが魅力です。このワインも熟成能力に優れており、若いうちの新鮮さを楽しむか、10年以上寝かせて完全に開いたブーケ(熟成香)を味わうのがおすすめされています。また、シャトーヌフ・デュ・パプの畑に隣接するコート・デュ・ローヌの区画から造られるクドゥレ・ド・ボーカステル・ブランも、手頃な価格帯ながら、マルサンヌ種を主体とした丸みのあるリッチでフルボディのワインとして人気があります。畑の土壌はアルプスの洪積層が覆う海洋性砂岩で、大きな丸い石「ガレ」が広がる特有のテロワールが、昼は熱を蓄え夜に放熱することでブドウの生育に理想的な環境を与え、このシャトーのワインを唯一無二の存在たらしめているのです。
シャトー・ド・ボーカステルは、単に高品質なワインを生み出すだけでなく、その土地の自然や歴史を尊重し、次の世代へと受け継ぐというペラン家の強い信念のもとに運営されています。ブドウ畑は樹齢100年を超えるオリーブの木やトリュフオークが植えられた丘に囲まれ、魔法のような美しい景観が広がっています。この地を吹き抜けるミストラル(風)が、ブドウを冷やし、土壌に育つハーブ類(ガリーグ)の香りをワインにもたらすと言われています。訪問の際は、ワイナリーを囲むこの豊かな自然と、ブドウをゴブレ仕立てという伝統的な手法で栽培している様子もぜひ見ていただきたいところです。ワインは、多くの品種がブレンドされるほど複雑さが増すというペラン家の思想のもと、常に完璧なバランスを追求して造られ、世界中のワインラヴァーから熱い視線が注がれています。
| 住所 | Chem. Gironde, 84350 Courthézon, フランス |
|---|---|
| 電話 | 04 90 70 41 15 |
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Beaucastel…
