長野県南佐久郡南牧村、雄大な八ヶ岳の麓に静かに佇む湯元ホテル 和泉館は、JR小海線 佐久海ノ口駅から徒歩でもすぐの場所にある温泉旅館です。この地域に古くから伝わる海ノ口温泉の湯元として、訪れる人々を温かく迎え入れています。旅館の創業は1959年（昭和34年）8月で、昔ながらの和やかな情緒を大切にしながら、小海線沿線の旅の拠点としても親しまれてきました。

このお宿の一番の特徴は、なんといっても「海」の名を持つ海ノ口温泉のお湯です。この源泉は、遥か昔、この地が海の底だった頃の海藻類が地層となって残ったミネラル成分を豊富に含んでいることが大きな魅力です。鉄分やヨウ素などのミネラルが多いことから、お湯がほんのりと茶色がかって見えるのが特徴的で、塩味も感じられます。開湯からおよそ100年という長い歴史を持ち、その効能は昔から湯治客の間で評判でした。特に、美肌効果や慢性皮膚病、慢性婦人病などに良いとされ、「お肌ツルスベ温泉」としても知られています。この温泉は、源泉を程よく薄めたマイルドな湯加減に調整されているため、お肌の弱い方でも安心して入浴できます。館内には、開放感あふれる露天風呂や大浴場、そして温水循環式の低温サウナもあり、ゆっくりと旅の疲れを癒せます。露天風呂からは、昼は四季折々に移ろう山々の景色、夜には八ヶ岳の澄んだ空気に輝く満天の星空を楽しむことができます。

湯元ホテル 和泉館では、八ヶ岳の麓という自然豊かな土地の恵みを活かした、郷土色豊かなお料理も大きな自慢です。スタンダードな宿泊プランでも提供される信州の「馬刺し」は、新鮮で旨味が凝縮された、この地域を訪れたならぜひ味わいたい信州名物の一つです。その日におすすめの食材を厳選し、四季折々の旬の食材をたっぷり使用して、心を込めて一品ずつ丁寧に作られるお料理は、高原野菜の美味しさを再発見させてくれます。

夕食で楽しめる郷土料理の数々には、清流で育った川魚のメニューも欠かせません。例えば、風味豊かな岩魚の塩焼きは、川の恵みを感じられる素朴で贅沢な一品です。季節によっては、ヤマメや鮎、鯉など、信州の川魚を活かした料理が並びます。また、高原の山菜やキノコをふんだんに取り入れた「季節の天ぷら」も、山里の素朴ながら滋味深い味わいを堪能できる人気の品です。この他にも、季節の「陶板焼き」や、心温まる「シャケ鍋」、懐かしい味わいの「玉子どうふ茶碗蒸し」など、家庭的で優しい味わいの郷土料理が、食卓を賑やかに彩ってくれます。登山やトレッキング、観光の拠点としてこの地を訪れる人々の心と体を、温泉と山の幸で温かく包み込んでくれるお宿です。