「Cantina Do Spade」
水路が迷路のように張り巡らされた水の都ヴェネツィアのサン・ポーロ地区に、600年近い歴史を持つ伝統的なバーカロ兼レストラン、カンティーナ・ド・スパーデがあります。
バーカロとは、ワインと軽食のチケッティを楽しむ、ヴェネツィアならではの立ち飲み居酒屋を指し、このお店は1448年にはすでに存在していた記録が残る、市内でも特に古い歴史を持つ場所の一つです。
リアルト橋からもほど近い立地にあり、かつては船乗りや商人、そして地元の人々が集う交流の場として栄えてきました。
お店の名前である「ド・スパーデ」(Do Spade)は「二本の剣」という意味を持ち、これはかつてこの地にあった居酒屋組合のシンボルが由来だと伝わります。
店がある路地やアーチ道にも「ド・スパーデ」の名が残されていることからも、この場所がヴェネツィアの歴史と深く結びついていることがわかります。
カンティーナ・ド・スパーデの魅力は、その歴史的な重厚さを感じさせる空間にもあります。
狭い路地沿いにある小さな入り口を抜けると、古風な木のインテリア、高いカウンターが目に飛び込んできます。
伝統的なバーカロの活気ある雰囲気のなかで、料理が作られる様子が見えるオープンな造りも、お店の親しみやすさを高めています。
お店では、魚介類から肉、野菜に至るまで、潟(ラグーナ)や本土で採れる旬の素材を大切にしたヴェネツィアの伝統的な料理が提供されます。
昔ながらのレシピを忠実に守りながらも、ほんの少しの革新的な工夫を加え、時代に合わせた味を探求し続けています。
近年は、伝統的な飲食店としての営業だけでなく、お店の料理を自宅で楽しめるデリバリーやケータリングサービス、さらには地域の食文化を伝える料理教室なども開催しており、食を通じたヴェネツィアの文化体験を発信しています。
このお店を訪れたら、まずは看板メニューである「チケッティ」をぜひ味わってみてください。
カウンターに並ぶ色とりどりのチケッティは、ヴェネツィアにおける「世界最古のストリートフード」とも呼ばれ、手軽に立ちながらワインと一緒に楽しむのが現地の流儀です。
中でも、揚げ物(フリット)は特に人気が高く、魚介類やチーズを挟んで揚げたモッツァレッラ・イン・カッロッツァなどは、小腹を満たすのにぴったりの一品です。
また、ヴェネツィアの郷土料理として欠かせないのが、干しダラを滑らかにホイップしたバッカラ・マンテカートで、ポレンタ(トウモロコシ粉を練ったもの)に乗せていただきます。
パスタでは、アンチョビ(イワシ)と玉ねぎのソースが特徴の郷土パスタビゴリ・イン・サルサや、イカ墨煮込みとポレンタを合わせるセッピエ・イン・ネーロも伝統的なメニューとして親しまれています。
新鮮な食材を使うため、メニューは日替わりのものが多く、カウンターに置かれた小さな黒板(アルデシア)にその日の特別メニューが記されています。
- ビーゴリ・イン・サルサ 13€
| 住所 | イタリアSan Polo, 859, 30125 Venezia |
|---|---|
| 電話 | (+39) 0415210583 |
ホームページ
Bacaro e Ristorante dal 1448 a Venezia | Cantina Do Spade
Fedeli alla tradizione della cucina veneziana cerchiamo di far conoscere ai clienti le ricette tipic……
