丸亀駅「御菓子処 乃だや(ノダヤ)」
香川県丸亀市の山北町に店を構える「御菓子処 乃だや」は、1967年(昭和42年)の創業以来、地元に長きにわたり愛され続けている和洋菓子のお店です。和の伝統的なお菓子はもちろん、洋菓子のエッセンスを取り入れた新しいスイーツも積極的に展開しており、老若男女問わず多くの人々に親しまれています。地元、讃岐の厳選された素材をできる限り使用し、一つひとつ心を込めて丁寧に手作りしているのが特徴です。昔ながらの変わらない味わいを大切にしながらも、時代に合わせた新しい美味しさを追求する姿勢が、お店の大きな魅力になっています。
特に注目したいのが、お店を継ぐ若き3代目、野田大晴さんの活躍です。野田さんは、和菓子職人として最高の栄誉の一つとされる「選・和菓子職『優秀和菓子職』」に認定されている実力の持ち主です。その技術は国内外でも高く評価されており、2022年に横浜で開催された「全国和菓子技術コンテスト」では見事に最高賞のグランプリを獲得しました。さらに、2025年大阪・関西万博で行われた食文化振興を目的とした事業では、全国から選ばれた8名の和菓子職人のうち、野田さんが最年少で中国・四国・九州エリアから唯一選出されました。会場では、日本の四季の移ろいを表現した「煉切(ねりきり)」を実演され、その繊細で美しい妙技は多くの観客を魅了しました。こうした確かな技術と革新的な感性が融合し、「乃だや」の和洋菓子は進化し続けています。
お店に並ぶ商品の中でも、特に高い人気を集めているのは、季節の移り変わりを彩る旬のフルーツ大福です。季節ごとに旬を迎えるフルーツを丸ごと使った大福は、その贅沢な味わいとジューシーさからファンが多く、常に店頭を賑わせています。また、特製クリームと自家製のつぶあんを、ふんわりとした皮でサンドした生どら焼も定番の人気商品です。自家製のあんは素材の風味を大切に、甘さのバランスが絶妙で、生クリームとの相性も抜群です。そして、丸亀ならではのお菓子として知られる丸亀サブレは、サクサクとした最中種の中に、香川県産の米粉「讃岐おいでまい」を使用したサブレ生地を詰めて焼き上げた、新感覚の焼き菓子です。可愛らしい亀のイラストが描かれた化粧箱は、丸亀のお土産としても喜ばれています。
他にも、「乃だや」には個性豊かな名品が揃っています。例えば、全国菓子大博覧会で橘花榮光章を受章したあっ晴れろーるは、讃岐和三盆糖を使い、上品な味わいの生地で生クリーム、カスタード、そして自家製の小豆を巻き上げた和のロールケーキで、和菓子屋ならではのこだわりが詰まっています。そして、丸亀城をモチーフにした銘菓城紋は、蜂蜜、卵黄、バターを贅沢に使用した生地で小豆のこしあんを包んだ焼き菓子で、お土産にぴったりの一品です。また、芸術的な美しさを誇る上生菓子である煉切は、野田さんが丁寧に自家製あんを使い、季節の風景や風情を表現して生み出す、まさに食べる芸術品です。季節によってデザインが変わり、日本の繊細な美意識を感じさせてくれます。和菓子と洋菓子、それぞれの良いところを融合させ、地元への愛情と確かな技術で作り上げられる「御菓子処 乃だや」のお菓子は、丸亀を訪れた際にぜひ味わっていただきたい逸品ばかりです。
- りんご餡のどら焼き
| 住所 | 香川県丸亀市山北町446-4 |
|---|---|
| 電話 | 0877-22-6562 |
