甲府駅の南口から歩いてすぐの場所に、長年地元の方はもちろん、観光でいらっしゃる方にも親しまれているお蕎麦屋さんが、奥藤本店 甲府駅前店です。
こちらは大正2年（1913年）の創業で、一世紀を超える長い歴史を持つお店で、もともとこの甲府駅前に店を構えていたという由緒を持っています。現在の甲府駅前店は平成23年に再び駅前にオープンし、甲府の玄関口として多くのお客様を迎えています。
奥藤本店は、今や山梨を代表するご当地グルメとして知られる甲府鳥もつ煮が誕生したお店としても有名です。この料理は戦後まもない昭和25年（1950年）ごろに、捨ててしまうのがもったいないという理由から、鳥の内臓を甘辛く煮付けてみたのが始まりと伝えられています。当時の料理人の創意工夫から生まれたこの一品は、たちまち人気を博し、甲府一帯のお蕎麦屋さんへと広まっていきました。ご当地グルメの祭典ではゴールドグランプリを獲得した実績もあり、その美味しさは折り紙つきです。
お店の看板メニューである甲府鳥もつ煮は、新鮮な信玄鶏のレバー、ハツ、砂肝、玉道（キンカン）といった様々な部位を、醤油と砂糖で一気に煮詰めることで、艶やかな飴色に仕上げられています。注文を受けてから生の鳥もつを調理するこだわりがあり、部位ごとの異なる食感と、濃厚な甘辛だれの風味豊かな美味しさがやみつきになります。内臓料理が苦手という方からも好評をいただくほど、鮮度と調理法にこだわった一品です。
また、奥藤本店が大切にしているのが、伝統の味を受け継ぐ手打ちそばです。山々が育んだ美味しい水で打たれたそばは、コシがあり、のど越しも格別です。そば粉や蕎麦つゆの材料を厳選し、添加物を一切使用しない製法を代々守り続けています。薬味には、地元の芦川で採れた生わさびを使うなど、地場の食材へのこだわりも感じられます。
人気を集めているのが、山梨名物の奥藤ほうとうです。甲州地鶏の鶏ガラと煮干し、季節の野菜から煮出しただし汁に、米麹と麦麹をブレンドした甲州みそを合わせた優しい味わいのつゆが、太いほうとう麺によく絡みます。なかでも甲府駅前店では、生麺の状態からご自身で調理して召し上がっていただくスタイルを採用しており、本格的なほうとうの調理体験を楽しめると、お客様から大変喜ばれています。旅の思い出作りにもぴったりな、嬉しいサービスですね。
初めてお越しの方には、看板料理を一度に味わえる甲府鳥もつ煮セットがおすすめです。こちらは甲府鳥もつ煮と手打ちそばが一緒になった、お店の一番人気のメニューとなっています。お食事と合わせて、地元の酒蔵に特注しているオリジナルの地ワインもいかがでしょうか。赤と白があり、濃厚な旨味の鳥もつ煮との相性も抜群です。奥藤本店 甲府駅前店で、甲府の歴史と美味しい食文化をじっくりと堪能してください。