東銀座駅A5出口から歩いてすぐの、銀座中央通り近くに佇む煎茶堂東京 銀座店は、2017年11月にオープンしたシングルオリジン煎茶の専門店です。日本茶を現代の価値観に合うように見つめ直し、世界に誇れる文化として次世代へ繋げていきたいという思いから、事業家とデザイナーの2人が中心となり立ち上げました。三軒茶屋にある、世界初のハンドドリップ日本茶専門店東京茶寮の姉妹店として誕生し、銀座という国際的な注目を集める場所から、高品質な煎茶とその新しい楽しみ方を提案する拠点となっています。一般的なお茶の流通では、ブレンドによって個性が薄れてしまいがちですが、こちらでは単一農園・単一品種の茶葉のみを扱い、それぞれのお茶が持つ本来の個性や「テロワール」を表現することを目指しています。これが、長年にわたりお茶の世界では避けられてきた「品種香」という個性を、むしろ魅力として打ち出す画期的なアプローチです。

お店の空間は、銀座の街並みに映えるシンプルでモダンな白い建物で、一歩足を踏み入れると、洗練されたミニマリズムの世界が広がっています。お茶を淹れる際に使用されるお盆や砂時計、陶磁器などの道具は、すべて日本各地の職人の手によるもので、それらが調和した様子は「ちいさな日本」を表現しているかのようです。お茶のプロであるスタッフが、お客様の好みを丁寧に伺い、厳選されたシングルオリジン煎茶を水出しやお湯で淹れてくれるため、日本茶に馴染みがなくても気軽にその個性を飲み比べることができます。この体験を通じて、自分好みのお茶に出会えることが、煎茶堂東京 銀座店の大きな魅力となっています。さらに、お茶の品種ごとの特徴（甘味、苦味、旨味など）が明記された商品紹介カードが添えられているため、知識がなくても直感的に選ぶことができるのも嬉しい工夫です。

お店を代表する人気商品の一つが、発売当初から大きな反響を呼んでいる透明急須です。これは、「究極にシンプルにお茶を淹れられること」をコンセプトに、現代のライフスタイルに合わせて約260年ぶりにリデザインされた急須です。ガラスのように透明でありながら、特別な樹脂で作られているため割れにくく、熱くなりにくいという機能性を実現しています。取っ手のないミニマルなデザインは収納しやすく、お茶を淹れる工程やお茶の色がはっきりと見えるため、目で見て楽しむことができます。一人前サイズ（120ml）に内容量が限定されていることで、誰もが簡単に美味しいお茶を淹れられるよう設計されている点も、幅広い世代に支持される理由です。この透明急須は、世界的デザイン賞も受賞しており、機能美を追求したデザイン性の高さが国内外で評価されています。

また、お店の顔とも言えるシングルオリジン煎茶は、ポップでスタイリッシュなデザインの缶に入ったシングルオリジン煎茶缶として販売されています。たとえば、優しい甘味が特徴で人気が高いとされる「001」のはるもえぎや、爽やかで柔らかな味わいの香駿など、店頭には常に10を超える品種が並び、これまでに50以上の品種を扱ってきたそうです。緑茶に香ばしい玄米の風味を加えた「にこまる玄米」といった、ユニークなオリジナル商品も人気を集めています。さらに、金木犀やベルガモットをブレンドした季節限定のお茶が毎月登場し、お店を訪れるたびに新しい発見があります。自宅でも継続的に美味しいお茶を楽しみたい方には、毎月2種類の茶葉と特集記事の冊子が届く、お茶の定期便サービス「TOKYO TEA JOURNAL」も展開されており、日常にお茶を取り入れる新たな提案を続けています。