【ヒルナンデス】川崎大師で厄落としの開運旅リスト

川崎大師の参道、仲見世通りの入り口にたたずむ松屋総本店は、創業から百五十年以上の歴史を持つ老舗の飴屋さんです。京急大師線の東門前駅から歩いてすぐの場所にあり、ご参拝の折にはぜひ立ち寄りたい、門前町の賑わいを今に伝えるお店です。明治初年（1868年）に、東京の深川・門前仲町で「松屋の飴」として産声を上げました。その後、昭和11年（1936年）に川崎大師の門前に支店を出したことを機に、この地で永く愛され続けています。現在では川崎大師仲見世の入口にある蔵造りの趣あるお店が本店として親しまれています。

松屋総本店を語る上で欠かせないのが、「とんとこ飴切り」の軽快な音です。職人さんがリズミカルに包丁で飴を切る音が仲見世通りに響き渡り、古き良き門前町の活気と雰囲気を今に伝えています。この飴切りは一種のパフォーマンスのようで、ついつい足を止めて見入ってしまうほどです。実は、川崎大師の参道に飴の専門店として初めてお店を開いたのが、こちらの松屋総本店と言われています。創業者の宮﨑米吉氏が、代々家に伝わる薬草エキスを煮詰めた飴に加えるという製法を独自に創始し、その伝統の味が途切れることなく、今も職人の手仕事によって守り続けられています。

創業当時からの看板商品といえば、家傳せき止飴です。五種類の家伝の薬草がバランスよく練り込まれていて、喉を優しくいたわってくれると評判です。その優しい味わいと確かな品質で、喘息などでお困りのお子さんから、喉を大切にしたいお年寄りまで、幅広い世代に長年親しまれているロングセラー商品です。この伝統の家傳せき止飴は、全国大会で金賞を受賞したこともあるという、まさに折り紙つきの逸品でもあります。

定番の家傳せき止飴のほかにも、店頭でリズミカルに切られるパフォーマンスで知られる開運とんとこ飴さらしも大変人気があります。さらし上げられた真っ白な飴は、お土産にも喜ばれる華やかな一品です。また、昔ながらの素朴な味わいが魅力の名物きなこ飴も、ぜひ手に取っていただきたいお菓子です。新潟産の米飴を主原料としているため、優しい甘さと口の中でゆっくり溶けていく柔らかさが特徴で、どこか懐かしさを感じる味わいが楽しめます。お店で作られている自家製の飴は40種類以上もあり、季節や体調に合わせてお気に入りの一粒を選ぶのも楽しみのひとつです。川崎大師へご参拝の際は、松屋総本店の歴史ある建物と、職人さんの技が光る温かい飴の味を、心ゆくまで味わってみてください。

京急大師線の東門前駅や川崎大師駅から川崎大師へ向かう参道、仲見世通りに店を構える、和菓子とせんべいのお店です。この通りでもひときわ古くから店を続けていると言われ、お参りに訪れる方はもちろん、地元の人々にも長年親しまれてきました。店頭には、湯気を立てて蒸し上げられたおまんじゅうと、香ばしい醤油の香りを漂わせるせんべいが並び、訪れる人の食欲をそそる景色が広がっています。

この吉田屋の大きな特徴は、古くからの製法を守り続ける手作りの味を楽しめることです。川崎大師の仲見世通りにあるお店の中では最も古いせんべい屋と言われており、その伝統的な技術が今も受け継がれています。せんべいの生地には山形県産の庄内米が使われ、お店の軒先で一枚一枚丁寧に焼かれています。さらに、焼き上がったせんべいには、醤油ベースの自家製タレが、ハケを使って手作業で塗られます。この手間をかけた製法により、お米の香ばしさとタレの豊かな香りが際立ち、できたてのあたたかい状態のせんべいを食べられるのも、参道散策の楽しみの一つです。

また、もう一つの看板商品として多くの人に愛されているのが、店頭のせいろで蒸し上げられる熱々の中華まんです。寒い時期には特に、ほかほかの湯気に誘われて立ち寄る人が後を絶ちません。種類が豊富で、おやつにも、小腹を満たす食べ歩きにもぴったりです。人気の肉まんは、フカフカとした甘みのある生地の中に、豚肉や椎茸などの具材がたっぷり詰まった醤油ベースの餡が入っており、食べ応えがあります。

数ある蒸しまんじゅうの中でも、ぜひ味わっていただきたいのが酒まんとよもぎまんです。酒まんには「大師」の焼印が押されており、縁起のよいお土産としても喜ばれています。酒粕のふんわりとした優しい香りが特徴で、中のこし餡の上品な甘さと相性が抜群です。よもぎまんは、口に入れた瞬間に豊かなよもぎの香りが広がり、餡の甘さと相まって、どこか懐かしい気持ちにさせてくれます。さらに、ほんのりピンク色がかわいらしい桜まんや、香ばしい風味の黒糖まんなどもあり、どれを選ぶか迷うのも楽しい時間です。お参りのあとに、日本の伝統的な和菓子の美味しさと、温かいおもてなしの心を感じられる吉田屋は、川崎大師を訪れる際にはぜひ立ち寄っていただきたい名店です。一つ一つ手作りされた素朴で優しい味わいは、子どもから大人まで、心も体もあたためてくれます。

京急大師線東門前駅からもほど近い川崎大師の仲見世通りで、わらび餅の専門店として多くの方に親しまれているのが大谷堂です。こちらのお店は、古くから「厄除けのお大師さま」として知られる川崎大師への参拝客で賑わう通りに店を構え、昔ながらの製法と国産の原材料にこだわった和菓子を提供されています。代表の大谷茂さんが2004年に表参道で菓子の店舗をスタートさせ、2006年に現在の仲見世通りでわらび餅専門店として正式に開業しました。

お店のわらび餅作りには、並々ならぬ情熱が込められています。大谷さんは、京都の嵐山で味わったわらび餅に深く感動し、その味を追い求めて現地で修行を積み、独自の配合と製法で「大谷堂のわらび餅」を完成させました。さらに、単に仕入れるだけでなく、原料となる本わらび粉の生産者が国内で減っている現状を知り、「自分たちの手で本わらび粉を生産しよう」と決意されます。2016年には山梨県北杜市に農地を借り、従業員の方々と共に畑を開墾し、蕨の栽培から始めました。岐阜県飛騨に伝わる昔ながらの製法を教わりながら、春の芽吹きから秋の収穫、雪解けを待って根を掘り起こすという、一年がかりの丁寧な作業で、こだわりのわらび粉を作られています。使用する水も、南アルプス麓に位置する「白州」の良質な天然水を使い、素材の良さを最大限に引き出しています。

そんな素材へのこだわりが生んだ代表的な逸品が、釜あげわらび餅です。わらび餅といえば、冷やし固めてぷるんとした食感が一般的ですが、こちらは初詣に訪れるお客様に温かいものを召し上がっていただきたいという思いから誕生しました。大きな銅釜の中でじっくり練り上げたできたてを、竹串ですくって小さな器に盛り付けて提供するスタイルです。この釜あげわらび餅は、普通のわらび餅とは一線を画す、トロトロとあつあつの独特な食感が特徴です。ほんのりとした温かさが芯から体を優しく温めてくれるため、特に寒い季節には格別のおいしさです。

また、店内でしか味わえない美味しさとして、生わらび餅も大変人気があります。こちらはできたてをその場でカットして箱詰めする商品で、とろけるような柔らかさと天然素材の優しい風味が魅力です。当日中の賞味期限となるため、店頭での販売に限られていますが、お土産として大変喜ばれています。ご自宅でも釜あげわらび餅の味わいを楽しめるようにと、お土産パックも用意されています。こちらは電子レンジや湯せんで温めて、添付のきな粉と黒蜜をかけていただくもので、きな粉のほかに抹茶、ほうじ茶、黒ごまなどのバリエーションがあり、選ぶ楽しさもあります。「畑から作る」という徹底したこだわりと、革新的な「釜あげ」というスタイルで、大谷堂は川崎大師の新しい名物として、たくさんの人に愛され続けています。

京急大師線東門前駅の近く、川崎大師の参道に店を構える、ごまに特化した専門店です。店先に杵と臼が置かれ、ごまを搗く（つく）香ばしい香りが漂う様子は、多くの参拝客の目を引きます。ごまの持つ風味や栄養価を最大限に引き出し、日々の食卓に取り入れやすく工夫された商品が並ぶお店です。ごま福堂は、ごまの専門店として、主に観光地の参道などで店舗を展開しており、多くの人に愛される土産処として知られています。

ごま福堂の最大の特徴は、看板商品である杵つき金ごまを生み出す「搗く」という製法にあります。ごまはすり鉢ですり潰してしまうと、ごまを傷つけすぎて油分が出やすくなり、酸化が進んで香りが飛びやすくなってしまいます。そこでこちらのお店では、ごまの持つ香ばしさが長持ちするように、あえて杵と臼を使って、ごまを極力傷つけないよう人力で「搗く」手法を取り入れています。これにより、ごま本来の豊かな香りと風味を保ったまま、サラリとした食感に仕上げることができるのです。また、お店には日本胡麻協会の認定を受けた「セサミマイスター」が常駐しており、ごまに関する専門知識と、この伝統的な杵つき製法の技術を習得しています。使用するごまにもこだわりがあり、アーモンドのような香りとピーナッツのような甘みが特徴の、トルコ産の金ごまを厳選して使用していると言われています。

杵つき金ごま以外にも、ごまの魅力を存分に楽しめる商品が豊富に揃っています。参拝や観光で疲れた体におすすめなのが、濃厚なごまの風味を味わえるごまのソフトクリームです。香ばしく煎られたごまの香りが口いっぱいに広がり、和風スイーツとして高い人気を集めています。また、甘いものが苦手な方や健康を気遣う方には、砂糖を一切使わずに仕上げられたヘルシースイーツのごまキューブもおすすめです。黒ごまには、美容と健康に役立つと言われるゴマリグナンや豊富なビタミンEが含まれており、ごまの栄養をそのまま手軽に摂取できるのが魅力です。

毎日の食事を豊かに彩る調味料やふりかけも充実しています。たとえば、淡路島産の玉ねぎと金ごまをブレンドした金ごま玉ねぎスープは、コンソメベースのやさしい味わいで、手軽に本格的な風味を楽しめます。また、ご飯のお供として人気の杵つき金ごま-香ばし醤油味-は、杵つき金ごまに鰹節と焦がし醤油パウダーを絶妙なバランスで合わせることで、ついついおかわりをしたくなるような香ばしさと旨味を引き出しています。このほかにも、金ごまをなめらかに仕上げた金ねりごまや、白ごまの風味が濃厚な超濃厚ごまだれなど、食卓のレパートリーを広げる様々な商品が並んでいます。川崎大師参拝の際には、ごまのパワーが詰まった美味しいお土産をぜひ探してみてはいかがでしょうか。

京急川崎駅の近く、川崎市役所の向かいという便利な場所に、新しいスイーツの話題を集めているのが生ドーナツ専門店のCream D 川崎店です。こちらは2025年8月8日にグランドオープンした、神奈川県で初めての店舗で、船橋店や駒沢店に続いて全国で3店舗目として注目を集めています。テイクアウト専門のお店で、駅からのアクセスも良く、甘いものを求めて立ち寄るお客さまで連日にぎわっています。丸いフォルムにちょこんと乗ったクリームが可愛らしいドーナツは、見た目だけでなく、その食感と味わいに特別なこだわりが詰まっているのが特徴です。

Cream Dが生み出す生ドーナツは、素材選びから製法まで、徹底した工夫が重ねられています。生地には、北海道産の小麦「キタノカオリ」をベースに、水の代わりにバターや牛乳、卵をたっぷりと使ったリッチなブリオッシュ生地を採用しています。さらに、生地にかぼちゃを練り込むことでしっとりとした質感を加え、ふんわりとした口当たりの中にももっちり感としっとり感が共存する、まさに新食感を実現しているのです。揚げ油には米油を使うことで、油っこさを抑え、何個でも食べられそうな軽やかな口当たりを可能にしました。また、店名にもなっているクリームへのこだわりも深く、北海道産の生乳を100パーセント使用した生クリームは、濃厚ながらも口どけが軽く、優しい甘さのきび砂糖を使うことで、ドーナツ生地の美味しさを引き立てるように絶妙なバランスに調整されています。このように細部にまで試行錯誤を重ねて手作りされているため、出来立ての贅沢な味わいを求めて、毎日数量限定で販売され、売り切れ次第終了となるほどの人気を博しています。

常時10種類以上の生ドーナツが並ぶショーケースには、定番から季節限定まで、彩り豊かな商品が揃っています。特に人気を集めているのは、生クリームとカスタードクリームを両方詰めた贅沢なディプロマットで、濃厚ながらも重すぎない組み合わせが多くの人に愛されています。また、チョコレートは、カカオの含有率や生クリーム、砂糖の配合をグラム単位で調整して作られた自信作で、カカオのほろ苦さとクリームの甘さのバランスが絶妙です。爽やかな味わいがお好きな方には、チーズクリームとホイップクリームにレモンを隠し味に加えたチーズがおすすめです。そのほかにも、茶葉を生クリームでじっくり煮出したアールグレイや、生地本来の美味しさをダイレクトに楽しめるクリームなしのプレーン、そして表面をパリッとしたチョコでコーティングしたショコラなど、様々な種類が用意されています。一つ一つが丁寧に作られた生ドーナツは、自分へのご褒美にはもちろん、手土産としても大変喜ばれる逸品です。ぜひ一度、この特別な新食感とこだわりのクリームを味わってみてください。800字。

京急川崎駅から歩いてすぐ、地元の方々に長年愛されてきた、牛タン専門の居酒屋さんです。
創業は1977年（昭和52年）という歴史を持ち、関東では牛タン専門店がまだ珍しかった時代から、この地でその味を守り続けています。仙台の有名店で修行を積んだ先代がお店を始めたそうで、関東における牛タン文化のパイオニア的存在として知られています。現在は、以前の店舗から数メートル先の場所に移りながらも、変わらず女将さんやご家族が中心となり、温かい雰囲気で切り盛りされています。その歴史の重みを感じさせる店内は、カウンター席と座敷席があり、いつも多くのお客さまで賑わっているため、予約をしてから訪れるのがおすすめです。

このお店の最大の魅力は、なんといっても炭火で豪快に焼き上げられる牛タンです。分厚くカットされたタン肉は、職人の手によって丁寧にスライスされ、熟成させている記録があります。カウンター中央にある焼き場では、女将さんがトングを持ち、威勢よく炭火で牛タンを焼き続ける姿が見られます。焼き上がった牛タンは、厚みが5ミリ以上もありながら、その厚みからは想像できないほど歯切れが良く柔らかで、モチモチとした適度な弾力も楽しめます。噛むほどに口の中に広がる芳醇な旨みは、長年の経験とこだわりが詰まった唯一無二の味わいと言えるでしょう。お酒を楽しみながら、じっくりと牛タンを味わえるのが、このお店が地元で愛され続ける理由の一つです。

焼き牛タンと並んでお店の定番として親しまれているのが、牛タンの旨みが溶け込んだ牛テールスープです。じっくり煮込まれたテール肉はほろほろとした食感で、コラーゲンもたっぷり含まれているため、心も体も温まる一品です。お酒を飲んだ後の締めに注文される方も多く、牛タンと並ぶ人気を集めています。また、牛タン専門店として欠かせないのが、麦御飯ととろろの組み合わせです。つやつやの麦御飯に牛タンを乗せ、仕上げにとろろをかければ、最高の牛タン定食スタイルで堪能することができます。

牛タンの「焼き」と並び、ぜひ味わっていただきたいのが、じっくりと煮込まれた牛タン煮込みです。味が深く染み込み、ほろほろととろけるような柔らかさの牛タンは、一切れが大きく食べ応えがあります。出汁がしみ込んだ大根も添えられ、その優しい味わいが心に染み渡ります。また、旬の素材を使ったサイドメニューが豊富なのも、このお店の特徴です。大皿に並べられた季節のお野菜の中から好きなものを選んで、焼き台で焼いてもらうことができます。特に、その大きさに驚くプレミアム椎茸（天恵菇）は、肉厚でシルクのような美しい断面を持ち、噛むたびに溢れる旨みがたまらないと評判です。青森県田子産の大ぶりのニンニク焼きはホクホクとした甘みがあり、立派な太さのアスパラ焼きも歯応えが最高だと人気を集めています。箸休めには、ネギや海苔がたっぷり盛られ特製タレがかかった特製冷や奴や、刻んだ玉ねぎとバジルがアクセントの特製トマトサラダなどもおすすめです。もちろん、ビールによく合う辛みがたまらない青唐辛子味噌漬もあります。歴史ある空間で、変わらぬ味と新しい発見をぜひお楽しみください。