地元茅ヶ崎で約50年もの長い間、多くの人々に愛され続けた中華料理と定食の食堂が、ますやです。一時は暖簾を下ろして休業していましたが、2021年10月に、三代目の店主様の熱い思いとともに見事に復活を遂げた、地域に根付く名店として知られています。初代から受け継がれた心温まる味と、ボリューム満点の料理は、世代を超えて地元の人々の胃袋を満たしてきた、大切な存在です。

このお店の再スタートの背景には、心温まるエピソードがあります。二代目の他界により、惜しまれつつもしばらく休業していたお店を、元美容師という異色の経歴を持つ三代目の店主様が、お店の灯を絶やすまいと一念発起し、復活に向けて立ち上がりました。 昔から「腹が減ったらますや！」という合言葉があったそうで、特に湘南でサーフィンを楽しんだ後のサーファーたちが、お腹を空かせて通った場所でもありました。 再開にあたっては、建物の改修や営業許可の取得など、多くの苦労があったそうですが、クラウドファンディングなどを通じて地域の人々の期待を背負い、かつての味を守りながら新たな一歩を踏み出しました。 復活当初は、以前の豊富なメニューを一度に揃えることが難しかったため、まずは温かいおにぎりとからあげから提供を始めたというのも、地域への感謝と、着実にお店を続けていこうという強い意志を感じさせます。

現在、ますやの看板メニューの一つとして評判を集めているのが、お店の代名詞とも言えるレバニラ炒めです。使用されている豚レバーは臭みがなく、分厚くカットされているため、火を通しすぎることがなくジューシーな食感が楽しめるように工夫されています。シャキシャキとしたニラやもやしとの相性も良く、ご飯が進むしっかりとした味付けで、遠方から訪れるお客様も多い人気の一品です。 また、再出発の立役者とも言えるおにぎりも、根強い人気を誇るメニューです。ふんわりと優しく握られたおにぎりは、玄米や定番の鮭、梅ちりめんなど、素朴でありながらもこだわりを感じる具材が揃っていて、具材がたっぷり入った具だくさんみそ汁とセットで味わうのが人気です。

さらに、長年愛されてきた食堂の味として、昔ながらの優しく素朴な味わいの中華そばも見逃せません。丁寧に仕上げられた出汁の旨味が際立つスープと、喉ごしの良い細麺の組み合わせが、多くのお客様の心を捉えて離しません。ボリューム満点の定食も健在で、定番のからあげ定食や、白身魚やイカフライなど様々な揚げ物をご家族や友人と楽しめるミックスフライ定食といった、満足感の高いメニューが揃います。その日の気分や空腹具合に合わせて選ぶことができるのも、地域に愛される食堂ならではの魅力です。温かい中華そばから、一つ一つ手作りのぬくもりを感じるおにぎりまで、復活した「町の中華・定食屋」の味と歴史を、心ゆくまでゆっくりと楽しんでください。