越後長野温泉 嵐渓荘
新潟県三条市の守門川(すもんがわ)のほとりにひっそりと佇む、秘湯の一軒宿が越後長野温泉 嵐渓荘です。里山の静けさの中にあり、大正時代末期にこの地の初代が何もない原野を掘り続け、数年かけて源泉を湧出させたのが始まりと伝えられています。創業者の曽祖父は、温泉を宿や湯治場としてだけでなく、心身のバランスを取り戻すための療養所のような場所にしたいと考えていたそうで、かつては都会から長期滞在する人が多く訪れていた歴史があります。建物は昭和初期に建てられた本館が、その風情ある佇まいから国の登録有形文化財に指定されており、約3000坪の敷地には、桜やイチョウの古木に囲まれた美しい庭園が広がり、訪れる人々を魅了しています。渓流沿いという立地柄、夏は蛍、秋は紅葉、冬は大雪の雪景色と、四季折々の自然美を堪能できるのが大きな魅力です。
嵐渓荘で一番の特徴ともいえるのが、その珍しい泉質です。源泉は強食塩冷鉱泉という塩分を豊富に含んだ療養泉で、古くは皮膚病や切り傷の薬として瓶詰めにして東京の薬屋で販売されていた記録もあります。湯は肌にまとうような感触で、体の芯からよく温まり、保湿効果も期待できると評判です。また、湯船の深さが約130cmもある名物深湯(ふかゆ)があり、立ったまま肩まで浸かるという珍しい入浴体験ができます。まるでプールのように歩き回りながら全身で温泉成分を感じられる深湯は、この宿ならではのユニークな楽しみ方です。温泉は加温して利用していますが、源泉温度が低いため、ゆっくりと長湯が楽しめるのも特徴のひとつです。館内にはこの名泉を独り占めできる貸切露天風呂の山の湯(石湯・深湯)があり、宿泊客はもちろん日帰り入浴の方も利用できます。
お料理は、天然の湧水「真木の清水(しんすい)」を調理にすべて使用していることが美味しさの秘訣です。澄んだ味わいを醸すベースとなるこの湧水を使って、地元の旬の山菜や川魚を中心に、手間暇かけて作る滋味深い山里会席が宿の定番料理です。季節に応じて献立が変わり、春は山菜会席、夏は鮎会席、秋は松茸会席といった限定コースも用意されます。
数ある名物料理の中でも、特に評判が高いのが、創業以来受け継がれてきた伝統の味ぜんまいの一本煮です。下田郷の山で採れた極太のぜんまいを使い、昔ながらの味付けでじっくりと煮込んだもので、素朴ながら他では味わえない看板料理として知られています。また、地元の清流で泥抜きをした鯉を使い、くさみのないコリコリとした食感が特徴の鯉のあらい清流仕立ても人気の一品です。付けだれの辛子酢味噌が鯉の旨味によく合い、鯉が苦手な方にも一度は試していただきたいと宿の方が太鼓判を押す自慢の料理です。さらに、名物として知られるにいがた和牛の石焼きは、熱々の焼けた石の上に和牛を乗せて香ばしく焼き、秘伝のタレでいただく料理で、そのタレの美味しさからリピーターも多いメニューです。朝食には、源泉のミネラル分と濃厚な塩分が合わさった、体に優しい温泉粥が提供され、まるで旨い出汁が効いたような複雑な味わいが人気を集めています。自然の恵みと歴史ある建物、そして個性が光る温泉と料理が、越後長野温泉 嵐渓荘の大きな魅力となっています。
- 「山里会席」フルコース
・ぜんまいの一本煮
・鮎せんべい
・鯉のあらい 清流仕立て
・天然鮎の塩焼き
・きのこ鍋
・牛の石焼き
・舞茸ご飯
| 住所 | 新潟県三条市長野1450 |
|---|---|
| 電話 | 0256-47-2211 |
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