上野駅近くの東上野エリアに、1963年（昭和38年）に創業して以来、多くの人に愛され続けている特別な空間を持つ高級喫茶店です。古城というその名前が示す通り、お店は地下にありながら、一歩足を踏み入れると、まるで中世ヨーロッパの城に迷い込んだような豪華絢爛な世界が広がっています。当時の上野は、上京する人々が集まる玄関口として栄え、乗り換えや待ち合わせのために喫茶店が増えた歴史を持っており、古城もまた、その時代の流れの中で誕生しました。創業者の父親がヨーロッパの城郭建築に強い憧れを持っていたことから、その思いを具現化するために、すべて特注で内装が作り上げられたといいます。

このお店の最大の魅力は、地下空間を豊かに彩る贅沢なインテリアの数々です。天井からは、まばゆいばかりの大きなシャンデリアが下がり、壁一面には、ロシア皇帝の旧城であるエルミタージュ美術館をイメージして作られた巨大なステンドグラスが輝いています。このステンドグラスのおかげで、地下でありながらも店内には奥行きと広がりが感じられ、圧迫感がなくゆったりと過ごせます。また、床には特注の大理石が敷き詰められ、壁にはあえて荒々しい大理石が用いられており、細部にまでこだわり抜いたゴージャスな造りです。かつては仕事の打ち合わせや接待など、ホテルのラウンジのように使われることもあったというほど、その高級感は折り紙付きで、今では映画やテレビドラマのロケ地にもなる貴重なスポットになっています。さらに、店内には創業当時から受け継がれるユニークな伝統があり、コーヒーカップは女性にはピンク、男性にはブルーで提供される心遣いがあります。

軽食メニューの中でも、創業当時から変わらぬ人気を誇っているのが、定番のミックスサンドです。ハムやたまご、野菜などがバランスよく挟まれたこのサンドイッチは、それぞれの具材の良さを引き立て合う絶妙な味わいで、特に手作りのマヨネーズが美味しさの決め手になっています。また、モーニングの時間帯（9:00～11:00）に提供されているハムサンドも、苦味にこだわったブレンドコーヒーや紅茶とともに、多くの方が選ぶ人気のメニューです。

古き良き喫茶店の雰囲気を堪能できるメニューとして、デザートも外せません。特に懐かしさを感じるバナナパフェは、グラスに注がれたクリームソーダの上に、バニラアイス、バナナ、ホイップクリーム、シロップ漬けのチェリーやミカンが可愛らしくトッピングされた、目にも楽しい一品です。また、ランチタイム（平日11:30～14:00）には、喫茶店の定番とも言えるナポリタンや、隠れた人気メニューのカレーなども用意されており、豪華な空間の中で、どこかホッとする昔ながらの味を楽しめます。重厚なインテリアに囲まれながら、歴史とともに歩んできた喫茶店の味をゆったりと味わうことができる貴重な場所です。

【タカトシ温水の路線バスで】レトロゴージャスな純喫茶『古城』#大沢あかね 東京ミズマチ〜ディープ奥浅草で粋に遊ぶ 2025/11/8放送