「Sushi Noz」
アメリカのニューヨーク、アッパーイーストサイドの閑静な通りにたたずむSushi Nozは、日本の伝統的な美意識と江戸前寿司の技術を、洗練された形で表現するお寿司屋さんです。北海道生まれの安倍 希(あべ のぞむ)シェフが、長年の夢を叶えて2018年にオープンさせました。シェフは幼い頃から、祖父が経営する海産物会社で上質な魚介に親しみ、札幌での修業を経て、江戸前寿司の中心地である東京で熟練の技を磨きました。ニューヨークの老舗寿司店で活躍した後、満を持してこのSushi Nozを開いたのです。このお店は2023年にミシュランガイドで二つ星を獲得しており、その卓越した料理の腕が世界的に認められています。
お店の空間は、まるで古都・京都の静謐なお寺のような雰囲気で、ゲストを特別な世界へと誘います。内装は日本の伝統的な数寄屋造りの建築様式を取り入れていて、その繊細な美しさには誰もが息をのむでしょう。日本から取り寄せた何種類もの杉材をはじめとする木材が、伝統的な木工技術によって釘を一本も使わずに組み上げられています。中でも、お食事をする空間の中心に置かれている樹齢200年の檜(ひのき)の一枚板を使った寿司カウンターは、圧巻の存在感です。また、カウンターの奥には、現代の冷蔵技術が生まれる前の江戸時代に寿司職人が使っていたとされる伝統的な檜の氷冷蔵庫もあり、お店の伝統への深い敬意を表しています。店内には8席のHinoki Counterと、日本の皇族専用だったとされる稀少なタモ材を使った6席のAsh Room counterの二つの空間があり、それぞれで職人の技を間近に感じながら、親密なひとときを過ごせます。
お料理は、その日に仕入れた最高の素材を活かす「おまかせ」スタイルで提供されます。シェフのこだわりは、江戸前寿司の伝統的な技法にあり、新鮮な魚だけでなく、熟成させた魚や、伝統的な製法で酢を利かせたこだわりの酢飯を使い、一貫一貫に魂を込めています。コースは、まず季節の魚や野菜を使い分けた5品から6品のおつまみから始まり、季節の移ろいを舌で感じさせてくれます。次に、熟練の技術が光る12品から14品の握り寿司が続きます。それぞれのネタが持つ個性に合わせて、最も美味しくなるよう丁寧に仕立てられています。
数多くある品々の中で特に目を引くのは、季節の味わいを感じる趣向を凝らした一品です。たとえば、上品な甘さの甘鯛には、紫蘇の花や銀杏を添えて季節の香りを添えています。また、マグロは、宮崎から取り寄せた極上の中トロを出すなど、産地にも強いこだわりを持っています。江戸前寿司の定番である穴子は、笹の葉の上で丁寧に燻製にし、自家製のツメソースで仕上げるという手間をかけた逸品で、口の中でとろけるような食感が魅力です。お椀として提供される味噌汁も特別で、絹のように滑らかな鰻の「麺」が入っており、塩漬けにした卵黄のクリームやカリカリの豆腐が添えられるなど、細部にまで遊び心と技術が詰まっています。このSushi Nozでの時間は、単なる食事ではなく、日本の伝統建築と鮨の芸術が融合した、忘れられない美食体験になるでしょう。
- おまかせコース $550〜
| 住所 | アメリカ181 E 78th St.between Lexington and 3rd Avenue |
|---|---|
| 電話 | (+1) 917-338-1792 |
ホームページ
www.sushinoz.com…
Instagramをチェック
