【石川】珠洲「海浜あみだ湯」

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海浜あみだ湯

地元に長年愛される、石川県珠洲市の海辺にある公衆浴場です。奥能登の最先端に位置する海浜あみだ湯は、昭和の時代からこの地の暮らしを見守ってきた歴史ある銭湯です。目の前には広大な日本海が広がり、「海が見える銭湯」として親しまれています。過疎化が進む中、この大切な地域の拠点を守ろうと、近年は地域おこし協力隊や奥能登国際芸術祭を機に移住した若者たちによって運営が引き継がれました。2023年頃からは新谷健太さんら若手グループが実質的な運営を担うことになり、長年地域に根付いた銭湯文化を未来へつなぐ活動を進めています。

海浜あみだ湯の最大の特徴は、2024年1月1日に発生した能登半島地震からの早期再開と、それにまつわる地域コミュニティへの貢献にあります。甚大な被害を受けた珠洲市で、多くの家屋が被災し、電気や上下水道といったインフラが寸断される中、あみだ湯は奇跡的に津波被害を免れました。地下水を使用し、薪を燃料とするボイラーのおかげで、比較的損傷が少なかったのです。運営者たちは、「地元の人に少しでも日常を取り戻してほしい」との強い思いから、震災からわずか数週間後の1月19日に営業を再開しました。断水が続く中、温かいお風呂を提供できたことは、避難生活を送る人々にとって心と体を癒す大切な時間となりました。「この1カ月ずっと生きた心地がしなかったけれど、やっと心と体がくっついた」という感謝の声が寄せられたエピソードは、この銭湯が単なる入浴施設ではなく、地域の精神的な支えであることを物語っています。新しい運営を担う若者たちは「ただいまとおかえりを温める」という想いを掲げ、あみだ湯を地域の人々が自然と集まり、交流するサードプレイスにしています。公衆浴場ですので、もちろん女性の方も安心してご利用いただけます。

海浜あみだ湯は温泉ではなく、薪を燃料とするボイラーで地下水を沸かした、環境にも住まう人にも優しい柔らかなお湯を届けています。浴場には、大きな湯船の他に、水流が心地よいジェットバスや、底からの気泡で血行を促す気泡風呂(バイブロ)など、日頃の疲れを癒す工夫が凝らされています。また、利用者に喜ばれているのが、日替わりで楽しめる薬湯です。季節や体調に合わせて効能が変わる色とりどりの薬湯は、あみだ湯の長年のファンからも愛される名物となっています。

温浴施設として人気の高いドライサウナと、その後に身体をキュッと引き締める水風呂が完備されている点も見逃せません。サウナは別料金ですが、専用のバスタオルが付くサービスがあり、手ぶらで気軽に「ととのう」体験ができます。サウナ後に、大きな窓越しに海を眺めながらクールダウンすれば、まるで海に浸かっているような開放的な気分を味わえるでしょう。さらに、運営に関わる若者たちがアート関係者であることから、あみだ湯は地域文化の発信拠点としての役割も担っています。例えば、被災した建物の能登瓦をテーマにした展覧会の会場になるなど、銭湯という日常の空間がアートや地域再生のプラットフォームとしても活用され、訪れるたびに新しい発見があるかもしれません。

【ドキュメント72時間】奥能登・珠洲 海辺の銭湯『海浜あみだ湯』2025/2/28放送でも紹介

住所 石川県珠洲市野々江町ナ−5
電話 0768-82-6275

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海浜あみだ湯

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カテゴリー: 石川県
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