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東京都台東区の谷中にある観音寺は、江戸の風情を今に伝える谷中の寺町の一角に静かに佇む、歴史深い新義真言宗のお寺です。創建は慶長年間(1596-1615年)と伝わり、徳川家康公が江戸に幕府を開いて間もない頃に、神田の北寺町で起立しました。その後、場所を変え、延宝8年(1680年)に現在の谷中の地に移り、以来、谷中寺町の一部として地域の人々の信仰を集めてきました。当初は長福寺と称されていましたが、享保元年(1716年)に現在の観音寺と改名し、ご本尊の大日如来様を静かに見守り続けています。
このお寺を訪れる人々の目を引くのが、境内を囲むように長く続く築地塀です。この塀は幕末の頃に築かれたとされ、石垣を台座に、粘土質の土を突き固める版築工法という伝統的な技法で作られています。上部には雨除けの瓦屋根が葺かれており、現存する築地塀は国の登録有形文化財にも指定されています。谷中のシンボルの一つとして親しまれ、その前を通るとまるで江戸時代に迷い込んだかのような、歴史と静けさを感じる風情が漂っています。その景観の美しさや歴史的な価値から、平成4年(1992年)には台東区の「まちかど賞」も受賞しました。
また、観音寺は「忠臣蔵」で知られる赤穂浪士(赤穂義士)ゆかりの深いお寺としても有名です。四十七士の一員だった近松勘六行重さんと奥田貞右衛門行高さんの二人が、当時このお寺で修行をしていた第六世・朝山和尚(当時の名は文良)の兄弟だったという、切っても切れない縁がありました。寺伝によると、朝山和尚は兄と弟の志を汲んで便宜を図り、このお寺が討入りの会合にも使われたと伝えられています。その深い縁から、境内には四十七士の霊を弔うために建てられた赤穂浪士供養塔があり、今もなお多くの歴史ファンや参拝者が供養に訪れます。
近年、お参りの証として授けられる御朱印も話題を集めています。特に注目を集めているのは、古代インドの言葉、サンスクリット語(梵字)で観音様のご真言が記されたサンスクリット御朱印です。蓮の絵柄をあしらったものや、光に当たるとキラキラと輝くスワロフスキーのクリスタルが散りばめられた御朱印など、観音寺ならではの美しさを表現した特別な一品に出会えます。また、季節の移り変わりを楽しむことができる繊細な切り絵の御朱印も、彩り豊かなデザインで参拝者を和ませています。巡礼地としても知られ、御府内八十八ヶ所霊場の42番札所をはじめ、いくつかの霊場の札所にもなっていて、巡礼者にとっても大切な場所です。さらに、谷中七福神めぐりの一つにも数えられ、長寿の神様である福禄寿尊が祀られていることから、新年の七福神めぐりの際には多くの参拝者でにぎわいを見せます。このように、観音寺は歴史と文化、そして信仰の深さを肌で感じられる貴重な場所として、谷中の町に穏やかなたたずまいを見せています。
| 住所 | 東京都台東区谷中5丁目8−28 |
|---|---|
| 電話 | 03-3821-4053 |
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