松川温泉 峡雲荘|八幡平の秘湯温泉旅館
岩手県の八幡平(はちまんたい)にある松川温泉(まつかわおんせん)は、豊かなブナの原生林に囲まれた渓流沿いにたたずむ秘湯です。その中でも、峡雲荘(きょううんそう)は「日本秘湯を守る会」にも加盟する、自然の静寂を満喫できる一軒宿で、訪れる人々を温かく迎え入れています。この松川温泉がある一帯は、日本で初めて地熱発電所が設けられたほど、温泉の恩恵に恵まれた土地柄です。峡雲荘の歴史は、この地で温泉宿を営む三軒の宿が、すべて同じ一族の手によって生み出されたという珍しい背景を持っています。現在の宿の礎は、地元の硫黄鉱山で働いていた高橋家のご先祖様が、自ら温泉宿を立ち上げたいという夢を抱いたことに始まります。その後、一度は村が運営する国民宿舎となりましたが、1980年に高橋家の後継者が買い取り、「峡雲荘」として再出発したという経緯があります。一族の温泉開発にかける情熱が、今に続くこの宿の温かさにつながっているのです。
峡雲荘の大きな特徴は、なんといってもその豊富な湯量と泉質の素晴らしさです。泉質は刺激の少ない単純硫黄泉で、湯船に注がれる乳白色のにごり湯は、やさしい肌触りを楽しませてくれます。源泉かけ流しで楽しめるお湯は、心身の疲れをじんわりと癒してくれます。また、この恵まれた温泉資源を活かし、館内の暖房には温泉の蒸気を利用した地熱暖房が使われている点も、自然と共生する秘湯ならではの魅力です。湯船は男女別の内湯のほか、渓流のせせらぎを聞きながら入る開放的な女性専用の露天風呂と、自然の野趣あふれる混浴露天風呂があり、四季折々の風景を眺めながら湯浴みを楽しめます。特に雪深い季節には、辺り一面が雪墨画のような世界に包まれ、格別の雪見風呂(ゆきみぶろ)を満喫できるのも、標高850メートルの高地にある松川温泉の大きな醍醐味と言えます。
お食事では、地元の食材を大切にしたおもてなし料理が並び、八幡平の豊かな山の幸を味わえると評判です。なかでも、峡雲荘を代表する一品として知られるのが、特産のホロホロ鳥(ほろほろちょう)を使った料理です。この鳥は、脂肪分が少なく淡白でありながら、噛むほどに旨味があふれる気品ある味わいが特徴で、多くのお客さまに喜ばれています。
さらに、お献立には、清らかな松川の渓流が育んだ川魚のお料理や、その時々の旬の味が並びます。特にお刺身として提供されることもある幻の魚イトウ(いとう)や岩魚(いわな)は、都会ではなかなか口にする機会のない貴重な美味として人気を集めています。また、宿の経営者がかつて自然保護委員をしていたほど植物に詳しく、山菜料理にも深いこだわりを持っています。そのため、春の山菜や秋のキノコなど、調理師の方が自ら山に入って摘んでくる新鮮な旬の恵みが、季節ごとに食卓を彩ります。これら大自然が育んだ滋味深い味わいは、日々の喧騒を忘れさせてくれる、心と体にやさしいごちそうになるでしょう。
- 日帰り入浴料 700円 8:30~19:00(最終受付18:00不定休)
| 住所 | Matsukawa Onsen, 松尾寄木 八幡平市 岩手県 028-7302 日本 |
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| 電話 | 0195-78-2256 |
ホームページ
www.kyounso.jp…
