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鎌倉・小町の路地に店を構えるよしろうは、女将の姫田あかねさんが手作りの日本料理でもてなす、小さな小料理屋です。鎌倉駅から小町通りへ入り、にぎやかな通りから少し奥へ進んだ一角にあり、同じ店が時間帯によって異なる顔を見せるのも特徴です。朝は朝食店の朝ごはん、昼は甘味処の甘処あかね、夕方になるとよしろうへと姿を変えます。江ノ電・小田急の公式観光情報でも、この3つの店がひとつの空間を使うスタイルが紹介されています。女将は鎌倉生まれで、若い頃に叔母が営む割烹を手伝った経験を持ち、その後、鎌倉で店を開きました。店名の「よしろう」は、早くに亡くなった文学者だった父の名前から付けたものです。2016年の紹介時に創業21年とされていることから、1995年ごろから続いてきた店であることがわかります。
よしろうの魅力は、華美に飾るのではなく、出汁をきかせた煮物や旬の素材を生かした料理を、女将の手仕事で丁寧に仕上げているところです。カウンターを中心としたこぢんまりとした店で、料理をつまみながらゆっくりお酒を楽しむ、昔ながらの小料理屋らしい時間が流れます。女将が大切にしてきたのは、初めて訪れる人と馴染みの客を分け隔てなく迎えることです。肩書きや付き合いの長さにかかわらず、同じように気持ちよく過ごしてもらうという考え方が、この店の温かな空気につながっています。
代表的な料理として知られるのがしらすねぎオムレツです。たっぷりのしらすとネギを卵でふんわりと包んだ一品で、しらすのほどよい塩気にネギの香りが重なり、ほんのり感じるバターの風味が食欲を誘います。夜のよしろうを代表する料理としてだけでなく、朝の朝ごはんでも人気メニューとして紹介されており、この場所を象徴する味のひとつになっています。
このほかにも、昆布とカツオから取った出汁に焼いたナスをじっくり浸したなすの煮びたし、良質なもろみから造られた黒酢を使ういわしの黒酢煮、少し甘めに味を整えたとりのくわ焼きなど、家庭料理の親しみやすさにひと手間を加えた品が受け継がれてきました。さらに、下ごしらえを重ねて仕上げる里芋と身欠きにしんの炊き合わせや、柑橘の香りを添えたイカときゅうりのぬたなども紹介されており、煮る、焼く、和えるといった日本料理の素朴な仕事を大切にしていることが伝わります。観光客でにぎわう小町通りのすぐそばでありながら、路地へ入ると出会える落ち着いた一軒です。昼間の鎌倉散策とは少し違う、夕暮れからの街の風情とともに訪れたい小料理屋です。
| 住所 | 神奈川県鎌倉市小町2-10-10 榎本ビル 1F |
|---|---|
| 電話 | 0467-23-0667 |
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