【飯尾和樹のずん喫茶】東京・六本木 ホワッと柔らかくマイルドなコーヒー『カファブンナ』 2026/9/27放送

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六本木駅「カファブンナ」

六本木の街で半世紀以上にわたりコーヒーを淹れ続ける、昔ながらの喫茶店がかうひいや カファブンナです。六本木駅から歩いて数分、出雲大社東京分祠の向かいにあるビルの2階で、1972年12月に店主の能勢顯男さんが36歳のときに開きました。能勢さんは会社員としていくつかの仕事を経験した後、通っていた喫茶店で深く焙煎したコーヒーのおいしさに出会い、約1年間の修業を経て独立しました。店名は、コーヒーの原産地として知られるエチオピアの「カファ」と、現地の言葉で豆を意味する「ブンナ」を組み合わせたものです。

カファブンナの魅力は、創業当時から大きく姿を変えていない店内と、店主が長い年月をかけて磨いてきたコーヒーです。存在感のある天井の梁、やわらかな色合いの漆喰壁、レンガを使った床など、店を開いた頃から受け継がれてきた空間には、50年以上の時間がそのまま重なっています。能勢さんはコーヒーだけでなく音楽にも造詣が深く、高校生の頃からアメリカのポピュラー音楽や映画音楽に親しんできました。店内でも音楽を大切にし、かつてはお気に入りの映画音楽を選び、解説を交えながら皆で聴く鑑賞会も開いていました。六本木という変化の大きな街で、コーヒーと音楽を軸に同じ場所で店を続けてきたことそのものが、この店ならではの物語になっています。

コーヒーには、能勢さんが開業を決めるきっかけにもなった深煎りの味わいが息づいています。創業時からコクテール堂の深煎り豆を使い、ネルドリップで一杯ずつ抽出してきました。さらに特徴的なのが、時間をかけて寝かせたオールドビーンズを扱ってきたことです。2024年の取材でも創業当時から変わらないコーヒーへの姿勢が紹介されており、流行に合わせてスタイルを変えるのではなく、自分がおいしいと思った味を守り続けていることが伝わってきます。

店の中心となるブレンドコーヒーは、深煎りならではの香ばしさやコクをじっくり味わいたい一杯です。能勢さんが豆を量り、挽き、ネルを使って丁寧に抽出する一連の仕事も、この店の時間の一部になっています。急いで飲んで席を立つというより、コーヒーができあがるまで音楽に耳を傾けながら待つ過ごし方がよく似合います。

そしてカファブンナでは、コーヒーだけを目当てに訪れても十分楽しめますが、何より印象に残るのは、店主とコーヒーと音楽、そして創業時から受け継がれてきた空間がひとつにつながっていることです。7mほどある長いカウンターやテーブル席、その奥に設けられた落ち着いたスペースにも昔の喫茶店らしい趣が残ります。
きらびやかな店が集まる六本木にありながら、階段を上がれば1970年代から続く喫茶店の時間に触れられるかうひいや カファブンナ。コーヒー好きはもちろん、昔ながらの東京の喫茶文化や音楽が好きな方にも訪ねてほしい一軒です。

  • デミタス 1200円
住所 東京都港区六本木7-17-20 明泉ビル 2F
電話 03-3405-1937

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