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北三条駅から歩いて15分ほどの場所にある大衆食堂正広は、地元に長年愛される、その名の通りメニューが豊富な大衆食堂です。創業は1960年代後半、昭和41年か42年ごろと伝わっています。新潟県には5種類の個性豊かな「新潟5大ラーメン」がありますが、その一つである「三条カレーラーメン」の代表的なお店として知られています。三条カレーラーメンの歴史は大変古く、金属加工のまちとして栄えた三条市の鍛冶職人たちが、忙しい仕事の合間に食べる活力をくれる出前の定番として、70年以上も前から親しまれてきたそうです。大衆食堂正広の社長は「三条カレーラーメン部会」の会長を務めていらっしゃり、地域のご当地グルメを盛り上げる活動の中心的な役割を担っています。
こちらのお店にしかない最大の特徴は、やはりその看板メニューであるカレーラーメンです。カレーラーメンには、ラーメンの上にカレーをかけるタイプと、中華スープにカレーを混ぜ合わせるタイプがありますが、大衆食堂正広のものはあらかじめカレーとスープを合わせた「一体型」スタイルです。驚くべきは、このカレースープへのこだわりで、まずカレーライスとは別に「ラーメンのためのカレー」を作っている点です。豚骨や鶏ガラをベースに、煮干しや昆布、かつお節や香味野菜などをじっくり煮込んだ風味豊かな中華そば用の出汁と、そのラーメン専用カレーを絶妙なバランスで合わせています。カレールーの要となるスパイスは、クミンやコリアンダーなど約20種類を自家調合し、長期間熟成させているそうで、その配合比率や種類は日々改良を重ねているといいます。スープを口に含むと、野菜の甘みの後にじんわりとしたスパイスの辛さが広がり、さらに和風だしの香りが追いかけてくる奥深い味わいです。麺は自家製の細ストレートで、スープがよく絡むようにかん水を少なめにするなどの工夫が凝らされ、もちもちとした食感を楽しめます。
また、大衆食堂正広は、ラーメン以外にも丼や定食など驚くほどの品揃えで、訪れる人の胃袋を満たし続けています。新潟名物として人気のタレかつ丼は、ヒレ肉を使ったあっさりとした味わいが特徴で、特にカレーラーメンとミニタレかつ丼を組み合わせたセットは「最強セット」として大人気です。さらに、カレーラーメン以外にも、醤油味、味噌味、五目麺など、ラーメンの種類が豊富に揃います。特にベースの出汁は「昭和の中華そば系」のやさしい味わいで、昔ながらの中華そばを求めて来店するお客さんもたくさんいらっしゃいます。カレーラーメンを最後まで満喫する裏技として、麺を食べ終わった後に残ったカレースープに、セットのご飯を投入して「リゾット風」にして味の変化を楽しむのもおすすめです。その土地の食文化を支えてきた歴史と、進化し続けるこだわりの味が、この大衆食堂には詰まっています。
| 住所 | 新潟県三条市石上2-13-38 |
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| 電話 | 0256-31-4103 |