佐賀市の中心部、白山エリアに静かに佇む「酒功賛」は、創業が昭和48年（1973年）という歴史を持つ、地元の方々に長く愛されている小料理店です。初代が長崎県の雲仙から佐賀に移り住んでお店を開き、現在は2代目の大将が、先代の心意気を受け継ぎながら、腕をふるっていらっしゃいます。JR佐賀駅からは徒歩で10分から15分ほど、中央通りから少し入ったところに位置しております。

こちらのお店を語る上で欠かせないのが、「メニューのないお店」というスタイルです。お店を訪れると、壁にその日仕入れた旬の魚介類が貼り出されていますが、それらはほんの一例に過ぎません。一階のカウンター席では、お客さんが大将に直接「こんなものが食べたい」と要望を伝えて、できる範囲で希望の料理を仕立ててもらうのが、創業当時から変わらない日常的な光景なのです。大将がお客様一人ひとりの嗜好に寄り添い、柔軟に対応してくださる姿勢が、長きにわたり常連さんたちの心を掴んで離さない魅力となっています。時には、魚料理をメインとする居酒屋ながら、とんかつやお好み焼き、さらには洋食の注文にまで応えてくれるというから驚きです。

新鮮な海の幸を求めて訪れる人が多く、毎日の仕入れで変わる旬の魚を使った刺身盛り合わせは、素材の良さが際立つ、ぜひ味わっていただきたい一品です。また、お店を代表する名物として知られているのが、自家製エビクリームコロッケです。繊細な衣の中には、海老の風味が豊かに香る、とろりとしたクリームがたっぷり詰まっており、手間ひまかけた美味しさで多くの方から注文があります。

お酒を嗜んだ後の締めには、素朴で優しい味わいのじゃこめしが人気を集めています。ご飯の上にじゃこが乗せられたシンプルな一品ですが、飲んだ後にほっとする美味しさで、常連さんの定番となっています。そして、新鮮な素材へのこだわりは魚料理だけに留まらず、ふわふわとした仕上がりが好評の卵焼きも隠れた人気メニューです。さらに、ボリューム満点で満足感があるカツ丼は、若い方やしっかり食事をしたい方からも熱い支持を得ています。2代目の気さくな大将と、優しく見守るお母さんが作り出す温かい雰囲気も相まって、初めての方でも安心して暖簾をくぐれるお店です。