東京メトロ赤坂駅から歩いて6分ほどの場所に、中国料理界の重鎮、脇屋友詞（わきや ゆうじ）シェフがオーナーシェフを務める中国料理店、トゥーランドット 臥龍居があります。2011年にオープンして以来、伝統的な上海料理の技を軸にしながらも、従来の枠にとらわれない新しい中国料理、いわゆる「Wakiya流モダンチャイニーズ」を提唱する脇屋シェフの味を、比較的気軽に楽しめる場所として多くの人に愛されています。脇屋シェフは15歳で料理の道に入り、赤坂の「山王飯店」などで研鑽を積み、2023年には料理人人生50年という大きな節目を迎えました。

脇屋シェフは、大勢で円卓を囲み大皿料理をシェアするのが一般的だった中国料理の世界に、フレンチのような美しい盛り付けで一人ひとりに提供する多皿コース料理のスタイルを持ち込み、中国料理の常識を塗り替えた先駆者として知られています。その確かな技術と斬新な発想から、「中華の鉄人」としても広く活躍されました。料理には日本の旬の食材や極上の素材を巧みに取り入れ、栄養バランスにも配慮した繊細な味わいが特徴です。その洗練された脇屋流の中国料理は、本場中国からも認められ、香港や上海でイベントに招聘されるほどの評価を得ています。

お店は「Wakiya迎賓茶樓」と同じ建物の1階と2階にあり、煌めくシャンデリアやアンティークの調度品が配された非日常感あふれる空間が広がっています。まるで大人の隠れ家のような上質な雰囲気の中で、ゆったりと食事の時間を過ごすことができます。また、平日は朝8時から、週末は朝9時から営業している日もあり、朝食からディナーまで、一日の様々なシーンで利用できるのも珍しい特徴です。

コースの始まりを彩る一皿には、彩り豊かな九つの喜び！ 九種前菜盛り合わせがあります。これは、五味・五色・五法という中国料理の多様な味わいや手法がバランスよく調和した、手の込んだ9品のオードブルで、和牛のローストビーフや胡麻豆腐のキャビア添えなど、その内容は季節や時期によって進化を続けています。

そして、脇屋シェフの代名詞ともいえるスペシャリテが、ふかひれの上海風煮込みです。気仙沼産のヨシキリザメのフカヒレなど、高品質な素材を長年の信頼関係のある業者から仕入れ、手間と時間をかけて下処理します。味の要となるスープは、鶏や豚のガラをじっくりと煮込んだ滋味深いもので、フカヒレの食感と相まって贅沢な美味しさが口の中に広がり、炊き立ての土鍋ご飯と共に味わうことができます。食事の締めくくりには、自家製ラー油と十数種類のスパイスを効かせた醤油ベースの担々麺も人気です。そのほかにも、旬の鮮魚にふきのとうなどの天然山菜を添え、XO醬とねぎのソースで奥深くやさしい味わいに仕上げた本日の鮮魚と天然山菜のスパイス香り揚げなど、季節感あふれる一皿一皿が、訪れる人々を新しい中国料理の世界へと誘います。

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