京急川崎駅から歩いてすぐ、地元の方々に長年愛されてきた、牛タン専門の居酒屋さんです。
創業は1977年（昭和52年）という歴史を持ち、関東では牛タン専門店がまだ珍しかった時代から、この地でその味を守り続けています。仙台の有名店で修行を積んだ先代がお店を始めたそうで、関東における牛タン文化のパイオニア的存在として知られています。現在は、以前の店舗から数メートル先の場所に移りながらも、変わらず女将さんやご家族が中心となり、温かい雰囲気で切り盛りされています。その歴史の重みを感じさせる店内は、カウンター席と座敷席があり、いつも多くのお客さまで賑わっているため、予約をしてから訪れるのがおすすめです。

このお店の最大の魅力は、なんといっても炭火で豪快に焼き上げられる牛タンです。分厚くカットされたタン肉は、職人の手によって丁寧にスライスされ、熟成させている記録があります。カウンター中央にある焼き場では、女将さんがトングを持ち、威勢よく炭火で牛タンを焼き続ける姿が見られます。焼き上がった牛タンは、厚みが5ミリ以上もありながら、その厚みからは想像できないほど歯切れが良く柔らかで、モチモチとした適度な弾力も楽しめます。噛むほどに口の中に広がる芳醇な旨みは、長年の経験とこだわりが詰まった唯一無二の味わいと言えるでしょう。お酒を楽しみながら、じっくりと牛タンを味わえるのが、このお店が地元で愛され続ける理由の一つです。

焼き牛タンと並んでお店の定番として親しまれているのが、牛タンの旨みが溶け込んだ牛テールスープです。じっくり煮込まれたテール肉はほろほろとした食感で、コラーゲンもたっぷり含まれているため、心も体も温まる一品です。お酒を飲んだ後の締めに注文される方も多く、牛タンと並ぶ人気を集めています。また、牛タン専門店として欠かせないのが、麦御飯ととろろの組み合わせです。つやつやの麦御飯に牛タンを乗せ、仕上げにとろろをかければ、最高の牛タン定食スタイルで堪能することができます。

牛タンの「焼き」と並び、ぜひ味わっていただきたいのが、じっくりと煮込まれた牛タン煮込みです。味が深く染み込み、ほろほろととろけるような柔らかさの牛タンは、一切れが大きく食べ応えがあります。出汁がしみ込んだ大根も添えられ、その優しい味わいが心に染み渡ります。また、旬の素材を使ったサイドメニューが豊富なのも、このお店の特徴です。大皿に並べられた季節のお野菜の中から好きなものを選んで、焼き台で焼いてもらうことができます。特に、その大きさに驚くプレミアム椎茸（天恵菇）は、肉厚でシルクのような美しい断面を持ち、噛むたびに溢れる旨みがたまらないと評判です。青森県田子産の大ぶりのニンニク焼きはホクホクとした甘みがあり、立派な太さのアスパラ焼きも歯応えが最高だと人気を集めています。箸休めには、ネギや海苔がたっぷり盛られ特製タレがかかった特製冷や奴や、刻んだ玉ねぎとバジルがアクセントの特製トマトサラダなどもおすすめです。もちろん、ビールによく合う辛みがたまらない青唐辛子味噌漬もあります。歴史ある空間で、変わらぬ味と新しい発見をぜひお楽しみください。