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茨城県稲敷市のあんば様総本宮 大杉神社は、全国に広がる大杉神社の総本宮として信仰を集め、「あんばさま」の呼び名で親しまれてきた神社です。創始は767年と伝わり、主祭神として倭大物主櫛甕玉大神を祀り、大己貴大神、小彦名大神を配祀しています。この土地はかつて「あんば」と呼ばれ、目印になるほど大きな杉の木があったことから、巨杉に宿る神様が「あんばさま」と呼ばれるようになったと伝わります。767年には、日光山へ向かう途中の勝道上人がこの地を訪れ、流行していた疫病の退散を巨杉に祈ったところ、三柱の神が現れ疫病が収まったという由緒も残されています。そこから厄除けや病気平癒への信仰が深まり、やがて利根川の舟運に携わる人々から航海や漁の安全、商売繁昌を願う神様としても崇敬されるようになりました。
大杉神社を特徴づけているのが、「日本唯一の夢むすび大明神」とされる信仰です。江戸時代には夢むすびを願う参拝者が各地から訪れ、旧暦の正月・5月・9月に祈祷を受ける「正五九参り」も盛んになりました。ここでいう「夢」は眠っているときに見る夢ではなく、一人ひとりがかなえたい願いを指します。現在も夢むすびをはじめ、厄除け、悪縁切り、八方除け、星除けなど、さまざまな願いを込めた祈祷が行われています。境内には悪縁を断つ願いを込めて土器を割る場所や、夢むすびの矢を射る「ねがい矢場」などもあり、ただ社殿をお参りするだけではない独特の参拝文化に触れられます。
境内でぜひ目を向けたいのが、華やかな社殿と彫刻です。県内最大級とされる木造社殿には数多くの彫刻が施され、本殿腰組の海獣背乗仙人や天の邪気足踏仙人、瑞垣の二十四孝彫刻群は島村圓鉄の作、拝殿向拝の龍をはじめとした彫刻は磯辺儀左衛門の作と伝わります。鮮やかな装飾が重なる姿から「茨城の日光東照宮」と紹介されることもあり、厳かな神社というイメージとは少し違う、きらびやかな景観が印象に残ります。境内にはご神木の三郎杉がそびえ、神苑の奥には次郎杉も残されており、大杉の名を今に伝えています。かつては太郎杉もありましたが、こちらは焼失しています。
もうひとつ知っておきたいのがあんば囃子です。大杉神社は古くから航海や漁の守護、疫病退散の信仰と結びつき、疫病が流行しそうになると天狗の面を借り、鉦や太鼓を鳴らしながら村々を巡って悪疫退散を祈ったことが囃子の原型とされています。あんば信仰とともに利根川水系や太平洋岸へ広まり、江戸で披露された際には大変な評判になったという話も残ります。現在のあんば囃子は国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選択され、土地の信仰と暮らしを伝える大切な民俗芸能として受け継がれています。
境内には勝馬神社も祀られています。もとは馬の安全を守る馬櫪社と呼ばれ、奈良時代に現在の美浦村周辺に置かれた信太馬牧とのつながりを持つとされています。現在は競馬や勝負事を願う人からも信仰され、近くに美浦トレーニングセンターがある土地柄とも重なって、競馬関係者や競馬ファンにも知られる存在になっています。ほかにも大国神社や稲荷神社などがあり、境内をゆっくり巡ると、長い歴史のなかで多彩な信仰が重なってきたことが感じられます。
あんば様総本宮 大杉神社へ公共交通機関で向かう場合は、JR成田線下総神崎駅からタクシーで約15分です。佐原駅や土浦駅方面からバスを乗り継ぐ方法も案内されていますが、公式案内でもバスの本数が極めて少ないと注意を促しているため、事前に最新の時刻表を確認しておくと安心です。車の場合は圏央道の稲敷ICなどから向かうことができます。夢むすびの神社としての華やかさだけでなく、巨杉への古い信仰、利根川の舟運、疫病退散の祈り、あんば囃子へとつながる歴史を知ってから歩くと、この土地ならではの物語がより深く感じられる神社です。
| 住所 | 茨城県稲敷市阿波958 |
|---|---|
| 電話 | 029-894-2613 |

茨城のパワースポットとしても有名な大杉神社 | あんばさま総本宮
染病を始めとする悪疫退散、厄除け、八方除け、星除け、空亡除けを中心として、夢むすびや交通安全の祈願に参拝される方々が後を絶ちません。その他にも様々な理由から参拝される方も多いので、ご用命の際は茨城でも……
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