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麻布十番の街なかで、地下を流れる水を眺めながらひと休みできるカフェです。南麻布の仙台坂近くにあるCAFÉ KARIZ(カフェカリーズ)は、江戸時代に仙台藩の麻布下屋敷が広がっていた一帯に店を構えています。仙台市の資料でも、現在の韓国大使館周辺から仙台坂の南側一帯に仙台藩の下屋敷があり、店の地下には古くから湧き続ける井戸が残ることが紹介されています。麻布十番駅から歩いて立ち寄れる場所ながら、土地の歴史を身近に感じられる少し珍しいカフェです。
CAFÉ KARIZを象徴するのが、店内の床に設けられたガラス窓です。その下をのぞくと、地下にたまる水を実際に見ることができます。この水は武蔵野台地に降った雨や雪が地中へ浸透し、長い時間をかけて流れてきたものとされ、店では浄化装置を通して飲料水として利用しています。さらに、その地下水を使ってブレンドコーヒーや紅茶を淹れているのも大きな特徴です。都心の地下に今も水の流れが息づいていることを、目で見て、飲み物を通して味わえる場所になっています。
店名の「KARIZ」にも水とのつながりがあります。「カリーズ」は乾燥した土地で地下水を運び、オアシスなどを結んできた地下水路にちなむ名前です。店では、水路が土地と人を結ぶように、人と人が出会い、会話を楽しめる場所にしたいという思いを込めています。白を基調に観葉植物を配した店内は、歴史を前面に押し出した重々しい雰囲気ではなく、気軽に過ごしやすい空間です。また、麻布の歴史をテーマにした催しのほか、落語やマジックショーなどが開かれてきた記録もあり、単に飲み物を楽しむだけではない地域の交流場所としての一面もうかがえます。
カフェでまず味わいたいのは、地下水を使ったブレンドコーヒーです。ホットとアイスが用意され、地下水そのものとコーヒーの両方を楽しめるのが、この店ならではの過ごし方です。コーヒーが苦手な人なら、同じく地下水を生かした紅茶やカフェオレを選べます。飲み物と甘いものを合わせたいときにはケーキセットがあり、好みのケーキとコーヒー、紅茶、ジュースなどを組み合わせられます。ホットコーヒーはセットの場合、おかわりができるため、仙台坂散策の途中にゆっくり腰を落ち着けたいときにも向いています。
もうひとつ注目したいのが、店と麻布の歴史との結びつきです。店がある仙台坂周辺は、江戸の大名屋敷の記憶を今に伝える場所で、坂の名前にも仙台藩との関係が残っています。現在の麻布は各国の大使館が集まる国際色豊かな街でもあり、店内には大使館の場所を紹介する地図なども用意されています。華やかな麻布十番の商店街とは少し違った角度から、この街の地形、水、江戸時代から続く歴史を知ることができるのがCAFÉ KARIZの魅力です。仙台坂を歩いたあと、ガラス床の向こうに静かにたたずむ地下水を眺めながらブレンドコーヒーを味わえば、普段は意識することのない「麻布の地下」にも目を向けられます。
| 住所 | 東京都港区南麻布1-4-22 サライ南麻布1F |
|---|---|
| 電話 | 03-3454-2727 |