日本の国賓をもてなすための迎賓施設であり、日本における唯一のネオ・バロック様式の宮殿建築物
明治天皇の命により、当時の皇太子（後の大正天皇）の御所として1909年（明治42年）に建設され、
第二次世界大戦後、一時的に国立国会図書館や内閣府庁舎などとして使用された。
その後、海外からの賓客を迎えるための施設として改修されることになり、1968年（昭和43年）から大規模な改修工事が行われた。
この大改修を指揮したのは、建築家の村野藤吾。
村野は、既存の建物の意匠を尊重しつつ、現代の迎賓施設として必要な機能と設備を導入。
特に、内装の改修においては、日本の伝統美を取り入れながら、国際的な感覚に合わせた空間づくりが行われた。
これまで寄木造りだった床に、村野藤吾の発案で緞通が敷かれた。
これにより、足音が響きにくくなり、より落ち着いた空間となった。
また、緞通のデザインにも日本の伝統的な文様が取り入れられている。
2009年（平成21年）には国宝に指定され、その歴史的・文化的価値は高く評価されている。
設計は宮廷建築家の片山東熊が担当し、当時の日本の建築、美術、工芸の粋を集めて建設された。
外観は重厚で威厳に満ち溢れ、内部は絢爛豪華な装飾で彩られている。
特に、各部屋の装飾は、絵画、彫刻、調度品など、どれも一流の職人によって手掛けられたもので、見る者を圧倒する美しさ。
迎賓館は、外国の元首や首相など、重要な賓客を迎えるための施設として使用されている。
国賓の宿泊施設としてだけでなく、首脳会談や晩餐会など、重要な外交の舞台としても活用されており、
近年では、主要国首脳会議（サミット）の会場としても使用され、国際社会における日本のプレゼンスを示す場となっている。