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宮城県仙台市青葉区に位置する「せんだいメディアテーク」は、単なる図書館やギャラリーの枠を超え、情報化社会における新しい公共施設のあり方を提示する、世界的に著名な複合文化施設です。
世界的建築家、伊東豊雄氏の設計により2001年に開館したこの建物は、「すべての人がさまざまなメディアを通じて自由に情報のやりとりを行い、使いこなせるように支援する」という理念のもと、美術、映像、図書館サービス、そして市民活動の拠点として機能しています。
最大の特徴は、「チューブ」と呼ばれる13本の柱と、透明な「プレート(床)」、そしてガラスの「スキン(外壁)」によって構成される、他に類を見ない「建築原理」にあります。
波に揺れる海藻から着想を得たというチューブは、不均質な力の流れを可視化したような独特の形状をしており、自然光や新鮮な空気、電気などのエネルギーを各フロアに送り込む役割を担っています。
これらのチューブが、各階の空間に流動性をもたらし、壁によって仕切られない自由で開放的な空間を実現しています。
この構造は、建物全体を「森」に見立てた伊東豊雄氏の思想を具現化したものであり、都市の均質的な空間に、まるで自然の中にいるかのような多様な「場所」を生み出すことを意図しています。
建物の外観は、定禅寺通りのケヤキ並木を映し出すガラス張りのダブルスキンが特徴で、時間帯や季節によって表情を変える様は、それ自体がアート作品のようです。
内部空間は、まさに「街路や広場を巡り歩くかのような体験」を提供します。
各フロアには、大きさの異なる多様なルームが繋がり、異なる活動が同時に行われていても、訪れる人々は自由に移動し、参加することも素通りすることもできます。
この設計により、従来の施設のような「館内完結型」ではなく、利用者自身が活動に参加し、自己表現を行うことを支援する「ネットワーク共有型」の知的環境が整備されています。
斬新な建築デザインだけでなく、公共施設の新しいあり方を提案した点でも歴史的な意義を持っています。
1995年の国際設計競技では、審査の公開性を重視し、日本で初めて「メディアテーク」という名称を持つ新しいビルディングタイプを提案しました。
この挑戦的な試みは、建築界に大きな影響を与え、グッドデザイン大賞や日本建築学会賞(作品)など、数々の賞を受賞しています。
伊東豊雄氏自身も「せんだいメディアテークは、私にとって転機となった建築である」と語るほど、彼のその後の作風にも大きな影響を与えました。
開館後も、せんだいメディアテークは、2011年の東日本大震災の記録・発信拠点となるなど、市民生活に深く根ざした役割を担い続けています。
地下2階、地上8階建ての建物には、仙台市民図書館、映像音響ライブラリー、ギャラリー、スタジオ、ショップ、カフェなど多様な機能が複合されており、老若男女、あらゆる人々が利用できるユニバーサルデザインが随所に施されています。
住所 | 〒980-0821 宮城県仙台市青葉区春日町2−1 1F |
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TEL | 022-713-3171 |
せんだいメディアテークは、美術や映像文化の拠点であると同時に、すべての人々がさまざまなメディアを通じて自由に情報のやりとりができるようお手伝いする公共施設です。…