昭和22年（1947年）創業という歴史を持つ江戸前うなぎの老舗「神田きくかわ」の暖簾分け店として、昭和61年（1986年）に開店しました。
黒い塀に囲まれた数寄屋造りの建物は、石畳の階段を上ると中庭に錦鯉が泳ぐ池が配され、訪れる者をまるで別世界へと誘うような、落ち着きのある純和風の風情が広がっています。
注文を受けてから丁寧に蒸し上げ、秘伝のタレをまとわせながらじっくりと焼き上げる「江戸前」の手法を頑なに守り続けています。
竹串ではなくピアノ線を束ねた特注品の金串を使用しているのが特徴で、これにより、熱伝導率が高まり、うなぎの身は内側からふっくらと、そして柔らかく焼き上がるのです。この独特の焼き方が、箸ですっと切れるほどの柔らかさと、骨を気にせずに食べられる食感を生み出しています。
秘伝のタレにも並々ならぬこだわりが見られます。一般的な砂糖やみりんに加えて、「レンゲの蜂蜜を使用」しているのが神田きくかわ流。
これにより、味の甘みやしつこさが抑えられ、うなぎ本来の旨味を最大限に引き立てるとともに、ご飯との相性も抜群に良くなっています。