【櫻井信五の鬼スケ旅】滋賀の名所を巡る旅 スポットリスト

長浜の郷土料理を代表する「焼鯖そうめん」の有名店です。
築200年という歴史を持つ趣深い商家を改装した店内で、甘辛く煮込まれた肉厚の焼鯖と、その旨味が染み込んだ温かいそうめんが織りなす独特の味わいを楽しむことができます。
長浜駅から徒歩圏内というアクセスの良さも相まって、観光客が必ず立ち寄るグルメスポットとして知られています。

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日本三大和牛の一つである近江牛の専門店です。
精肉店を併設したお食事処として、上質な近江牛のすき焼きやしゃぶしゃぶ、そして人気の焼肉丼などを提供しており、地元客はもちろん、全国の美食家からも高い評価を得ています。
「近江かね安」の最大の特徴は、創業以来、黒毛和種の雌牛のみにこだわり、さらに肉を枝肉のまま熟成させるという、昔ながらの精肉店のスタイルを頑なに守り続けている点にあります。
これにより、ただ柔らかいだけでなく、和牛本来の深い旨みと豊かな香りを最大限に引き出した、唯一無二の近江牛を堪能することができます。
肉へのこだわりは、まず使用する牛の品種にあります。彼らが扱うのは、A5、A4クラスの黒毛和種の雌牛のみです。
一般的に、雌牛は去勢牛や交雑種に比べて肉色は小豆色で派手さはありませんが、味が数段勝るとされており、特にその脂肪（さし）の融点が低いため、口の中でとろけるような旨みを生み出します。
さらに重要なのが、独自の熟成手法です。
多くの店が真空パックで肉を仕入れる中、近江かね安では店頭にて枝肉（骨付き肉）のまま解体し、そこから約20日から1ヶ月間ほど熟成（ドライエイジング）を施します。
骨付き肉を通気性のある状態で熟成させることで、水分が蒸発し、タンパク質が分解されてアミノ酸などの旨み成分が増加します。
この熟成によって生まれるのが、独特の「和牛香」と呼ばれる芳醇な香りや、乳製品に含まれるラクトンという甘い香気物質です。
店主はこの熟成方法が真空パックよりも「味が数段勝る」と確信しており、その香りの深さは、食べた後も鼻の奥から長く残るほどだと評されています。

滋賀県近江八幡市にあるびわこだいなか愛菜館は、琵琶湖の東岸に広がる広大な専業農家地帯「大中（だいなか）」の真ん中にある、活気あふれる農産物直売所です。この大中の地は、もともと琵琶湖を干拓してできた土地で、昭和41年に新農村建設という大きな夢を抱いた全国からの入植者によって開墾されました。以来、この地は自立した農業経営者が集う美田として努力を重ねてきた場所です。直売所の始まりは平成10年、この開拓した土地に湖岸道路が通ったことをきっかけに、6戸の専業農家が力を合わせ、間伐材を運び出して製材し、すべて手作りの小さなトタン小屋の直売所を開設したことにさかのぼります。当初は道路建設に反対していたものの、直売所ができたことで、農産物を消費者へダイレクトに販売できる場が生まれたのです。

びわこだいなか愛菜館は、単に商品を販売するだけでなく、「明るい農村連絡事務所」として、農村と都会を結ぶ交流の場を目指しています。その特徴は、直売所の機能に加え、農産物の加工体験ができる「農産物加工所」や、イチゴ、トマト、キュウリなどの旬の野菜や果物の収穫体験ができる「交流型観光農園」を運営している点です。これらの事業は、農業の魅力を発信し、子どもたちへの食育を推進しながら、消費者との交流を通して地産地消を進めることを目的としています。生産者である農家さん同士や、訪れたお客様との間で会話や情報交換が生まれ、活気にあふれた空間になっています。

お店に並ぶ商品は、地元の農家さんが朝採りしたばかりの新鮮な野菜や果物、そして丁寧に育てられたお米が中心です。特に、この地で育まれた大中のミニトマトは特産品の一つとしてよく知られており、種類豊富な農産物の中でも高い人気があります。お米では、滋賀県産米を代表する近江米はもちろん、コシヒカリやミルキークイーンなどの様々な品種を玄米や白米で取り扱っています。また、地元の素材を使った懐かしいおふくろの味が楽しめる農産加工品も、お土産や日々の食卓の一品として好評です。

さらに、愛菜館では地域の名物や食の楽しみを広げる品々も充実しています。滋賀の名産品である近江牛は、店内の村のお肉屋さんで量り売りをしており、直売所でありながら新鮮な精肉を手に入れられるのが魅力です。また、海から離れた近江八幡にいながらにして海の幸を楽しめる工夫もあります。毎月第2と第4の日曜日には、敦賀港から直送されたばかりの魚介類を販売する海鮮市が開催され、多くのお客さんで賑わいます。そして、日曜日限定で、敷地の前にある石窯を使って焼かれたピザの販売もあり、新鮮な野菜を買うだけでなく、その場でおいしい食事を楽しむこともできます。バーベキューや流しそうめん、味噌作り体験といった季節ごとのイベントも定期的に開かれており、訪れるたびに新しい発見や食の喜びを感じられる場所です。

地元・近江八幡の歴史を感じる街並みに佇む、サイフォンコーヒーの専門店です。古い町並みの中でもひときわ目を引く、趣のある建物がお店で、こちらは江戸時代に建てられたとされる旧伴家住宅の一部を利用しています。この旧伴家住宅は、かつて近江商人の本宅として使われていた歴史的な建物で、国の重要文化財に指定されているエリアにあります。

お店の大きな特徴は、景観重要文化財の重厚な雰囲気の中で、ゆったりとした時間を過ごせることでしょう。広いお座敷や、美しい庭を眺められる窓際の席があり、歴史的な空間の贅沢さを感じながら、店内で焙煎したこだわりのコーヒーをいただけます。コーヒーの抽出には、香りを最大限に引き出すといわれるサイフォンを使用しているのがこだわりです。また、ユニークなサービスとして、注文した飲み物に合わせて、店内に並べられたさまざまなデザインのマグカップの中から、お客さんが好きなものを選べるという楽しみがあります。そして、お店の看板犬であるゴールデンレトリバーのサスケくんが、訪れる人たちを温かく迎えてくれることでも有名です。愛犬家の間でも知られていて、テラス席など一部ではペットと一緒に利用できるエリアも設けられています。

仁之助コーヒーさんのブレンドコーヒーは、エチオピアやグアテマラなど、豆の持つ特徴や個性を活かした自家焙煎の豆を使っており、例えば華やかな香りと蜂蜜のような甘さが特徴の月ブレンドなどがあります。シングルオリジン（単一の産地）の豆も提供されていて、その時々で新しい味わいと出会えるかもしれません。

コーヒーと合わせて楽しめるスイーツも充実しています。特に人気があるのは、お店の看板犬サスケくんのイラストが描かれたさしゅーというシュークリームパンです。優しい甘さのクリームと、ふんわりとした生地の食感が楽しめます。また、滋賀県産の食材を使用するなど地元の恵みを生かした手作りプリンもおすすめです。少し硬めの食感と卵の風味が感じられる素朴な味わいで、コーヒーの豊かな香りとよく合います。他にも、チーズケーキや自家製のスコーンなどがあり、文化財の空間で味わう一服のひとときは、近江八幡散策の素晴らしい思い出になるでしょう。

近江鉄道水口城南駅から歩いておよそ十数分の場所にある蔵カフェ 薫蔵は、滋賀の酒文化を肌で感じられる特別なカフェです。こちらは、東海道五十三次の宿場町として栄えた水口の街道沿いに位置する、創業大正6年（1917年）の蔵元美冨久酒造が営んでいます。資材置き場として使われていた築80年ほどの歴史ある蔵の一部を、2021年9月に改装してオープンしました。お店の名前「薫蔵」には、日本酒の豊かな薫りが漂う空間で、日本の伝統や文化に触れてほしいという、蔵元の熱い想いが込められています。

店内に入ると、天井や太い柱などに、酒造りのために築かれた昭和初期の蔵の趣がそのまま残されており、その歴史と深みが訪れる人を優しく包み込みます。酒造りの現場で使われていた道具をリノベーションして飾られていたり、杜氏の方が手作りした温かみのあるテーブルや、仕込み用タンクの蓋をリメイクした個性的なテーブルが配置されていたりと、酒蔵ならではの工夫が随所に見られます。また、店内に流れるBGMは、スタッフの方々が持ち寄ったレコードで、懐かしい音色が響きわたり、ゆったりとした心地良いひとときを演出しています。蔵元では、もともと大人の方がお酒を買いに来る場所というイメージが強かったため、若い世代やお子さん連れのご家族にも酒蔵に親しみを持ってもらい、日本酒文化を身近に感じてほしいという願いから、このカフェが誕生したそうです。お店では、お冷やや調理に、お酒の仕込み水と同じ清らかな水を使っているのも、蔵元直営ならではの嬉しいおもてなしです。

このカフェの看板メニューは、酒文化を通じて感じてきた滋賀県の魅力を伝える食材をたっぷり使ったランチプレートです。特に、ランチに添えられるご飯は、酒造りに使われている酒米を炊き上げており、時期によっては三種類の酒米の食べ比べを楽しめる酒米のおにぎりとして提供されています。お米のプロである蔵元だからこそできる、他ではなかなか味わえない珍しい一品として評判です。また、日本酒を飲まない方でも蔵元の文化を楽しめるように、酒造りの知恵が詰まった甘酒や酒粕を使ったデザートメニューも豊富です。季節によって中身やトッピングが変わる薫蔵特製気まぐれプリンや、自家製甘酒を使ったソフトクリームを添えた薫蔵パフェなどは、幅広い層のお客様から人気を集めています。

ランチプレートのメイン料理には、竜王町のブランド豚である蔵尾ポークや滋賀県産の岡喜牛を贅沢に使った酒粕手ごねハンバーグ、高島市の名物料理であるとんちゃん焼など、地元の厳選素材にこだわった品々が並びます。さらに、滋賀の特産品として知られる鮒ずしや赤こんにゃく、ビワマスなど、近江の美食を少しずつ味わえる盛り合わせが付いているのも魅力で、滋賀県外からのお客様にも喜ばれています。そして、ぜひ味わっていただきたいのは、創業時から蔵元に伝わる粕汁です。この粕汁は、深い味わいで体も心も温めてくれますが、暑い季節には冷やし粕汁として提供されることもあり、季節に合わせた楽しみ方ができます。また、夏には麹（こうじ）をたっぷり使った、ふわふわの薫蔵のかき氷も登場するなど、訪れるたびに新しい味わいに出会えるのも嬉しいところです。カフェに隣接する直売所では、美冨久酒造の日本酒はもちろん、ノンアルコールの甘酒なども販売されていますので、お食事の後に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

1917年（大正6年）創業の、百年以上にわたり近江の地酒を醸し続けてきた老舗の蔵元です。
美冨久酒造は、豊かな自然、清らかな水、そして職人の技が織りなす「深く、やさしく、心に残る味わい」を追求し、伝統的な製法である山廃仕込みと、現代の技術を極めた吟醸仕込みを二本柱として酒造りを行っています。特に、若き蔵人たちが立ち上げた新ブランド「三連星（さんれんせい）」は、フルーティーでキレのある味わいで、近年大きな注目を集めています。
蔵元直営の「蔵カフェ 薫蔵～KAGURA～」が併設されており、お酒造りの過程で生まれる酒粕や酒米、そして地元の特産品をふんだんに使用した、酒蔵ならではのユニークなランチを提供しています。
滋賀県産の食材へのこだわりと、酒蔵ならではの工夫が詰まったプレートが特徴です。
すべてのプレートには、週替わりの酒米ご飯（食べやすく炊き方を工夫）と、滋賀の食材のおかずプレート（鮒ずし、ビワマスの燻製、赤こんにゃくなどから選択・提供される）がついてきます。

滋賀県大津市にある南郷水産センターは、「魚と遊べるパラダイス」をコンセプトにした体験型のレジャー施設です。
琵琶湖に隣接した広大な敷地内で、子どもから大人まで、さまざまな釣り体験や魚のつかみ取りを通して、魚と直接触れ合うことができます。
南郷水産センターの最大の魅力は、魚釣りやつかみ取り、餌やりなど、魚をテーマにした多様なアクティビティがリーズナブルに楽しめる点です。

滋賀県守山市に店を構える「お肉のおかだ」は、地元の方々の毎日の食卓を、美味しいお肉とお惣菜で支えている精肉店です。滋賀が誇るブランド牛である近江牛の指定店として、上質な近江牛や黒毛和牛を丁寧に選んで提供しています。お店の歴史は2009年9月、先代であるお父様が長年の夢を叶えて守山市水保町で創業したことに始まります。食肉業界で培われた確かな目利きで選ばれたお肉と、お店で手作りするお惣菜は、地域でとても愛されていました。しかし、2019年に一度は廃業も考えたそうですが、お父様の店舗への深い想い、そして長年通うお客様からの「お店を続けてほしい」という温かい声に後押しされ、娘である西川展世さんが代表を引き継ぎ、お店の存続を決意されたというエピソードを持っています。その想いを胸に、2022年10月12日に現在の守山市播磨田町に移転し、再起をかけてリニューアルオープンを果たしました。

お店のモットーは「届け真心先様に…」という、創業当初から大切にされてきた言葉と、「誇りは高く、敷居は低く…」という理念です。最高の近江牛を扱いながらも、お客様が気軽に立ち寄れる「町のお肉屋さん」でありたいという、代表の温かい人柄と心遣いが伝わってきます。親しみやすい雰囲気づくりにも力を入れており、店内には工夫を凝らしたPOPが並び、お父様の顔のイラストを使ったLINEスタンプを作るなど、お客様に親近感を持ってもらえるような取り組みにも積極的です。また、精肉店ならではの、滋賀県で育った新鮮な野菜を使った手作り総菜も充実しており、日々の食卓を彩る美味しい品々が大人気を集めています。遠方にお住まいの方でも、オンラインショップから全国へお肉やコロッケを取り寄せられるので、旅の思い出の味を再び楽しむこともできます。

数ある人気商品の中でも、お店の看板メニューとしてメディアにも多数紹介され、SNSで話題となっているのが「近江牛肉巻き 殿様級贅沢の極コロッケ」です。その名の通り、お殿様級のジャンボサイズで、近江牛入りのタネをA5ランクの近江牛で大胆にぐるりと巻き付けて揚げるという、非常に贅沢な逸品です。あまりのボリュームと美味しさに、一度食べたら忘れられない感動の味と評判を集めています。この「極コロッケ」は予約が必要な特別な商品ですが、同じく創業当初から変わらない製法で愛され続けている、お店自慢の「近江牛入り自家製長寿コロッケ」も根強い人気があります。

もちろん、近江牛の精肉専門店として、日常使いから特別な日のお祝いまで、様々な用途に合わせたお肉が豊富に揃います。特に、焼肉やすき焼き、しゃぶしゃぶなどに最適なA5ランクの近江牛は、口の中でとろける柔らかな脂と、きめ細やかな肉質を堪能できる至高の美味しさです。お客様の希望に合わせてお肉をカットし、注文を受けてから揚げ物を調理するなど、丁寧な対応も魅力のひとつです。そのほかにも、お店のオリジナル調合の西京味噌を使い、お客様が選んだ部位と量で仕立てる「西京味噌漬け」は、完全オーダーメイドで用意される、お肉の旨味と味噌の風味が絶妙に調和した珍しい逸品です。さらに、A5ランクの近江牛と滋賀県産のメンマを使った「湖風近江の牛しぐれ」など、滋賀の恵みを詰め込んだ新しい名物も生まれており、訪れるたびに新しい味に出会える楽しみがあるお店です。お肉の購入や揚げ物の注文は、出来立ての美味しさを味わっていただくために、電話やWEBからの予約もおすすめされています。