樹齢約3000年ともいわれるクスノキの根元が自然に空洞となり、まるで生きているトンネルのように人々を迎え入れる、奇跡のような存在です。
この神秘的な門をくぐり抜ける体験は、訪れる人々に深い感動と、不老長寿の御利益をもたらすと語り継がれています。
大山祇神社の奥の院へ続く参道の途中に位置するこの場所は、喧騒から離れた静寂の中で、悠久の時の流れと大地のエネルギーを肌で感じられる唯一無二のパワースポットです。

生樹の御門は、その名の通り「生きている木の門」であり、根回り約30メートルにも及ぶ巨木が形成する壮大な光景は圧巻の一言。
幹の根元に開いた空洞は、幅約2メートル、高さ約3メートル、長さ約7メートルと、大人が無理なく通り抜けられるほどの広さがあり、内部には石段が整備されています。
この空洞を通り抜けることで、まるで木そのものと一体になったかのような感覚を味わうことができます。
愛媛県の天然記念物にも指定されているこのクスノキは、かつては単幹でしたが、明治時代に一度衰退しかけたものの、根株から力強く萌芽更新し、現在は双幹の樹形へと姿を変えました。
主幹は朽ちつつも、新たな枝幹が旺盛に成長し、苔やツル植物に覆われたその姿は、多くの命を育む生命の循環そのものを象徴しているかのようです。

周辺は民家やミカン畑が広がりながらも、一歩足を踏み入れると時が止まったかのような静寂に包まれます。
その落ち着いた雰囲気は、訪れる人々の心を穏やかにし、清らかなエネルギーが満ちていることを実感させます。
生樹の御門をくぐり抜けた先には、大山祇神社の奥の院があり、古くから奥の院への参拝道として利用されてきました。
単なる観光名所としてだけでなく、歴史と信仰が深く息づく聖地として、多くの人々に敬愛されています。