地元の人々だけでなく遠方からのファンも魅了してやまないスタンドそばのお店です。
多くの「立ち食いそば」店が高級化の波に乗る中で、かけそば・もりそばが令和の時代には信じられない価格設定を頑なに守り続けています。
しかし、単に「安い」だけで終わらないのがこのお店のの真骨頂なのです。
この店の最大の魅力は、その驚異的な価格からは想像もつかないほど手間暇をかけた「黄金色の透明な出汁（つゆ）」にあります。
単なる薄口とは一線を画し、水や温度、削り節、昆布に至るまでをグラム単位で厳密に計量し、最も風味豊かな「一番出汁」のみを使用するという徹底ぶり。
さらに、毎日食べても飽きないよう塩分は控えめに調整されており、そのこだわりは「出汁がわかる一品」と評されるほどです。
提供される麺は作り置きせず、常に出来立てを提供することで、本来の美味しさを最大限に引き出しています。
また、バラエティ豊かな丼物も魅力の一つです。
「炒り鳥丼」は、ほぼワンコインで提供されるこの丼で、甘辛く煮込まれた鶏肉がご飯によく絡み、そばやうどんとの相性も抜群。
そのまま食べても良し、醤油を少しかけたり、辛党の方は七味唐辛子を加えたりと、自分好みの味に調整できる「食べ方指南書」まで用意されているのもユニークな点です。
また、とろみがかったカレーが出汁と一体となった「カレー南ばんうどん」も根強い人気を誇り、こちらも「出汁がベースになっている」からこその奥深い味わいがあります。
さらに、メニューには載っていない「裏メニュー」として、玉子でとじた「かき揚げ丼」や「おでんそば」が存在するなど、常連客だけが知る楽しみがあるのも、この店の奥深さと言えるでしょう。