平安時代の世界観を忠実に再現した壮大な歴史テーマパークです。
NHK大河ドラマのロケ地として誕生し、「みちのくのハリウッド」とも称されるこの場所では、奥州藤原氏が築き上げた栄華の時代を肌で感じることができます。
約20ヘクタール（6万5千坪）もの広大な敷地に、平安時代の貴族の邸宅や武士の館、政庁など約120棟の建物が時代考証に基づき忠実に再現されており、まるで平安京に迷い込んだかのような錯覚に陥ります。
この場所が誕生したきっかけは、1993年に放送されたNHK大河ドラマ『炎立つ（ほむらたつ）』の撮影のためにつくられた大規模なオープンセット。
撮影終了後も歴史公園として存続されることとなり、その後も数々の大河ドラマや映画のロケ地として利用されています。

岩手県花巻市、宮沢賢治が愛した胡四王山（こしおうざん）の頂に佇む「宮沢賢治記念館」は、賢治が作品に込めた宇宙観、思想、そして「イーハトーブ」という理想郷を、五感を通じて体感できる特別な空間です。
花巻の街並みを見下ろす丘の上に立つ記念館は、自然と調和した幻想的な雰囲気に包まれています。館内は、賢治の多岐にわたる活動を「科学」「芸術」「宗教」「農」「文学」の5つのテーマに沿って構成されており、彼の思想の深遠さに触れることができます。
展示の中心は、彼が愛用したチェロや望遠鏡、自筆の原稿といった貴重な資料だけにとどまりません。来館者を賢治の世界へ誘うための工夫が凝らされています。例えば、リニューアル時に乃村工藝社が設計・デザインを手掛けた展示室では、映像や光、音楽を駆使した演出が随所に施され、まるで童話や詩の世界に迷い込んだかのような没入感を提供します。
特に、故・斎藤文一氏のアイデアと設計による「大銀河系図ドーム」は、賢治が探求した宇宙の広がりを迫力ある映像で体感できる、記念館のハイライトの一つです。

縄文時代中期の集落跡を保存・活用した、壮大なスケールの遺跡公園です。
2021年には世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産として登録されました。
今から約4,500年前の縄文時代中期後半に、人々がこの地に大規模な集落を築き、定住していたことを示す貴重な遺跡です。
縄文時代と言えば、一般的には狩猟・採集生活を送っていた時代と考えられがちですが、この「御所野遺跡」は、農耕を伴わないにもかかわらず、人々が長期にわたって定住生活を送っていたことを物語る、世界的にも極めて稀な証拠なのです。
「御所野遺跡」の竪穴建物は、焼失した建物の調査から、屋根を土で覆う独特な構造だったことが判明しており、これは全国的にも珍しい特徴です。
公園内の竪穴建物は、こうした科学的な根拠に基づき、復元実験を繰り返して忠実に再現されたものであり、実際に中に入って、当時の人々の生活空間を肌で感じることができます。

天然記念物に指定されたウミネコの繁殖地として知られる、唯一無二の神社です。
海を埋め立てて陸続きとなった小さな島に鎮座し、数万羽のウミネコが飛び交う光景は、訪れる人々に強烈な印象を与えます。
かつては完全に海に囲まれた島でしたが、昭和17年（1942年）の埋め立て工事を経て、現在は陸続きとなり、車や徒歩で気軽に訪れることができます。
この小さな島が特別なのは、国の天然記念物「蕪島ウミネコ繁殖地」に指定されており、毎年3月上旬から8月頃にかけて、3万羽を超えるウミネコが飛来し、子育てを行う国内でも唯一、人が間近でその生態を観察できる場所だからです。

蕪嶋の頂に鎮座する蕪嶋神社は、鎌倉時代の永仁4年（1296年）に、弁財天を祀って創建されたと伝えられています。
弁財天は、仏教と神道の両方で財運や商売繁盛、五穀豊穣、さらには漁業安全の守り神として古くから信仰されてきました。
そして、神社の名前である「蕪嶋」の「蕪（かぶ）」が、株式の「株」や人望の「株」と同音であることから、「株価が上がる」「人望が上がる」といったご利益があるとされ、多くの参拝客が訪れるようになりました。