真言宗智山派の大本山であり、年間1000万人以上が参拝に訪れる日本有数の名刹です。
特に初詣では、毎年300万人を超える参拝者で賑わい、明治神宮に次ぐ全国トップクラスの参拝者数を誇ります。
御本尊は、不動明王です。この不動明王は、平安時代中期の武将である平将門の乱を鎮めるため、寛朝大僧正が勅命を受けて京の高雄山神護寺より請来したものです。
戦乱鎮圧後も京へ戻ろうとしなかったことから、成田の地に留まって人々を救済する意思を示されたと伝えられ、以降、「成田のお不動さま」として広く信仰を集めてきました。
特に、厄除けや家内安全、交通安全、商売繁盛など、現世利益の祈願にご利益があるとされ、人々の暮らしに寄り添う存在として篤い信仰を集めています。

広大な境内には、重要文化財に指定されている建造物が点在しており、見どころが満載です。
総門をくぐるとまず目に飛び込んでくるのは、高さ約15メートルの仁王門（重要文化財）。
その先には、巨大な提灯が印象的な大本堂が威厳をもって建ち、その広さと荘厳さに圧倒されます。
大本堂では、毎日欠かさず御護摩（おごま）祈祷が行われており、炎によって煩悩を焼き尽くし、願いが成就するよう祈る様子を間近で体験することができます。

また、新勝寺の境内は、建築様式の変遷を辿れる「建物の博物館」のような側面も持ち合わせています。
江戸時代後期の代表的な建築様式を示す三重塔（重要文化財）や、精巧な彫刻が施された釈迦堂（重要文化財）、美しい装飾が目を引く額堂（重要文化財）など、歴史的価値の高い建造物が往時の姿を今に伝えています。
特に釈迦堂の周りに施された精緻な彫刻は、見飽きることがありません。