長野県と群馬県の県境にある碓氷峠の頂上、熊野皇大神社に隣接する場所にある茶屋です。
「しげの屋」が位置する碓氷峠は、古くから東山道、そして中山道といった重要な街道の一部として、多くの旅人や物資が行き交った要衝でした。
徳川家康の時代には、この地に関所が設けられ、交通の要衝としての役割を一層強めました。
茶屋の歴史もまた古く、創業は江戸時代まで遡るとされており、旅籠（はたご）としての機能も果たしながら、疲れた旅人に安らぎと食事を提供してきました。
明治時代に入り、鉄道が開通し、さらに道路が整備されるにつれて峠越えの旅は様変わりしましたが、「しげの屋」は形を変えながらも、この地で営業を続けてきました。
ぜひ味わいたいのが、昔ながらの製法で作られる「力餅」です。
焼きたての香ばしいお餅に、甘じょっぱい醤油だれを絡めた「磯辺餅」や、優しい甘さのあんこがたっぷり乗った「あんこ餅」など、種類も豊富です。
峠を越える旅の疲れを癒してくれる素朴でどこか懐かしい味わいは、多くのリピーターを惹きつけています。