ブラジリア
1950年代に内陸部の開発を目的として、何もない荒野にわずか4年で建設された計画都市です。
この都市は、歴史を持たない都市としては異例の1987年に世界遺産に登録されました。
単一の建造物ではなく、都市全体が「20世紀の都市計画と建築の傑作」として認められた、まさに奇跡の都市です。
ブラジリアの建設は、1956年に当時の大統領ジュセリーノ・クビチェックの主導で始まりました。
リオデジャネイロからの遷都を決定し、内陸部開発の象徴として新首都を建設する壮大なプロジェクトです。
都市計画はルシオ・コスタが、主要な建築物は彼の弟子であるオスカー・ニーマイヤーが担当しました。
彼らは、都市全体を一つの芸術作品として捉え、機能と美しさを両立させた都市を創造しました。
ブラジリアの都市全体は、上空から見るとまるで「飛行機」のような形をしています。
この独特な形は、都市機能の合理的な配置を意図したもので、「胴体」部分には行政機関や商業施設、「翼」の部分には住宅街が配置されています。
これにより、交通の流れがスムーズになり、居住区と業務区が明確に分けられるという、近代的な都市計画の理想が具現化されています。
この都市の最大の魅力は、ニーマイヤーが手掛けた、優雅な曲線とダイナミックな造形美を特徴とする近代建築群にあります。
代表的な建築物には、まるで王冠を逆さにしたような独特の形状を持つメトロポリタン大聖堂があります。
16本のコンクリートの支柱が天に向かって伸びる姿は「祈りの手」を表しているとされ、内部に入ると、天井を覆う青と白のステンドグラスから差し込む光が幻想的な空間を作り出しています。
政治の中心である国会議事堂もまた、ニーマイヤーの傑作です。
2つの超高層ビルを挟むように配置された、上向きと下向きの「お椀」のような形状が特徴的です。
上向きの「お椀」は下院議場、下向きの「お椀」は上院議場を表しており、そのユニークなデザインは、民主主義の象徴を大胆に表現しています。
また、多くの建物が地上に見える部分と地下に埋設された部分から構成されており、優れたデザイン性と持続可能性が両立している点も、ブラジリア建築の大きな特徴です。
| 住所 | Brasília, DF ブラジル |
|---|
行く前に!見どころ&口コミをチェック
ブラジルの世界遺産「ブラジリア」をご紹介。世界遺産への旅行なら阪急交通社におまかせ!…
