【青森】東津軽「青函トンネル記念館」

トンネル 風景 自然

青函トンネル記念館

津軽半島の最北端にほど近い、青森県東津軽郡外ヶ浜町にある青函トンネル記念館は、世紀の難工事と言われた青函トンネルのすべてを伝えるためのメモリアル施設です。構想から完成まで約42年という長い歳月をかけて1988年に開業した青函トンネルは、当時、海底240メートルという深い海の底を貫き、総延長53.85キロメートルを誇る世界最長の海底トンネルとして知られていました。この壮大な国家プロジェクトの足跡や、困難を乗り越えて完成に導いた人々の高い技術と熱意を、後世に語り継ぐためにつくられました。

この記念館の最も大きな特徴は、実際に津軽海峡の海の底、海面下140メートルの世界を体験できる「体験坑道」です。この坑道へは、愛称「もぐら号」として親しまれるケーブルカー、青函トンネル竜飛斜坑線に乗って向かいます。この青函トンネル竜飛斜坑線は、なんと「日本一短い私鉄」としても有名で、鉄道ファンなら一度は乗ってみたいと憧れる存在です。重厚な扉が開くと、斜度14度という急な斜坑をケーブルカーが滑り降りてゆき、わずか7分ほどで別世界の海底に到着します。この斜坑は、青函トンネルの建設工事中に、作業員さんの移動や資材の運搬に使われた作業坑を利用しているため、当時の緊張感が伝わってくるようです。ケーブルカーが到着する体験坑道駅は、かつて列車が停車した竜飛海底駅の施設のひとつであり、現在も青函トンネルの非常時の避難設備である「竜飛定点」へと通じています。

海面下140メートルの体験坑道では、案内係の方の説明を聞きながら、約40分かけて当時の現場を巡ることができます。実際にトンネルを掘り進めるために使われた機械や器具が展示されており、世界に誇る大事業のスケールと、過酷な条件のなかで奮闘した人々の努力を肌で感じることができます。また、館内の展示ホールやギャラリーでは、青函トンネルの構想から貫通までの歴史を、音響と映像、立体モデル、資料パネルなどで分かりやすく紹介しています。特に「トンネルシアター」では、長い年月をかけてトンネル建設に情熱を注いだ人々のドラマを映像でじっくりと鑑賞できますので、その偉業への理解がより深まることでしょう。さらに、館内には海峡味処紫陽花というレストランもあり、津軽海峡ならではの新鮮な海産物を使った刺身定食や海鮮丼などを楽しむことができます。

住所 青森県東津軽郡外ヶ浜町三厩龍浜99−99
電話 0174-38-2301

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カテゴリー: 青森県
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