山梨県を代表する郷土料理である「ほうとう」を、古き良き伝統の味で守り続けている専門店です。甲府駅のすぐ目の前に位置するこちらのお店は、武田信玄公の陣中食として広まったと言われるほうとうの歴史を大切にしながら、現代にその美味しさを伝えています。大きな看板が目印の建物に入ると、まるでお屋敷に招かれたような重厚な和の空間が広がっており、囲炉裏や木のぬくもりに包まれながらお食事を楽しむことができます。観光で訪れる方はもちろん、地元の方々が大切なお客様をもてなす際にも選ばれる、地域に深く根ざしたお店です。

最大の特徴は、小作独自のこだわりが詰まった秘伝の出汁と、それによく絡むもちもちとした平打ち麺にあります。熟成させた味噌をベースに、数種類の素材からとった出汁を合わせることで、濃厚でありながら最後まで飲み干せるような優しい味わいに仕上げられています。また、創業以来のこだわりとして、鉄鍋で一つひとつ丁寧に煮込んで提供されるスタイルを貫いています。最後まで熱々の状態で味わえるのはもちろん、鉄鍋で煮込むことで具材の旨味が最大限に引き出され、家庭ではなかなか真似のできない深いコクが生まれるのです。

お店の看板メニューとして不動の人気を誇るのが、熟成かぼちゃほうとうです。驚くほど大きくカットされたかぼちゃがゴロゴロと入っており、それが汁に溶け込むことで、独特の自然な甘みととろみが加わります。山梨の豊かな自然が育んだ里芋やごぼう、にんじん、白菜、椎茸など、たっぷりの根菜類が一度に摂れるのも魅力で、お腹も心も満たされる滋味深い一品です。お野菜の旨味が溶け出した黄金色のスープは、麺を食べ終わった後もずっと楽しんでいたくなるような安心感があります。

ほうとう以外にも、山梨の味覚を存分に堪能できるメニューが豊富に揃っています。山梨県民のソウルフードとしても知られる甲府鳥もつ煮は、甘辛い醤油ダレでレバーや砂肝を照りよく煮絡めた逸品で、お食事のサイドメニューとしてはもちろん、お酒のお供としても喜ばれています。さらに、新鮮な馬肉を贅沢に盛り付けた馬刺しは、脂の甘みと赤身の旨味が凝縮されており、さっぱりとした生姜やニンニクと一緒にいただくのがおすすめです。また、少し変わった味わいを楽しみたい方には、猪肉の力強い旨味が溶け出した猪肉ほうとうも人気があり、野趣あふれる贅沢な味わいが元気を与えてくれます。