新潟県越後湯沢の旅の玄関口、JR越後湯沢駅の西口から歩いてすぐの場所に佇む、温泉宿とホテルの良さをあわせ持った宿です。ここは、かつて街道を往来する旅人が脚絆を外してくつろいだという「旅籠」の原点に立ち返り、その名を冠した「越後湯澤 HATAGO井仙」として2005年に生まれ変わりました。そのルーツは、越後湯沢駅の開業と同じ1925年に、初代の井口仙七氏によって駅東口に「苗場館井仙」として創業されたことに遡り、2025年には創業100周年を迎える歴史があります。

現代の旅人に安らぎを提供したいという思いから、HATAGO井仙は伝統的な温泉旅館のくつろぎとホテルの便利な機能性を融合させた新しいスタイルを提案しています。客室は全16室とほどよい規模で、一部屋ずつ異なるコンセプトを設けているのが特徴です。たとえば、リクライニングチェアでゆっくりと過ごせる「うたた寝の間」や、小さな書斎のスペースを設けた「書斎の間」、また温泉を独り占めできる「露天風呂の間」など、旅の目的に合わせてお部屋を選べる工夫がなされています。

宿を運営する株式会社いせんの理念として「旅籠三輪書」という考え方があり、お客様の満足、社員の生きがい、そして地域社会の発展という三つの輪が互いに調和しながら成長していくことを大切にしています。この理念は、宿のオーナーが「雪国観光圏」の活動を通じて、この雪深い地域が育んできた食や歴史、温泉などの雪国文化を深く表現し、その魅力を世界へ発信し続けていることにも繋がっています。

滞在の大きな楽しみであるお食事は、2階にあるレストラン「魚沼キュイジーヌ料理 むらんごっつぉ」で味わうことができます。「むらんごっつぉ」とは「村のごちそう」という意味で、雪国ならではの知恵を活かし、魚沼の山や里が育んだ滋味深い食材の持ち味を繊細に引き出した創作料理をコース仕立てで提供しています。料理の核となるのは、新潟が誇るブランド米である契約農家の塩沢産コシヒカリで、朝食には毎朝炊きたての状態で提供されます。四季折々の旬の味覚を詰め込んだ「雪国ガストロノミーフルコース」は、地域の物語を五感で体験できる人気のメニューです。

館内には、ご宿泊の方でなくても利用できるスペースもあり、1階にある喫茶店「温泉珈琲 水屋」では、越後湯沢の温泉水を使った名物メニューが人気を集めています。飲める温泉水で丁寧に淹れた「温泉珈琲」は、マイルドな口当たりが特徴で、ホットはドリップ、アイスは8時間かけて抽出する水出しで楽しめます。また、地鶏の卵と源泉の蒸気で仕上げた「温泉プリン」は、そのなめらかな食感と優しい甘さが評判のお土産としても注目されています。越後湯沢温泉はアルカリ性の単純硫黄泉で「美肌の湯」とも言われており、最上階の大浴場や貸切風呂で鎌倉時代から続く歴史ある温泉を心ゆくまで満喫できるのも、旅の疲れを癒してくれる大きな魅力です。

【カンブリア宮殿　新潟　越後湯澤 HATAGO井仙】逆襲温泉スペシャル！温泉珈琲　生原酒ジュレ　温泉町の再生で大成功を収めた温泉施設はどこ？　2019/3/28放送でも紹介