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アルゼンチン南部に位置するバルデス半島は、大西洋に大きく突き出したいかりの形をした半島です。ここは、1999年にユネスコの世界自然遺産に登録された、地球上で特に重要な自然保護区のひとつとして知られています。捕鯨によって数が減ってしまったミナミセミクジラをはじめ、さまざまな海洋生物や陸生動物にとって大切な繁殖地であり、子育ての場であることから、「いのちのゆりかご」とも呼ばれています。アルゼンチン最大の半島であるバルデス半島は、約3600平方キロメートルから3625平方キロメートルほどの広さがあります。観光の拠点となるのは、最寄りの街であるプエルト・マドリンで、ここから多くのツアーが催行されています。日本から訪れる場合は、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスまで行き、そこから国内線でトレレウ空港へ向かい、さらに陸路でバルデス半島を目指すのが一般的な道のりです。
バルデス半島ならではの魅力は、世界中でここでしか見られないようなユニークな自然の営みがたくさんあることです。特に、毎年5月から12月にかけて、静かなヌエボ湾やサン・ホセ湾にはたくさんのミナミセミクジラたちが集まってきます。ここでは、彼らが新しい命を誕生させ、子育てをする様子や、オスたちがメスに求愛する優雅なパレードを間近で観察することができます。かつては乱獲により絶滅の危機に瀕していましたが、この地での徹底した保護活動のおかげで、その数がゆっくりと回復していることは、とても喜ばしいことですね。また、3月から4月頃になると、プンタ・ノルテやカレタ・バルデスでは、ある特別な光景が繰り広げられます。それは、シャチが狩りをする際に、砂浜にまで乗り上げてオタリアを捕獲するという、世界でも非常に珍しい行動です。この巧妙な狩りの様子は、世界中の動物学者や写真家からも注目されています。さらに、プンタ・デルガダやカレタ・バルデスには、数百頭ものミナミゾウアザラシたちが集まります。特に9月から11月の繁殖期には、巨大なオス同士がメスを巡って繰り広げる迫力満点の戦いを目の当たりにすることができます。バルデス半島は、世界で唯一、ミナミゾウアザラシの個体数が増加している貴重な生息地でもあります。
この地では、海洋生物だけでなく、愛らしい陸生動物たちにも出会うことができます。プンタ・トンボやカレタ・バルデスは、数万羽ものマゼランペンギンが集まる世界最大級のコロニーとして知られており、彼らが巣を作り、子育てをする可愛らしい姿を間近で観察することができます。また、海岸線では、砂浜で気持ちよさそうに寝そべったり、海で元気にじゃれあったりするオタリア(南米アシカ)たちに出会う機会も多いです。陸地には、パタゴニア地方特有の珍しい動物たちが暮らしています。たとえば、グアナコというラクダの仲間や、パタゴニアマーラ、ダーウィンレアといった鳥の仲間、カンムリシギダチョウや、可愛らしいキツネなども、移動中に見かけることができるかもしれません。
バルデス半島を訪れる際には、いくつか知っておきたいことがあります。まず、観光客が多く訪れる場所ですので、スリや置き引きには十分に注意して、貴重品は肌身離さず持ち歩き、できるだけ身軽な荷物で観光を楽しんでください。また、小さな露店やお店ではクレジットカードが使えない場合もありますので、少額の現金を用意しておくと安心です。半島内には公共の交通手段が限られていますので、現地のオプショナルツアーに参加したり、レンタカーを利用したりするのがおすすめです。観光中、カメラやビデオカメラの持ち込みは可能ですが、自然や動物に配慮した行動を心がけましょう。さらに、バルデス半島の近郊には、ガイマンというウェールズ系移民の歴史を持つ美しい町があります。ここでは、ラム肉のグリルや、パタゴニア地方で作られるピノノワールなどのワインを楽しむことができ、また、珍しいウェールズ式のアフタヌーンティーを体験するのも素敵な思い出になるでしょう。
| 住所 | アルゼンチン チュブ州 バルデス半島 |
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