宇治駅(JR)「中村藤吉本店 宇治本店(なかむらとうきち)」
宇治茶の歴史を今に伝えながら、茶葉そのもののおいしさを甘味や食事でも楽しめる茶商です。宇治橋通りに店を構える中村藤吉本店は、初代中村藤吉が1854年に現在の本店がある地で茶商「中村藤吉商店」を始めたことを起点としています。幕末から明治へと時代が大きく動くなかで商いを広げ、山陰地方にも支店を開くなど発展しました。二代目は茶臼の自動化にも取り組み、茶づくりの近代化を進めています。大正天皇、昭和天皇の御大典の際には茶を献上した歴史もあり、170年以上にわたって宇治茶と向き合ってきました。現在の本店には茶の製造や保管に使われてきた建物が残り、明治期の茶商家の姿を伝える貴重な空間として、「宇治の文化的景観」を形づくる重要な構成要素にもなっています。
中村藤吉本店の魅力は、古い茶商の建物を眺めるだけでなく、その空間の中で宇治茶を味わえることです。2001年には明治・大正時代に使われていた製茶工場を生かして喫茶室を開店。柱や梁などを残しながらカフェへと改修しており、長年茶づくりが営まれてきた場所で甘味や食事を楽しめます。敷地には、宇治市名木百選に選ばれた「宝来舟松」と呼ばれるクロマツも育っています。また、元禄時代に建てられた茶室では石臼で茶を挽き、抹茶を味わう体験も行われています。茶を「買う」「食べる」だけではなく、茶商の歴史や建物、茶を点てる文化まで一緒に触れられるところが、本店ならではの楽しみです。
代表的な甘味として知られるのが生茶ゼリイ[抹茶]です。抹茶の繊細な風味を閉じ込めたぷるんとしたゼリイに、甘さを抑えた小倉餡ともちもちとした白玉を合わせています。もともと本店の喫茶室開店当時から自社で作られてきた品で、2003年には全国発送も始まりました。抹茶を単に濃く甘く仕立てるのではなく、茶の香りや風味を主役として楽しめるよう考えられているのが特徴です。香ばしい茶の風味を楽しめる生茶ゼリイ[ほうじ茶]もあり、抹茶とは違った宇治茶の表情を味わえます。
もうひとつ注目したいのが、1994年から販売されている中村茶です。中村家に伝わってきた合組、つまり複数の茶を組み合わせる技を生かした独自のお茶で、茶商として培ってきた歴史を感じさせる存在です。さらに抹茶を使った焼き菓子マルトベイク[抹茶]、抹茶のおいしさを生かしてしっとり焼き上げるうじていらなど、茶葉から甘味まで幅広く楽しめます。カフェでは蕎麦も扱っており、甘味だけを目的に訪れるのではなく、宇治散策の途中で食事とお茶をゆっくり楽しむ立ち寄り先にも向いています。
JR宇治駅からは徒歩約1分と近く、宇治観光の始まりや締めくくりにも立ち寄りやすい場所です。中村藤吉本店のカフェは予約制ではなく、混雑状況によっては通常のラストオーダーより前に受付が終わる場合があります。平等院などとあわせて訪れる際は、時間に余裕を持って向かうと安心です。宇治茶を味わうだけでなく、幕末から続く茶商の建物や庭、製茶の歴史まで感じられるため、宇治という町とお茶の深いつながりを知る場所としても楽しめます。
- まるとパフェ[抹茶] 2480円
- 手摘みてん茶を楽しむ生茶蕎麦[ZARU] 1580円
- 生茶ゼリイ[抹茶] 1800円
| 住所 | 京都府宇治市宇治壱番10 |
|---|---|
| 電話 | 0774-22-7800 |
ホームページ
にほんのお茶へできること。にほんのお茶ができること。 京都の宇治から未来を見据え、日本茶の彩り豊かな生活をお届けいたします。…
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