一杯の生ビールに人生を捧げ、その奥深さを追求し続ける重富寛氏の情熱と哲学が凝縮された、まさに「ビール道」の聖地と言えるでしょう。
営業時間はわずか2時間（平日の場合、17:00〜19:00、日曜・祝日は13:00〜15:00）と限られ、一人あたり2杯までという独自のルールが設けられています。
しかし、この限られた時間と制約こそが、訪れる人々に究極の一杯への期待感を高め、忘れられない体験を提供しています。
重富氏が提供するビールは、銘柄こそアサヒの特定銘柄に絞られていますが、その真髄は「注ぎ方」にあります。
単なる注ぎ方と侮るなかれ。重富氏の手にかかれば、同じ銘柄のビールがまるで別の飲み物のように表情を変えるのです。
その種類は、大きく分けて5種類に分類されます。

一度つぎ（喉を駆け抜ける爽快感）: 日本の注ぎ方の原点とも言える、一気に注ぎきる職人技。グラスに収まりきらないビールの「元気」を味わえ、喉を突き抜けるような爽快感が特徴です。風呂上がりの牛乳を飲むような姿勢でグッと飲むのがおすすめとされています。

二度つぎ（爽快感と旨味の融合）: 一度つぎの爽快感を残しつつ、麦芽の旨味をプラスした、日本人好みのバランスが特徴です。爽快感と苦味、甘みの絶妙な調和が楽しめます。

三度つぎ（マイルドで優しい味わい）: ドイツの「Seven Minutes Pils（セブンミニッツピルス）」を日本の風土と味覚に合わせて再現した注ぎ方で、3分間かけ、3回に分けて丁寧に注がれます。炭酸と苦味を抑え、麦芽の甘みと柔らかい口当たりが際立ちます。

マイルドつぎ（ビールが苦手な方にも）: 炭酸と苦味を限界まで弱め、ビール本来の甘みと初体験の柔らかい泡を楽しめるため、ビールが苦手な方や初めて飲む方にもおすすめです。

シャープつぎ（現代と昭和の融合）: 現代のサーバーで炭酸と苦味を最大限に引き出しつつ、昭和初期のレトロサーバーでしか作れないトロトロの泡を乗せることで、初体験の口当たりとなめらかな喉ごしを実現した、まさにハイブリッドな一杯です。