かつて中学校教師だった店主・宮田伸也さんが、人生の転機を経てたどり着いた「パン職人」という新たな道で紡ぎ出す、情熱と物語に満ちた場所です。
最大の魅力は、そのパン一つひとつに込められた「地元の恵み」と「職人のこだわり」にあります。
長野県産の小麦粉や卵を惜しみなく使用し、木島平村で採れた旬の野菜が彩りを添えます。
平日は、一日の始まりを豊かにする食パンやバタール、そして創意工夫を凝らした調理パンなど、約30種類ものパンがずらりと並びます。
午前6時半の開店を待ちわびて、早朝から列を作る地元住民の姿は、この工房が地域にいかに深く根ざしているかを物語っています。
焼きたてのパンはあっという間に売り切れとなるため、早めの来店がおすすめです。

特に土曜日は、平日とは異なる特別なラインナップが楽しめます。サクサクのクロワッサンやデニッシュ類に加え、香ばしい窯焼きピザが登場。
注文を受けてから焼き上げる熱々のピザは、木島平の自然の中で味わう至福の一品となるでしょう。
宮田さんは、深夜1時半にはパン作りを始め、朝の開店に間に合わせる情熱を注ぎ込みます。その日の天候や素材の状態を見極めながら、最高の状態でパンを焼き上げる宮田さんの手仕事は、まさに職人技です。

「パン工房○（まる）」は、木島平村の「きじまだいらランタンフェス」などの地域イベントにも積極的に参加し、村の活性化にも貢献しています。
パンを通して、地域の人々との交流を深め、木島平の魅力を発信し続けるその姿勢は、多くの人々に共感と温かい気持ちを与えています。
木島平村の豊かな自然の中で、愛情を込めて作られたパンは、まさに心と体を満たす、小さな奇跡のような存在です。