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池上の高台に広い境内を構え、日蓮聖人が生涯を閉じた地として大切に守られてきた、日蓮宗の大本山です。池上本門寺は東京都大田区池上にあり、東急池上線の池上駅から歩いて約15分。日蓮聖人は1282年、病気療養のため常陸国へ向かう途中、この地を治めていた池上宗仲の館に立ち寄り、同年10月13日に61歳で入滅しました。その後、池上宗仲が寺域を寄進したことが池上本門寺の始まりとされています。現在の境内は法華経の文字数69,384字にちなみ、約7万坪という広さを持ち、池上の街を代表する歴史散策の名所となっています。
境内へ向かう際に印象的なのが、総門の先に続く石段です。広い境内には大堂をはじめ、五重塔、宝塔、日蓮聖人の御廟所などが点在し、ひとつのお堂だけを見るというより、境内を歩きながら歴史をたどる楽しみがあります。総門は元禄年間の建築で、本阿弥光悦の書を彫った扁額でも知られています。池上周辺には寺院や昔ながらの商店街も多いため、参拝とあわせて街歩きを楽しみやすいのも魅力です。
なかでも見逃せないのが、国の重要文化財に指定されている本門寺五重塔です。1607年から1608年ごろに建立された塔で、徳川2代将軍・徳川秀忠の乳母である岡部局の発願によるものと伝わります。高さは約29m。初層には日本の伝統的な和様、2層以上には禅宗様の特徴が見られ、異なる建築様式を1つの塔の中で見比べられます。江戸時代以前に建てられ、現在まで残る関東の五重塔のなかでも特に古い貴重な建築です。1945年の空襲では境内の多くの建物が失われましたが、五重塔は戦災を免れました。
もうひとつ注目したいのが、日蓮聖人を荼毘に付した場所と伝わる地に建つ池上本門寺宝塔です。日蓮聖人の550回遠忌にあわせ、1828年に上棟された木造の塔で、上下とも円形という珍しい姿をしています。内部空間を備えた木造宝塔は全国でも例が少なく、そのなかでも最大規模とされ、国の重要文化財に指定されています。彫刻や彩色を施した華やかな建築ですが、内部は通常公開されていないため、参拝時は外観から見学する形になります。
池上本門寺を象徴する行事が、毎年10月11日から13日に営まれるお会式です。日蓮聖人の命日にあわせて行われる法要で、特に12日夜の万灯練供養が大きな見どころです。桜の花をかたどった飾りを付けた万灯が池上の街を進み、纏や太鼓とともに本門寺を目指します。東京を代表する秋の伝統行事のひとつで、例年多くの参拝者でにぎわいます。2026年も10月11日から13日の開催が案内されています。期間中は周辺の交通規制や混雑が見込まれるため、静かに境内や文化財を見学したい場合は別の日を選ぶと歩きやすいです。
境内は広いうえ、高低差や石段もあります。五重塔や宝塔、御廟所までじっくり巡るなら、歩きやすい靴がおすすめです。また、池上本門寺は観光名所であると同時に、今も祈りや供養が続く寺院です。堂内や墓所では静かに参拝し、建物内部の公開状況や行事による立ち入りの変更については、訪問前に確認しておくと安心です。春の桜や秋のお会式だけでなく、桃山・江戸期から受け継がれた文化財を訪ねながら、日蓮聖人と池上の街が800年近く育んできた歴史に触れられる名所です。
| 住所 | 〒146-8576 東京都大田区池上1丁目1−1 |
|---|---|
| TEL | 03-3752-2331 |
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