群馬県みなかみ町の雄大な自然に囲まれた場所に、ユニークな魅力を持つ土合駅があります。土合駅は、上越線の駅として1936年（昭和11年）に開業し、その下りホームが新清水トンネル内の地下深くに作られていることから、「日本一のモグラ駅」として広く知られています。地下70メートルにもなる下りホームから地上の駅舎までは、486段もの長い階段を約10分かけて上り下りしなければならないという、鉄道ファンならずとも思わず圧倒されるような構造で、2001年には「関東の駅百選」にも認定されています。

この土合駅から歩いて約20分ほどのところにある谷川岳ロープウェイの土合口駅からゴンドラに乗り、山頂駅にあたる天神平駅に、今回ご紹介する展望レストランビューテラス てんじんがございます。 ビューテラス てんじんは、標高1319メートルの地点に位置し、レストランの大きな窓からは、2000メートル級の山々が連なる谷川連峰の雄大な景色を一望できるのが最大の特徴です。 ここを訪れるお客様は、本格的な登山をしなくても、ロープウェイで気軽に「山頂」の気分と、アルプス級とも言われる壮大な眺めを堪能できるのです。 春には残雪と新緑、秋には燃えるような紅葉、そして冬には一面の雪景色と、四季折々の谷川岳の風景がお客様を迎えてくれます。

ビューテラス てんじんでは、その絶景と共に温かい名物料理を楽しむことができます。中でも山グルメとして評判なのが、見た目も可愛らしい谷川岳パングラタンです。 ふわふわなパンを器のようにくり抜き、大きめにカットされた野菜や鶏肉、ベーコンなどを詰め、滑らかなホワイトソースとたっぷりのチーズをかけて、オーダーごとに皿ごとオーブンで焼き上げるという、心も体も温まる一品です。 仕上がったグラタンは、谷川岳のシルエットが刻印されたオリジナルの木製プレートにのせて提供され、見た目からも旅の思い出を彩ってくれます。

また、くり抜いたパンにプリン液を染み込ませて焼き上げた自家製スイーツのパンプディングも人気です。 しっとりとした口当たりと、キャラメルソースの甘味、そしてトッピングされた柑橘系の爽やかな酸味が調和し、味わい深い一品に仕上がっています。 食事メニューでは、山の冷えた空気の中で食べるのにぴったりのてんじんラーメンや、どなたにも親しまれるポークカレーライスなども用意されており、登山客や観光客の休憩に利用されています。 谷川岳の美しい景色を眺めながら、ゆったりと温かい食事を味わう、そんな贅沢なひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。