鍾路ハルモニソンカルグクス
韓国のソウル都心部にある鍾路(チョンノ)は、昔ながらの建物が並び、どこか懐かしい雰囲気が漂う下町のようなエリアです。この鍾路に長年愛されてきたのが、手打ち麺が自慢のカルグクス専門店、鍾路ハルモニソンカルグクスです。地下鉄の鍾路3街(チョンノサムガ)駅からほど近い路地裏に、1988年にわずか3名で開業して以来、35年以上にわたって地元の人々に親しまれてきました。店名にある「ハルモニ」は韓国語で「おばあさん」を意味し、昔ながらの素朴な味わいを守り続けてきた歴史を物語っています。周囲には同じようにカルグクスのお店が集まっていて、通称「カルグクスキル」(カルグクス通り)とも呼ばれている、知る人ぞ知る注目のスポットです。
お店の最大のこだわりは、やはり「手打ち」の麺、ソンカルグクスです。機械を使わずに、小麦粉をこねて包丁で切る昔ながらの手法を大切にし、手間を惜しまず麺を作り上げています。その自家製麺は前日に仕込み、なんと12時間もの時間をかけてじっくりと熟成させてから使われるというこだわりようです。このひと手間が、機械では出せない独特のコシと、不揃いな太さの面白さを生み出し、多くのお客様を惹きつけている理由となっています。出汁には上質な煮干しが使われ、その素材の風味を丁寧に引き出したやさしいスープが、この手打ち麺を温かく包み込みます。また、使用する白菜や唐辛子を国産にこだわり、毎朝漬け込まれる浅漬けキムチもこのお店の名物として知られています。店内では、従業員の方が手際よく麺を打ったり、具材を包んだりする活気ある様子を見ることができ、その丁寧な仕事ぶりが、お客様への安心感につながっています。
数あるメニューのなかで、特に人気を集めているのが、カルグクス(手打ち麺)とスジェビ(すいとん)を一度に楽しめるカルジェビです。麺だけでは物足りない方にぴったりのメニューで、手打ち麺のつるりとした食感と、手でちぎられたスジェビのもちもちとした食感の違いが、素朴なスープの中で絶妙なハーモニーを奏でます。初めて訪れる方には、このカルジェビをおすすめする人が多いそうです。もちろん、純粋な手打ち麺の魅力を堪能できる基本のカルグクスも、辛いものが苦手な方や、日本のうどんに近い味わいを求める旅行者にも喜ばれる一品です。
カルグクスと並ぶ看板メニューとして、マンドゥ(手作り餃子)関連の料理も人気があります。特におすすめは、手打ち麺と餃子の両方を味わえるカルマンドゥククです。また、優しい味わいのスープでいただくマンドゥククや、肉とキムチの二種類の味が楽しめる手作りのソンマンドゥを一皿注文してシェアするのも楽しいでしょう。さらに、地元のお客様に愛されているのが、お店特製のネギの唐辛子漬けです。これを注文した料理に少し加えて「味変」をしてみると、また違った美味しさが広がり、食が進みます。昔ながらの温かい味わいと、手作りのぬくもりが詰まった素朴な料理の数々が、旅の疲れを癒してくれることでしょう。
- マンドゥ
- カルグクス
| 住所 | 14-2 Donhwamun-ro 11da-gil, Jongno District, Seoul, 大韓民国 |
|---|---|
| 電話 | 02-744-9548 |
